第20回 問題4

問題4 介護保険の第2号被保険者について正しいものはどれか。2つ選べ。
1.40歳に達した日に、自動的に被保険者証が交付される。
2.健康保険の被保険者である生活保護受給者は、介護保険料を支払う義務はない。
3.強制加入ではない。
4.医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。
5.健康保険の被保険者に係る介護保険料には、事業主負担がある。

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解答

4、5

解説

1.40歳に達した日に、自動的に被保険者証が交付される。
 →×

 第2号被保険者の場合、被保険者証は要介護認定の申請をした人か、交付の申請をした人に交付されます(2018中央法規ワークブックP33、八訂基本テキスト1巻P65・P66)。そのため、解答は×になります。

 なお、第1号被保険者の場合は、全ての人に被保険者証が交付されます。

2.健康保険の被保険者である生活保護受給者は、介護保険料を支払う義務はない。
 →×

 生活保護受給者であっても、被保険者であれば、介護保険料を支払う義務があります(2018中央法規ワークブックP366、八訂基本テキスト1巻P59・3巻P513)。そのため、解答は×になります。

 なお、健康保険の被保険者である生活保護受給者は、企業の健康保険に加入している人であり、会社に勤務していて給与をもらっている、ということです。
 この場合、給与から医療保険料と一緒に介護保険料が徴収されます。そのため、介護保険料の分は収入とはみなされず(「勤労(被用)収入から控除」)、その分を生活扶助として増やしてくれます。ですので、結果的には「生活扶助に上乗せして支給される」と言うことができます。

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生活保護の介護扶助・生活扶助と、居住費・食費などの関係性はどのようになっているのですか?
介護保険料(介護保険の被保険者)  生活扶助での対応になります。詳細は、以下のとおりです。 第1号被保険者  年額18万円(月額1万5,000円)以上の老齢基礎年金等受給者は特別徴収(年金から天引き)されます。この場合、介護保険料の分が年金収入から控除されます。 ※「年金収入から控除」というのは、受け取る年金のうち、保険料の分は収入とはみなされず、その分を生活扶助として増やしてくれるということです。ですので、結果的には「生活扶助に上乗せして支給される」と言うことができます。  上記以外の場合は普通徴収(納入通知書による納付)になります。この場合は、生活扶助に加算がされます(介護保険料加算)。 第2号被保険者  勤労(被用)収入から控除されます。 ※生活保護受給者は、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護「医療扶助」から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、医療保険未加入となり、第2号被保険者の資格要件のうち「医療保険に加入していること」を満たさなくなって、介護保険の被保険者ではなくなります。  ただし、生活保護を受けていて、企業の健康保険に加入している人もわずかにいます(生活保護受給者が、企業の健康保険に加入することは可能です)。この場合で、40歳~64歳の人が第2号被保険者になります。つまり、生活保護受給者で第2号被保険者となるのは、企業の健康保険に加入している人であり、会社に勤務していて給与をもらっている、ということです。  この場合、給与から医療保険料と一緒に介護保険料が徴収されます。そのため、介護保険料の分は収入とはみなされず(「勤労(被用)収入から控除」)、その分を生活扶助として増やしてくれます。ですので、結果的には「生活扶助に上乗せして支給される」と言うことができます。  

施設サービス(介護保険の被保険者)

日常生活費  生活扶助での対応になります(介護施設入所者基本生活費)。 食費  介護保険から特定入所者介護サービス費から給付されて、負担限度額の分が介護扶助の対応になります。 ※特定入所者介護サービス費は、居住費・食費について、負担限度額までを利用者が負担し、それを超えて基準費用額までが介護保険から給付されるものです。 居住費  生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の居住費は、全額が介護保険から特定入所者介護サービス費として給付されます。 ※生活保護受給者が多床室を利用した場合は、特定入所者介護サービス費における負担限度額が0円とされているため、全額が特定入所者介護サービス費として給付されることになります。  ただし、居室の空き状況などによっては、例外的にユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用することも認められます。この場合、介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分が介護扶助の対応になります。  

短期入所サービス(介護保険の被保険者)

食費  生活保護による新たな対応はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費から給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。 ※短期入所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が支給されています。そのため、負担限度額の分を既に支給されている中から支払うことになります。 滞在費  生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の滞在費は、全額が介護保険から特定入所者介護サービス費として給付されます。  ユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用した場合は、生活保護による新たな対応はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。  

通所サービス(介護保険の被保険者)

食費  生活保護による新たな対応はありません。食費の全額を生活保護受給者が支払います。 ※通所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が支給されています。そのため、食費の全額を既に支給されている中から支払うことになります。  

