第19回 問題28

問題28 検査について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.高齢者のBMI(Body Mass Index)は、脊椎の変形や圧迫骨折により、本来の値より小さくなる。
2.血清アルブミンは、高齢者の長期にわたる栄養状態をみるために有用な指標である。
3.AST(GOT)は、肝臓の疾病以外の原因でも上昇する。
4.糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cは、検査前1~2時間の血糖レベルを反映している。
5.CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症以外に、悪性腫瘍や膠原病でも高値になることがある。

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解答

2、3、5

解説

1.高齢者のBMI(Body Mass Index)は、脊椎の変形や圧迫骨折により、本来の値より小さくなる。
 →×

 BMIは、肥満度を示す指数で、体重kg÷(身長m×身長m)という計算式で出します(2018中央法規ワークブックP261、八訂基本テキスト3巻P76・P372)。
 ですので、脊椎の変形や圧迫骨折によって身長が低くなっている場合は、本来の値より大きくなります。

2.血清アルブミンは、高齢者の長期にわたる栄養状態をみるために有用な指標である。
 →◯

 高齢者の低栄養では、たんぱく質とエネルギーの不足が原因の「たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:protein energy malnutrition)」が多く見られます。PEMは、血清アルブミン、BMI、体重減少率、食事摂取量などによって評価・判定をします(2018中央法規ワークブックP261、八訂基本テキスト3巻P76・P372・P373)。

PEMのリスク指標
BMI 18.5kg/m2未満
体重減少率 半年間で5%以上
血清アルブミン値 3.5g/dL以下
食事摂取量の減少 75%以下

 なお、高齢になるとエネルギー消費が少なくなり、食欲が低下しがちです。また、加齢によって消化器も機能低下してきます。こうしたことから、高齢者では低栄養が問題になります(2018中央法規ワークブックP191、八訂基本テキスト3巻P8)。

3.AST(GOT)は、肝臓の疾病以外の原因でも上昇する。
 →◯

 AST(GOT)は、肝・胆道疾患の指標として用いられます。肝・胆道疾患だけでなく、心臓や筋肉などの疾患、溶血性疾患(溶血:赤血球が破壊されること)でも上昇します(2018中央法規ワークブックP228、八訂基本テキスト3巻P77)。
 AST(GOT)は肝細胞に多く含まれている酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に放出されて、血液中の値が上昇します。そのため、肝・胆道疾患の指標になります。また、心筋や骨格筋の細胞、赤血球にも多く含まれているため、これらの疾患の指標にもなります。

 なお、ALT(GPT)も、肝・胆道疾患の指標として用いられます。こちらは、ほとんどが肝細胞に含まれる酵素です。

 γ-GPTも、肝・胆道疾患の指標として用いられます。解毒作用に関係している酵素で、アルコールに反応します。脂肪肝やアルコール性肝炎などで上昇します。

4.糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cは、検査前1~2時間の血糖レベルを反映している。
 →×

 ヘモグロビンA1c(糖化ヘモグロビン、HbA1c)は、糖がヘモグロビンと結合している割合を示すものです。これは、過去1~2か月の平均的な血糖レベルを反映しています(2018中央法規ワークブックP228、八訂基本テキスト3巻P78)。

5.CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症以外に、悪性腫瘍や膠原病でも高値になることがある。
 →◯

 CRP(C反応性たんぱく質、C-リアクティブ・プロテイン)は、体内で炎症や細胞破壊が起こると血液中に増加します。そのため、炎症や細胞破壊が起こる疾患(感染症、がん、膠原病、心筋梗塞など)の進行度・重症度の指標として有用です(2018中央法規ワークブックP229、八訂基本テキスト3巻P79)。

 ちなみに、肺炎血球が持つC多糖体に反応することから、この名称が付けられました。

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