第18回 問題38

問題38 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.喀痰の吸引に必要な吸引器は、介護保険により給付される。
2.膀胱留置カテーテルを留置している場合には、蓄尿バッグは、膀胱より低い位置に置く。
3.人工呼吸療法には、気管切開により行う場合や、口や鼻からマスクにより行う場合などがある。
4.インスリンの自己注射を行っている場合には、低血糖による意識レベルの変化に注意する。
5.人工透析を行っている場合には、シャント側で血圧測定を行う。

猫の写真

解答

2、3、4

解説

1.喀痰の吸引に必要な吸引器は、介護保険により給付される。
→×

 吸引器は医療機器であり、福祉用具貸与や特定福祉用具販売など介護保険のサービスの給付対象とはされていません(2018中央法規ワークブックP421・P422、八訂基本テキスト2巻P174)。そのため、解答は×になります。

2.膀胱留置カテーテルを留置している場合には、蓄尿バッグは、膀胱より低い位置に置く。
→◯

 膀胱留置カテーテル(バルーンカテーテル)は、尿道口からバルーン付きのカテーテルを膀胱内に挿入・留置して、尿を持続的に蓄尿バッグに排泄させる方法です。ですので、蓄尿バッグは膀胱より低い位置にする必要があり(2018中央法規ワークブックP275、八訂基本テキスト3巻P63)、そのため解答は◯になります。
 もし、蓄尿バッグを膀胱より高い位置にしてしまうと、尿が膀胱に逆流して、感染症を引き起こす危険があるため注意が必要です。

3.人工呼吸療法には、気管切開により行う場合や、口や鼻からマスクにより行う場合などがある。
→◯

 人工呼吸療法には次の2つの方法があり(2018中央法規ワークブックP270、八訂基本テキスト3巻P57)、そのため解答は◯になります。

人工呼吸療法の方法
非侵襲的陽圧換気法(NPPV)……専用のマスクを使用して行う方法。
※「非侵襲的」は「生体を傷つけないような」という意味。NPPV:non-invasive positive pressure ventilation
気管切開・人工呼吸療法(気管切開下陽圧換気療法、TPPV)……気管切開をして、気管カニューレを挿入して行う方法。
※TPPV:tracheostomy positive pressure ventilation
4.インスリンの自己注射を行っている場合には、低血糖による意識レベルの変化に注意する。
→◯

 インスリンは膵臓で作られ、血液中からブドウ糖を細胞内に取り込む働きをするホルモンで、ブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要不可欠です。このインスリンの働きが不足すると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなり、糖尿病となります。
 インスリン注射を行っている場合、その作用により低血糖となって、動機、発汗、意識障害を起こすことがあるため注意が必要です(2018中央法規ワークブックP198・P265、八訂基本テキスト3巻P147)。そのため、解答は◯になります。

5.人工透析を行っている場合には、シャント側で血圧測定を行う。
→×

 血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があります。それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて、血流量の多い血管をつくります。これがシャントです。
 血液透析においてシャントはとても大切ですので、常に清潔を保ち、圧迫や締め付けを避けるなどの配慮が必要です(2018中央法規ワークブックP267、八訂基本テキスト3巻P50)。したがって、シャント側の腕で血圧を測定するのは不適切であり、解答は×になります。

関連Q&A
血液透析で用いられる「シャント」 や、人工透析の種類や留意点は、どういうものですか?

血液透析のシャントとは、たくさんの血液を取り出すために、動脈と静脈を繋ぎ合わせた血管

 血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があり、それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて血流量の多い血管をつくります。これをシャントといいます。  

人工透析の種類や留意点など

 この種類や留意点などをまとめると、次のようになります。
人工透析の種類や留意点など
人工透析 腎不全などの場合に、腎臓の代わりに血液の老廃物のろ過、水分調節、電解質の調整を人工的に行うもの。 水分や電解質のバランスが崩れて体調が悪くなったり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高いため、一般の人よりも注意が必要。 血液透析体外に出した血液を、透析装置に通す方法。 週2~3回(1回あたり4~5時間)の通院が必要。 水分、塩分、カリウム、リンなどの摂取制限がある。 シャントは常に清潔を保ち、圧迫や締め付けを避ける(シャント側の腕で血圧を測定しない)などの配慮が必要。 ※シャント:血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があり、それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて血流量の多い血管をつくる。これをシャントという。
腹膜透析腹膜(腹部の内蔵を覆う膜)を透析膜として使用する方法。カテーテルで腹膜腔内に透析液を注入し、腹膜で老廃物を濾し取って、廃液をカテーテルから排出する。 通院は月に1~2回程度。 食事制限が血液透析よりも緩い。 長期間行っていると腹膜が変化して腹膜透析ができなくなったり、カテーテルから細菌に侵入して腹膜炎になったりすることもある。 医療的な作業(カテーテルを清潔な操作でつなぐなど)が必要なため、利用者や介護者が知識や手技を習熟しいる必要がある。
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