生活保護受給者(介護保険の被保険者でない場合)


介護保険料(介護保険の被保険者でない場合)

 介護保険の被保険者でないので、そもそも介護保険料は発生しません。  

施設サービス(介護保険の被保険者でない場合)

日常生活費  生活扶助での対応になります(介護施設入所者基本生活費)。 食費  介護扶助での対応になります。 住費  介護扶助での対応になります。  

短期入所サービス(介護保険の被保険者でない場合)

食費  介護保険の特定入所者介護サービス費相当額が介護扶助の対応になり、負担限度額相当額を生活保護受給者が既に支給されている中から支払います。 滞在費  生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の滞在費は、全額が介護扶助の対応になります。  ユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用した場合は、介護保険の特定入所者介護サービス費相当額が介護扶助の対応になり、負担限度額相当額を生活保護受給者が既に支給されている中から支払います。  

通所サービス(介護保険の被保険者でない場合)

食費  食費の全額を生活保護受給者が既に支給されている中から支払います。

3.強制加入ではない。
 →×

 介護保険では、一定の要件を満たせば自動的に被保険者(第1号被保険者および第2号被保険者)となる、強制適用とされています(2018中央法規ワークブックP28、八訂基本テキスト1巻P58)。そのため、解答は×になります。

4.医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。
 →◯

 第2号被保険者が医療保険加入者でなくなった場合、その日に被保険者資格を喪失します(2018中央法規ワークブックP30、八訂基本テキスト1巻P61)。そのため、解答は◯になります。

 なお、第2号被保険者が医療保険の加入者でなくなったときというのは、具体的には、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が、生活保護を受けるようになった場合です。生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護「医療扶助」から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、第2号被保険者の資格要件のうちの「医療保険加入者であること」(2018中央法規ワークブックP29、八訂基本テキスト1巻P58)を満たさなくなります。
 そしてこの場合は、生活保護を受けるようになった当日に、生活保護「介護扶助」からサービスが給付されるように切り替わります。そのため、当日に被保険者資格を喪失しても問題はないと言えます。

関連Q&A↓
被保険者資格を喪失するのが、当日の場合と翌日の場合があるのは、なぜですか?
 考え方としては「保険給付が適切に行われるようになっている」ということです。被保険者資格を喪失するタイミングと保険給付の関係は、以下のようになります。  

適用除外施設に入所(入院)したとき → 翌日

 たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に適用除外施設に入所するとします。この場合、適用除外施設に入所する当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。  被保険者資格を喪失するのが翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

死亡したとき → 翌日

 たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に亡くなったとします。この場合、死亡した当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。  被保険者資格を喪失するのが死亡日の翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

その市町村の住所がなくなったとき → 翌日

※その市町村の住所がなくなった日に、他の市町村に住所を移したとき → 当日  まず、分かりやすいよう※の方から説明します。  たとえば、A市からB市に引っ越すとします。この場合、引っ越し当日にA市の被保険者資格を喪失し、同日にB市の被保険者資格を取得します。もし、「翌日に資格を喪失」となっていると、A市とB市の両方の被保険者資格をもっている時間が発生してしまいます。これを避けるためには、「その日から資格を喪失」とする必要があります。  そして「その市町村の住所がなくなったとき → 翌日」についてです。これは具体的には、国外へ転出する場合です。  たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に国外へ転出するとします。この場合、国外へ転出する当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。被保険者資格を喪失するのが翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

第2号被保険者が医療保険の加入者でなくなったとき → 当日

 これは具体的には、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が、生活保護を受けるようになった場合です。生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護「医療扶助」から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、第2号被保険者の資格要件のうちの「医療保険加入者であること」(2018中央法規ワークブックP29、八訂基本テキスト1巻P58)を満たさなくなります。  そしてこの場合は、生活保護を受けるようになった当日に、生活保護「介護扶助」からサービスが給付されるように切り替わります。そのため、当日に被保険者資格を喪失しても問題はないと言えます。

5.健康保険の被保険者に係る介護保険料には、事業主負担がある。
 →◯

 第2号被保険者が健康保険の被保険者の場合は、医療保険料と同様に、介護保険料について事業主負担があります(2018中央法規ワークブックP105、八訂基本テキスト1巻P83)。そのため、解答は◯になります。

 ちなみに、同様の仕組みとして、第2号被保険者が国民健康保険の被保険者の場合は、介護保険料について国庫負担があります(八訂基本テキスト1巻P83)。

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