第19回 問題60

問題60 後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.保険料は、厚生労働省令で定める。
2.65歳以上75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者も、被保険者となる。
3.生活保護世帯に属する者も、被保険者となる。
4.一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。
5.給付には、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給が含まれる。

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解答

2、4、5

解説

1.保険料は、厚生労働省令で定める。
 →×

 後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村(特別区を含む)が加入して設立された後期高齢者医療広域連合です。
 この後期高齢者医療広域連合の条例によって、後期高齢者医療制度の保険料が定められます(2018中央法規ワークブックP372、七訂基本テキスト3巻P503)。そのため、解答は×になります。

2.65歳以上75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者も、被保険者となる。
 →◯

 後期高齢者医療制度の被保険者は、次の者です(2018中央法規ワークブックP371、七訂基本テキスト3巻P502)。そのため、解答は◯になります。

後期高齢者医療制度の被保険者
 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有し、次のいずれかに該当する者
75歳以上の者
65歳以上75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者
※生活保護世帯に属する者などは被保険者から除外されます。

3.生活保護世帯に属する者も、被保険者となる。
 →×

 選択肢2の解説にあるとおり、生活保護世帯に属する者などは被保険者から除外されます。そのため、解答は×になります。

4.一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。
 →◯

 後期高齢者医療制度の一部負担は、原則として1割です。ただし、現役並み所得者の場合は3割とされています(2018中央法規ワークブックP372、七訂基本テキスト3巻P503)。そのため、解答は◯になります。

※現役並み所得者:同一世帯の被保険者のうちに、ひとりでも課税所得が145万円以上の者がいる世帯の被保険者。

5.給付には、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給が含まれる。
 →◯

 後期高齢者医療制度の給付には次のものがあり、高額療養費と高額介護合算療養費が含まれます(2018中央法規ワークブックP372、七訂基本テキスト3巻P502)。そのため、解答は◯になります。

後期高齢者医療制度の給付
療養の給付
入院時食事療養費
入院時生活療養費
保険外併用療養費
療養費
訪問看護療養費
特別療養費
移送費
高額療養費
高額介護合算療養費
条例で定める給付

関連Q&A↓
後期高齢者医療制度が創設されたのには、どのような経緯があるのですか?

負担をみんなで分け合う仕組みに

 老人保健から後期高齢者医療制度に移行した主な要因は、その財政面にあると言えます。後期高齢者医療制度の財源には「後期高齢者支援金(現役世代の保険料)」があり、後期高齢者の医療費の一部をもっと若くて現在働いている人(現役世代)も支払うことにして、負担をみんなで分け合う仕組みとなっています。これは老人保健にはなかった仕組みであり、このようにすることが後期高齢者医療制度の創設された大きな理由のひとつです  

保険料の負担主体を明確に

 老人保健の対象者は国民健康保険や健康保険などに加入し(それらの保険料を支払い)、そのうえで老人保健に加入する(老人保健には保険料はなし)という構造だったため、国民健康保険や健康保険などから老人保健にお金が出されていました(前述の「医療保険者からの拠出金」です)。ただ、この仕組みだと、老人保健の対象者が支払っている国民健康保険や健康保険の保険料が、老人保健においてどのように位置づけになるのかがあいまいになってしまいます。  後期高齢者医療制度は独立した保険制度であるため、加入する場合は国民健康保険や健康保険などからは脱退することになります。そして、加入すると後期高齢者医療制度の保険料を支払うことになります。こうすることで、保険料の負担主体が明確になります。  

後期高齢者により適切な給付

 給付の内容も、より後期高齢者に適切となるよう、後期高齢者医療制度において改変されています。  

運営主体は都道府県にある後期高齢者医療広域連合となり、運営における責任が明確に

 その他の大きな違いとしては、運営主体の違いがあげられます。老人保健の運営主体は市町村でしたが、後期高齢者医療制度の運営主体は都道府県にある後期高齢者医療広域連合となりました。前述のように、老人保健には保険料はなく、したがって運営主体である市町村はその徴収もしませんでした。にもかかわらず、市町村は運営主体として給付を行っていました。この仕組みだと、給付についての市町村の責任が不明確であったと言えます。  後期高齢者医療制度では、運営主体を都道府県にある後期高齢者医療広域連合とし、後期高齢者医療広域連合が保険料を徴収し、給付を行うことで、運営における責任が明確になります。また、運営を都道府県単位とすることで、市町村単位の場合よりも広い範囲で保険料の設定ができることになり、高齢者の負担における公平性が増していると言えます。
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