第19回 問題32

問題32 在宅医療管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.悪性腫瘍の疼痛管理のために麻薬を使う場合は、便秘になることが多いので、排便コントロールに留意する。
2.腹膜透析は、在宅で行うことができるため、血液透析に比べて通院回数は少ない。
3.インスリンを自己注射している場合に、冷や汗、動悸、震えがみられたら、高血糖を疑う。
4.在宅酸素療法や人工呼吸療法を実施している場合は、パルスオキシメーターの購入費用の補助を受けられることがある。
5.胃ろうに栄養剤を注入する際には、水平仰臥位で実施する。

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解答

1、2、4

解説

1.悪性腫瘍の疼痛管理のために麻薬を使う場合は、便秘になることが多いので、排便コントロールに留意する。
→◯

 麻薬の副作用には、便秘、吐気、嘔吐、眠気などがあります(2018中央法規ワークブックP266、八訂基本テキスト3巻P49)。
 そのため、悪性腫瘍の疼痛管理として麻薬を使用する場合は、こうした副作用に留意する必要があります。

2.腹膜透析は、在宅で行うことができるため、血液透析に比べて通院回数は少ない。
→◯

 人工透析には血液透析と腹膜透析があり、後者の方が通院回数は少なくて済みます(2018中央法規ワークブックP266、八訂基本テキスト3巻P50・P51)。

人工透析の種類や留意点など
人工透析
腎不全などの場合に、腎臓の代わりに血液の老廃物のろ過、水分調節、電解質の調整を人工的に行うもの。
水分や電解質のバランスが崩れて体調が悪くなったり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高いため、一般の人よりも注意が必要。
血液透析
体外に出した血液を、透析装置に通す方法。
週2~3回(1回あたり4~5時間)の通院が必要。
水分、塩分、カリウム、リンなどの摂取制限がある。
シャントは常に清潔を保ち、圧迫や締め付けを避ける(シャント側の腕で血圧を測定しない)などの配慮が必要。

※シャント:血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があり、それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて血流量の多い血管をつくる。これをシャントという。
腹膜透析
腹膜(腹部の内蔵を覆う膜)を透析膜として使用する方法。カテーテルで腹膜腔内に透析液を注入し、腹膜で老廃物を濾し取って、廃液をカテーテルから排出する。
通院は月に1~2回程度。
食事制限が血液透析よりも緩い。
長期間行っていると腹膜が変化して腹膜透析ができなくなったり、カテーテルから細菌に侵入して腹膜炎になったりすることもある。
医療的な作業(カテーテルを清潔な操作でつなぐなど)が必要なため、利用者や介護者が知識や手技を習熟している必要がある。
3.インスリンを自己注射している場合に、冷や汗、動悸、震えがみられたら、高血糖を疑う。
→×

 インスリンは膵臓で作られ、血液中からブドウ糖を細胞内に取り込む働きをするホルモンで、ブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要不可欠です。このインスリンの働きが不足すると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなり、糖尿病となります。
 インスリン注射を行っている場合、その作用により低血糖となって、動機、発汗、意識障害を起こすことがあるため注意が必要です(2018中央法規ワークブックP265、八訂基本テキスト3巻P47・P147)。

4.在宅酸素療法や人工呼吸療法を実施している場合は、パルスオキシメーターの購入費用の補助を受けられることがある。
→◯

 在宅酸素療法や人工呼吸療法を行っている患者の場合、市町村によってパルスオキシメーターの購入費用について補助を受けられることがあります。

関連Q&A
パルスオキシメーターの機能や仕組みは、どのようなものですか?
 パルスオキシメーターのプローブには、LEDと光センサーが内蔵されています。LEDからは赤色光と赤外光が照射され、それが指先や耳などを透過・反射したものを光センサーで受けるという仕組み。  血液中のヘモグロビンは、酸素と結合している場合と、結合していない場合として、赤色光と赤外光の吸光度が異なります。この性質を利用し、光センサーで受けた透過光・反射光を分析することで、血中酸素飽和度を測定しています。  

静脈血・軟部組織との区別には、脈動を利用している

 ただし、上記のような仕組みだけだと、動脈血だけではなく、静脈血や軟部組織を透過・反射した光も測定してしまうことに…。そこで、動脈血を区別するために、脈動が用いられます。  心臓から送り出された動脈血には、脈動があります。一方、静脈血は緩やかに流れ、脈動はありません。もちろん、軟部組織にも脈動はありません。ですので、透過光・反射光のうち、脈動による変化成分のあるものだけをピックアップすることで、動脈血だけの血中酸素飽和度を測定することが可能になります。  また、この仕組みによって、前述のように脈拍数を測定することもできるというわけです。
5.胃ろうに栄養剤を注入する際には、水平仰臥位で実施する。
→×

 胃ろうに栄養剤を注入する場合、胃から食道への逆流や、それに伴う誤嚥を防止するために、上半身を30度以上起こした状態にします(2018中央法規ワークブックP269、八訂基本テキスト3巻P55)。

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