第21回 問題7【平成30年 ケアマネ試験 介護支援分野】

問題7 支給限度基準額について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.福祉用具貸与には、区分支給限度基準額は適用されない。
2.福祉用具購入費には、区分支給限度基準額は適用されない。
3.居宅療養管理指導には、区分支給限度基準額は適用されない。
4.転居した場合には、改めて支給限度基準額まで居宅介護住宅改修費の支給を受けることができる。
5.地域密着型サービスには、居宅介護サービス費等種類支給限度基準額は適用されない。

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解答

2、3、4

解説

 区分支給限度基準額が設定されているのは、次のサービスです(2018中央法規ワークブックP65、八訂基本テキスト1巻P111)。

区分支給限度基準額が設定されているサービス
居宅介護サービス費等区分支給限度基準額
国の基準
(1か月)

要介護1
 16,692単位
要介護2
 19,616単位
要介護3
 26,931単位
要介護4
 30,806単位
要介護5
 36,065単位
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
通所介護
通所リハビリテーション
短期入所生活介護
短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護(短期利用に限る)
福祉用具貸与
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
認知症対応型共同生活介護(短期利用に限る)
地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用に限る)
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
介護予防サービス費等区分支給限度基準額
国の基準
(1か月)

要支援1
 5,003単位
要支援2
 10,473単位
介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護
介護予防福祉用具貸与
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用に限る)
関連Q&A
支給限度基準額と区分支給限度基準額は、違うものなのですか?
支給限度基準額は、区分支給限度基準額や種類支給限度基準額などの総称  次のものの総称が「支給限度基準額」です(言い換えると、「支給限度基準額」には次のようなものがある、ということです)。 区分支給限度基準額 ※区分支給限度基準額の設定されたサービス一つひとつについて、市町村が条例で種類支給限度基準額を設定することもあります。 福祉用具購入費支給限度基準額 住宅改修費支給限度基準額    区分支給限度基準額が設定されているサービスは、似たような要素をもっています。これを「相互の代替性」があるといいます。たとえば、訪問入浴介護の代わりに訪問介護での入浴介助を利用するなどです。こうした「相互の代替性」があるサービスをひとつのグループにまとめ、組み合わせて利用するという前提で、そのグループの給付上限として設定されているのが区分支給限度基準額です。  たとえば、要介護5の場合、居宅サービス等区分の区分支給限度基準額は1か月で36,065単位です。この場合、居宅サービス等区分のサービス(たとえば、訪問介護や通所介護など)をまとめて、1か月に合計36,065単位までの利用が給付対象になります。  

福祉用具購入費支給限度基準額は、福祉用具購入費についての給付上限

 福祉用具購入費について定められた給付上限が、福祉用具購入費支給限度基準額です。これは、4月1日から1年間を管理期間として10万円とされています。  

住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修費についての給付上限

 住宅改修費について定められた給付上限が、住宅改修費支給限度基準額です。これは、基本的に20万円とされています。引っ越した場合や、要介護度が一定以上あがった場合には、また20万円まで給付対象になります。  

種類支給限度基準額は、区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつに定める給付上限

 区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつについて給付上限を定めるのが、種類支給限度基準額です。

 以上を踏まえて、各選択肢を見ていきます。

1.福祉用具貸与には、区分支給限度基準額は適用されない。
→×

 上表のように、福祉用具貸与には区分支給限度基準額が設定されています。そのため、解答は×になります。

2.福祉用具購入費には、区分支給限度基準額は適用されない。
→◯

 上表のように、区分支給限度基準額が設定されているサービスに特定福祉用具販売(費用の名称は「福祉用具購入費」)は含まれません。そのため、解答は◯になります。

 なお、特定福祉用具販売については、単独で福祉用具購入費支給限度基準額が設定されています。

福祉用具購入費支給限度基準額の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
福祉用具貸与・特定福祉用具販売の基準【一問一答 ケアマネ試験対策】
福祉用具貸与・特定福祉用具販売の基準について、◯か×で答えなさい Q1 福祉用具貸与事業所には、福祉用具専門相談員を1名以上置...
3.居宅療養管理指導には、区分支給限度基準額は適用されない。
→◯

