第20回 問題32

問題32 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.老年期うつ病は、認知症と明確に区別され、認知症に移行することはない。
2.せん妄は、興奮を伴うことが多いが、活動性が低下するものもある。
3.せん妄の発症の誘因として、睡眠障害、薬剤、環境の変化などが挙げられる。
4.せん妄の治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。
5.統合失調症は、軽症化したとしても、その後症状が再発することがある。

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解答

2、3、5

解説

1.老年期うつ病は、認知症と明確に区別され、認知症に移行することはない。
 →×

 老年期うつ病の一部は、認知症に移行することがあります。1年後に3%、2年後に12%、3年後に50%以上というデータもあります(七訂基本テキスト3巻P226)。そのため、解答は×になります。

2.せん妄は、興奮を伴うことが多いが、活動性が低下するものもある。
 →◯

 せん妄は意識障害のひとつで、一過性の認知機能低下、見当識障害、不眠、興奮、錯乱、幻聴、幻覚などの精神症状が現れます。せん妄により、興奮や錯乱を主体とする場合もありますが、活動性が低下(認知機能や見当識、注意力が低下)する場合もあります(2018中央法規ワークブックP191、七訂基本テキスト3巻P7)。そのため、解答は◯になります。

3.せん妄の発症の誘因として、睡眠障害、薬剤、環境の変化などが挙げられる。
 →◯

 せん妄は、睡眠や覚醒リズムの障害、環境の変化(入院や施設入所など)、生活リズムの変化、不安(手術前など)、アルコールや薬剤の摂取、感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)などが引き金となることもあります(2018中央法規ワークブックP191・P249、七訂基本テキスト3巻P7)。そのため、解答は◯になります。

4.せん妄の治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。
 →×

 せん妄の治療では、選択肢3であげた誘因を取り除くことに加えて、薬物治療も行うことが有効です(2018中央法規ワークブックP249、七訂基本テキスト3巻P182)。そのため、解答は×になります。

5.統合失調症は、軽症化したとしても、その後症状が再発することがある。
 →◯

 統合失調症の大半は思春期から中年期以前に発症します。
 症状には、派手な症状(陽性症状:幻聴や幻覚、滅裂思考、緊張病症状〔興奮と無動〕、奇異な行動など)と、精神機能の減退を反映する症状(陰性症状:感情鈍麻、無気力、自発性の低下、自閉など)があります。加齢に伴い、寛解(症状の軽減)、欠陥治癒(心的エネルギーが低い状態での安定)、認知症化など、さまざまな経過をたどります。
 経過が順調でも、薬の服用の中断などにより、高齢になって再発することもあります(2018中央法規ワークブックP256、七訂基本テキスト3巻P226)。そのため、解答は◯になります。

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