第18回 問題43

問題43 認知症について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.パーソン・センタード・ケア(PCC)は、介護者の効率を優先し、薬物療法等の医療を中心とした認知症のケアである。
2.初期では基本的ADLは保たれるが、中期には基本的ADLに支援が必要になるなど、認知症の進行過程により症状やケアの方法が異なる。
3.BPSD(認知症の行動・心理症状)は、脳の病変により症状が生じるため、個人因子や環境因子の影響は受けない。
4.アルツハイマー型認知症の初期症状としては、近時記憶の障害が著しい。
5.認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる者やその家族を複数の専門家が訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行う。

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解答

2、4、5

解説

1.パーソン・センタード・ケア(PCC)は、介護者の効率を優先し、薬物療法等の医療を中心とした認知症のケアである。
 →×

 従来の認知症に対するケアは、介護者の効率を優先したものでした。
 これに対して、イギリスのトム・キットウッドが提唱したパーソン・センタード・ケア(PCC)は、「その人らしさをケアの中心として、本人の意向に沿い、本人の尊厳を傷つけないようなケア(一方的な「与えるケア」ではなく、双方向の「心の通うケア」)」というものです(2018中央法規ワークブックP251、八訂基本テキスト3巻P253)。

2.初期では基本的ADLは保たれるが、中期には基本的ADLに支援が必要になるなど、認知症の進行過程により症状やケアの方法が異なる。
 →◯

 認知症は、おおまかに①初期/軽度、②中期/中等度、③進行期/重度、④終末期という4ステージに分けられます。
 このステージによって出現するBPSD(認知症の行動・心理症状)の内容も変化するため、ケアの方法も変わってきます(2018中央法規ワークブックP250、八訂基本テキスト3巻P244)。

認知症のステージ
初期/軽度 健忘が中心。IADL(金銭管理、買い物、服薬管理など)に障害がみられるが、基本的ADLは保たれる。
中期/中等度 聞いたことをすぐ忘れる。基本的ADLに支援が必要になる(簡単な食事の用意ができない、服を順番に渡す必要があるなど)。
進行期/重度 認知機能障害が重度となる(着衣失効〔服の袖に腕を通すことが困難〕など)。失語症によりコミュニケーションが難しくなる。運動機能が衰える。排尿コントロールが難しくなる。
終末期 寝たきりになる。発語はほとんどない。尿便失禁。嚥下困難。


3.BPSD(認知症の行動・心理症状)は、脳の病変により症状が生じるため、個人因子や環境因子の影響は受けない。
 →×

 BPSD(認知症の行動・心理症状)は、脳の病変に直接起因する中核症状(認知症状)だけでなく、個人因子(生い立ち、職歴など)や、環境因子(住環境、ケアの状況など)の影響も強く受けます(2018中央法規ワークブックP250、八訂基本テキスト3巻P242)。

4.アルツハイマー型認知症の初期症状としては、近時記憶の障害が著しい。
 →◯

 アルツハイマー型認知症では、初期症状として健忘が現れます。エパソード(出来事)記憶の障害が中心で、近時記憶(数分~数か月)の著しい障害がみられます(2018中央法規ワークブックP246、八訂基本テキスト3巻P232)。

5.認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる者やその家族を複数の専門家が訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行う。
 →◯

 認知症初期集中支援チームは、この選択肢にある内容を行うチームで(2018中央法規ワークブックP253、八訂基本テキスト3巻P268)、市町村が地域包括支援センターや医療機関などに設置します。
 なお、地域支援事業の包括的支援事業の認知症総合支援事業において、認知症初期集中支援チームの設置が進められています(2018中央法規ワークブックP120、八訂基本テキスト1巻P172)。

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