第20回 問題13【平成29年 ケアマネ試験 介護支援分野】

問題13 第1号被保険者のうち、特別の事情があると認められない保険料滞納者への措置として正しいものはどれか。3つ選べ。
1.保険給付の支払方法の変更
2.訪問看護等医療系サービスの医療保険制度への移行
3.保険給付の額の減額
4.保険給付の全部又は一部の支払の一時差止
5.区分支給限度基準額の減額

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解答

1、3、4

解説

 第1号被保険者が、特別の事情がなく保険料を滞納した場合、市町村は次の措置を段階的にとることができます(2018中央法規ワークブックP104、八訂基本テキスト1巻P80)。

保険料を滞納した場合の措置
滞納期間が1年以上になると、現物給付から償還払いに変更する(支払い方法の変更)。
滞納期間が1年6か月以上になると、保険給付の支払いの全部または一部を一時差し止めにする。
なお納付しない場合は、差し止められた保険給付から、滞納保険料を相殺する。

 市町村の保険料についての徴収権は、時効により2年で消滅します。要介護認定を受けた第1号被保険者に、時効によって徴収権が消滅した期間がある場合、その期間に応じて、保険給付の割合が7割に引き下げられ、利用者負担が3割に上がります(保険給付の額の減額)。
 また、高額介護(予防)サービス費、高額医療合算介護(予防)サービス費、特定入所者介護(予防)サービス費(特例サービス費を含む)が支給されなくなります。

 選択肢「1.保険給付の支払方法の変更」と「3.保険給付の額の減額」と「4.保険給付の全部又は一部の支払の一時差止」は上記に該当するため、解答は◯になります。

 「2.訪問看護等医療系サービスの医療保険制度への移行」と「5.区分支給限度基準額の減額」は上記に該当しないため(そもそも、こうした措置はないため)、解答は×になります。

 ちなみに、特別の事情(災害その他やむを得ない事情)がある場合は、滞納扱いにはならず、保険料が減免されます(2018中央法規ワークブックP105、八訂基本テキスト1巻P80)。

保険料を滞納した場合の例
 保険料を滞納した場合について、以下に簡単な例をあげて考えてみます。

例)Aさん(利用者負担は1割)は、保険料を10万円も滞納して、その期間が1年を過ぎました。そのため、現物給付はされなくなり、償還払いとなりました(支払い方法の変更)。ですので、Aさんが5万円分のサービスを利用した場合、Aさんは一旦5万円全額を負担し、後から市町村に申請して、保険給付分である9割の4万円が戻ってきます。

 その後も、Aさんは保険料を払わず、滞納期間が1年6か月を過ぎました。そのため、保険給付が一時差し止めとなりました(保険給付の一時差し止め)。Aさんが5万円分のサービスを利用した場合、Aさんは5万円全額を負担します。しかし、後から市町村に申請しても、保険給付分の9割である4万円は戻ってきません。

 その後も、Aさんは保険料を払わずにいました。すると、上記で一時的に差し止められた保険給付分である4万円が、滞納している保険料の支払いに使われます。そうして、滞納保険料の10万円に4万円が支払われて、滞納保険料は6万円となりました(滞納保険料と保険給付との相殺)。

 保険料を滞納して2年が過ぎると、市町村が被保険者から保険料を徴収する権利が消滅します。ですので、その分は、市町村は被保険者から徴収できなくなる(被保険者は支払わなくてもいい)、ということになります。
 ただし、保険料徴収の権利が消滅した期間に応じて、給付率が7割になる(利用者負担が3割になる)、高額介護サービス費などが給付されない、というペナルティがあります。

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