第20回 問題7

問題7 高額介護サービス費の支給について正しいものはどれか。2つ選べ。
1.第1号被保険者である生活保護の被保護者は、対象とならない。
2.居宅要支援被保険者は、対象とならない。
3.施設サービスの食費は、対象となる。
4.施設サービスの居住費は、対象とならない。
5.負担上限額は、所得によって異なる。

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解答

4、5

解説

1.第1号被保険者である生活保護の被保護者は、対象とならない。
 →×

 生活保護受給者である被保険者(第1号被保険者、第2号被保険者)も、高額介護サービス費の対象となります。この場合の上限額(月)は15,000円です(このページの下部の表参照。2018中央法規ワークブックP72、七訂基本テキスト1巻P122)。そのため、解答は×になります。

関連Q&A↓
生活保護と高額介護サービス費との関係は、どのようになるのですか?

A 高額介護サービス費の現物給付化が行われる

 生活保護受給者に対して、高額介護サービス費が直接的に給付されることはありません。高額介護サービス費との関係は、次のようになります。  生活保護受給者が介護サービスを利用して、その費用の1割が高額介護サービス費の上限額を超えた場合、その超えた分については、国保連において保険請求分への振り替え処理が行われます。簡単な例をあげて考えてみます。 例)生活保護受給者が、A事業者の介護サービスを20万円分利用しました。この場合、9割である18万円が介護保険から給付され、2万円が生活保護の介護扶助から給付されます。  これについて、A事業者は国保連に請求します。この請求書では、介護保険への請求(市町村への請求)は18万円、生活保護の介護扶助への請求(福祉事務所への請求)は2万円です。国保連は、A事業者に20万円を支払います。  そして、この2万円は、生活保護受給者の高額介護サービス費の上限額1万5,000円を超えています。超えた分である5,000円について、国保連は介護保険への請求に振り替えます。ですので、国保連は市町村に18万5,000円を請求して、福祉事務所へ1万5,000円を請求することになります。生活保護受給者への高額介護サービス費の支給はありません。  ただ、上記の振り替え処理によって、高額介護サービス費の上限額を超えた分は、生活保護受給者へのサービス費用になっていることになります。ですので、この処理を「高額介護サービス費の現物給付化」という言い方をします。  
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
世帯のいずれかの人が市町村民税課税 世帯 44,400円 ※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020〔平成32〕年7月末までの時限措置)。
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人世帯 24,600円
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人 世帯 24,600円 個人 15,000円
市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者 世帯 24,600円 個人 15,000円
生活保護受給者 個人 15,000円
※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。

2.居宅要支援被保険者は、対象とならない。
 →×

 要支援者の場合、定率(1割、2割または3割)の利用者負担の額が一定の上限額(月)を超えた場合、超えた分が高額介護予防サービス費として償還払いで給付されます(2018中央法規ワークブックP72、七訂基本テキスト1巻P105)。そのため、解答は×になります。

※利用者負担「3割」は平成30年8月から。

3.施設サービスの食費は、対象となる。
 →×

 高額介護サービス費は、定率定率(1割、2割または3割)の利用者負担の額が、一定の上限額(月)を超えた場合に、超えた分が償還払いで給付されるものです(2018中央法規ワークブックP72、七訂基本テキスト1巻P121)。
 ただし、福祉用具購入費と住宅改修費にかかる利用者負担は対象外とされています。また、食費、居住費・滞在費、その他日常生活費など利用者が負担する費用も対象外です。そのため、解答は×になります。

4.施設サービスの居住費は、対象とならない。
 →◯

 選択肢3の解説にあるとおり、居住費は高額介護サービス費の対象外とされています。そのため、解答は◯になります。

5.負担上限額は、所得によって異なる。
 →◯

 高額介護サービス費の上限額は、以下の表のように所得によって異なります(2018中央法規ワークブックP72、七訂基本テキスト1巻P122)。そのため、解答は◯になります。

高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
世帯のいずれかの人が市町村民税課税 世帯 44,400円
※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020〔平成32〕年7月末までの時限措置)。
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人 世帯 24,600円
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人 世帯 24,600円
個人 15,000円
市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者 世帯 24,600円
個人 15,000円
生活保護受給者 個人 15,000円

※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。

関連Q&A↓
高額介護サービス費は、支給限度基準額を超えた分にも適用されますか?
 支給限度基準額を超えて全額が利用者負担となった分は、高額介護サービス費の対象外とされています。もし、その分が高額介護サービス費として償還払いで給付されたら、支給限度基準額の意味がなくなってしまいます。  

高額介護サービス費は、支給限度基準額の範囲内の利用であっても給付されることがある

 高額介護サービス費とは、利用者が支払った自己負担額(原則1割)が、定められた上限額(この記事の最後の表参照)を超えた場合に、超えた分が払い戻される、というものです。そして、支給限度基準額の範囲内の利用であっても、高額介護サービス費が給付されることはあります。簡単な例をあげてみます。 例)夫婦が2人で暮らしていて、2人とも利用者負担は1割で、要介護5(区分支給限度基準額は36,065単位)です。1単位あたりの単価は10円、高額介護サービス費の上限は世帯で44,400円です。  ある月に、夫は30,000単位分のサービスを利用して、サービス費用は30,000単位×10円=30万円、利用者負担額は3万円でした。  同月に、妻は20,000単位分のサービスを利用して、サービス費用は20,000単位×10円=20万円、利用者負担額は2万円でした。  夫婦ともに、区分支給限度基準額の範囲内の利用です。  すると、この月の世帯の負担額は、夫と妻の利用者負担額の合計5万円となります。この5万円は、高額介護サービス費の世帯の上限である44,400円を超えているので、超えた分の5,600円が高額介護サービス費として払い戻されます。  この例のように一つの世帯に要介護者が何人もいる場合は、世帯としての利用者負担が大きくなって、その世帯の家計が苦しくなってしまいます。それを軽減するために高額介護サービス費が給付されます。  

高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの負担上限額

 これは、次のようになっています。
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
世帯のいずれかの人が市町村民税課税 世帯 44,400円 ※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020〔平成32〕年7月末までの時限措置)。
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人世帯 24,600円
市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人 世帯 24,600円 個人 15,000円
市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者 世帯 24,600円 個人 15,000円
生活保護受給者 個人 15,000円
※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。
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