第19回 問題43

問題43 認知症について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.レビー小体型認知症では、起立性低血圧や失神による転倒、便秘などの症状はまれである。
2.認知症ケアパスとは、医療機関の連携を示すもので、介護体制は含まない。
3.若年性認知症者は、自立支援医療の対象となる。
4.認知症のSOSネットワークは、警察だけでなく、介護事業者や地域の生活関連団体等が捜索に協力して、行方不明者を発見する仕組みである。
5.正常圧水頭症にみられる認知機能障害は、脳の周囲や脳室内に脳脊髄液が貯留するために生じる。

猫の写真

解答

3、4、5

解説

1.レビー小体型認知症では、起立性低血圧や失神による転倒、便秘などの症状はまれである。
→×

 レビー小体とは、神経細胞が脱落・変性したαシヌクレインというたんぱく質が蓄積して形成される、特殊なたんぱく質の塊です。
 レビー小体型認知症では、脳だけでなく抹消自律神経系の神経細胞にもレビー小体が異常沈着するため、次のようにさまざまな症状が現れます(2018中央法規ワークブックP247、八訂基本テキスト3巻P235)。

レビー小体型認知症の症状
レム睡眠障害(夢を見て〔レム睡眠中〕大声を出したり、身体を激しく動かす。何年も前からみられる)
うつ症状(比較的早期から)
嗅覚の低下(比較的早期から)
リアルな幻視(幻視を払いのける、幻視から逃げようとするなど)、誤認妄想(家族を他人と言うなど)
認知機能の低下は全般的で、視覚認知障害がやや目立ち、(アルツハイマー型認知症ほどではないが)記憶障害も伴う。
パーキンソン症状
自律神経症状として、起立性低血圧(立ちくらみ)や失神(これらによる転倒)、血圧の変動、便秘。
嚥下障害
2.認知症ケアパスとは、医療機関の連携を示すもので、介護体制は含まない。
→×

 認知症ケアパス(care pathway)とは、認知症の進行状況に合わせて、いつ、どこで、どのような医療・介護サービスを受ければよいか、ということを標準的に示したものです。ここには介護サービスも含まれます(2018中央法規ワークブックP253、八訂基本テキスト3巻P266)。
 認知症ケアパスは、地域ごとに作成されて、その地域にある病院や介護サービス事業者、施設が盛り込まれます。現在、多くの市町村で作成されており、普及が進んでいます。

 認知症ケアパスは、たとえば次のようなものです(↓は、認知症の進行を示します)。

認知症ケアパスの例
認知症の気づきから診断まで……家族、主治医や認知症疾患医療センター※による診断
 ↓
日常在宅ケア……主治医による日常診察、介護支援専門員によるケアプラン、事業者による居宅サービス・地域密着型サービスなど
 ↓
急性増悪期ケア……精神科医療機関
 ↓
日常在宅ケア……主治医による日常診察、介護支援専門員によるケアプラン、事業者によるサービス、施設入所など

※認知症疾患医療センター:認知症に関して、地域の医療機関や介護サービス事業者等との連携を担う中核機関として、都道府県・指定都市による指定を受けた医療機関。
3.若年性認知症者は、自立支援医療の対象となる。
→◯

 自立支援医療では、次の対象者に必要な医療費の支給を行います(2018中央法規ワークブックP362、八訂基本テキスト3巻P509)。

自立支援医療の区分と対象者
精神通院医療 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
更生医療 「身体障害者福祉法」に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳以上)
育成医療 身体に障害を有する児童でその障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳未満)

 上記の精神通院医療の対象者に、若年性認知症(40歳以上65歳未満)の人が含まれます。

4.認知症のSOSネットワークは、警察だけでなく、介護事業者や地域の生活関連団体等が捜索に協力して、行方不明者を発見する仕組みである。
→◯

 たとえば、タクシーやバスの運転手、宅配・郵便配達・新聞配達など地域を回る人、ガソリンスタンドなど外で働く人、コンビニなど夜間営業している店、地域の放送局、住民組織、介護サービス事業者などが協力して、行方不明の認知症患者を捜索します(2018中央法規ワークブックP252、八訂基本テキスト3巻P271)。地域によって、名称はさまざまです。

5.正常圧水頭症にみられる認知機能障害は、脳の周囲や脳室内に脳脊髄液が貯留するために生じる。
→◯

 水頭症とは、脳や脊髄を流れる脳脊髄液の循環や吸収が何らかの原因により妨げられて、脳脊髄液が脳の周囲や脳室内に貯まり、脳室が正常よりも大きくなる疾患です。そして、脳脊髄の圧力の値(脳脊髄圧)が正常範囲であって水頭症であるものが、正常圧水頭症です。
 脳脊髄液によって脳が圧迫されることにより、脳の機能に影響が出ます。三大症状は次のものです(2018中央法規ワークブックP246、八訂基本テキスト3巻P239)。

水頭症の三大症状
ボーっとして反応が鈍い認知機能障害(脳血管性認知症に類似)
すり足で小股に歩く歩行障害(パーキンソン病に類似)
尿失禁
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