第18回 問題35

問題35 次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.せん妄は、さまざまな全身疾患に伴う非特異的な症状として出現する。
2.夜間にせん妄が増悪する場合には、昼間に適度な刺激と散歩などの活動の機会をつくり、夜間に睡眠できるように配慮する。
3.せん妄は感覚の遮断で改善するので、静かな環境を整備し、眼鏡や補聴器の装着を避ける。
4.アルコール依存症のケアでは、飲酒以外に楽しみのある生活ができるまでは、安易に断酒会には参加させない。
5.うつ症状には、降圧剤などの薬剤に起因するものもある。

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解答

1、2、5

解説

1.せん妄は、さまざまな全身疾患に伴う非特異的な症状として出現する。
→◯

 意識障害の原因はさまざまで、①脳の器質的異常(脳血管障害、頭部外傷など)、②薬剤の副作用、③重篤な全身疾患(低血圧、低血糖、慢性呼吸不全、高血糖、尿毒症など)があります。
 せん妄は意識障害のひとつであり、睡眠や覚醒リズムの障害、環境の変化(入院や施設入所など)、生活リズムの変化、不安(手術前など)、アルコールや薬剤の摂取、感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)などが引き金となることもあります(2018中央法規ワークブックP191、八訂基本テキスト3巻P7)。
 ただし、これらがある場合に必ずせん妄が現れるわけではないので、非特異的な症状と言えます。

2.夜間にせん妄が増悪する場合には、昼間に適度な刺激と散歩などの活動の機会をつくり、夜間に睡眠できるように配慮する。
→◯

 選択肢1の解説にあるように、睡眠や覚醒リズムの障害がせん妄の引き金となることがあります。そのため、日中の活動量が不足している場合はそれを増やして、十分な睡眠が取れるよう配慮することが大切です(2018中央法規ワークブックP191、八訂基本テキスト3巻P7・P435)。

3.せん妄は感覚の遮断で改善するので、静かな環境を整備し、眼鏡や補聴器の装着を避ける。
→×

 選択肢1の解説にあるように、環境の変化や感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)が、せん妄の引き金となることもあります。ですので、静かな環境を整備することは有効ですが、必要な眼鏡や補聴器は装着するようにします。

4.アルコール依存症のケアでは、飲酒以外に楽しみのある生活ができるまでは、安易に断酒会には参加させない。
→×

 ケアとしては、断酒会やアルコール依存症患者の会などに継続的に参加しながら、飲酒の他に楽しみがもてる生活が送れるよう支援することが大切です(2018中央法規ワークブックP257、八訂基本テキスト3巻P279)。

5.うつ症状には、降圧剤などの薬剤に起因するものもある。
→◯

 薬剤の副作用によって、うつ症状が出ることもあります(2018中央法規ワークブックP191、八訂基本テキスト3巻P7)。
 たとえば、降圧剤の一種であるβ遮断薬は、交感神経(自律神経のうちの身体を興奮状態にする神経)のβ受容体をブロックし、その働きを抑えて心臓からの血液の排出量を減らします。そのため、副作用としてうつ症状が出ることがあります。

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