 上表のように、区分支給限度基準額が設定されているサービスに居宅療養管理指導は含まれません。そのため、解答は◯になります。

 なお、居宅療養管理指導には、そもそも支給限度基準額が設定されていません。

関連Q&A
支給限度基準額が設定されないサービスがあるのは、どういうことですか? また、上限なく利用できるのですか?
 支給限度基準額が設定されないサービスは、他の代替サービスがなく、他のサービスとの組み合わせは前提としていません。また、介護報酬の給付額が自動的に決まってきます(上限なく利用できるわけではありません)。そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。
支給限度基準額が設定されないサービス
居宅療養管理指導 介護予防居宅療養管理指導 特定施設入居者生活介護(短期利用を除く) 介護予防特定施設入居者生活介護 認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く) 介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く) 居宅介護支援 介護予防支援 地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用を除く) 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 施設サービス(介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護療養施設サービス)
※介護予防特定施設入居者生活介護には、そもそも「短期利用」はありません。そのため「短期利用を除く」という記載もありません。  

施設サービスなど → ◯◯単位×30日といった計算で1か月の最大単位数が決まってくる

 たとえば、施設サービスを利用する場合、そこの従業者によって必要なサービスが総合的に提供されます。そのため、他のサービスを組み合わせて利用する必要がありません。  また、施設サービスでは、要介護度別に1日あたりの単位数が定められています。すると、1か月間利用した場合の最大単位数(加算がある場合はそれ含めて)が、要介護度別に自動的に(◯◯単位×30日といった計算によって)決まってきます。  そのため、支給限度基準額を定める必要がないのです。  特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)、介護予防特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)、介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)、地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、上記の施設サービスと同様の考え方になります。  

居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導 → 1か月の提供回数の上限と1回の単位数が決まっているので、1か月の最大単位数も決まってくる

 居宅療養管理指導と介護予防居宅療養管理指導は、職種などによって1か月の提供回数の上限と1回あたりの単位数が定められているので、1か月の最大単位数が自動的に決まってきます。  たとえば、歯科医師が同一建物居住者以外の利用者に対して居宅療養管理指導を行う場合、1か月に2回まで、1回につき503単位とされています。ですので、1か月に最大で1,006単位しか算定できないことになります。  そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。  

居宅介護支援・介護予防支援 → はじめから単位数が1か月あたりで設定されている

 居宅介護支援と介護予防支援は、はじめから単位数が1か月あたりで設定されているので、1か月の最大単位数(加算がある場合はそれ含めて)が自動的に決まってきます。  たとえば居宅介護支援では、取り扱い件数40未満までの部分、要介護1・2の単位数は、1か月につき1,042単位です。加算がある場合は、その単位数がプラスされます。これで、1か月の最大単位数が決まります。  そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。
4.転居した場合には、改めて支給限度基準額まで居宅介護住宅改修費の支給を受けることができる。
→◯

 住宅改修費支給限度基準額は、同一の住宅に対して20万円とされています。転居した場合や、要介護度が一定以上あがった場合には、また20万円まで給付対象になります(2018中央法規ワークブックP66、八訂基本テキスト1巻P114)。そのため、解答は◯になります。

住宅改修費支給限度基準額の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
住宅改修の支給【一問一答 ケアマネ試験対策】
住宅改修の支給について、◯か×で答えなさい Q1 住宅改修費の支給を受けるためには、市町村が指定する指定住宅改修事業者に、住宅...
5.地域密着型サービスには、居宅介護サービス費等種類支給限度基準額は適用されない。
→×

 種類支給限度基準額とは、区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつについて、市町村が条例によって上限を定めるものです(2018中央法規ワークブックP67、八訂基本テキスト1巻P113)。これは、地域密着型サービスにも適用可能です。そのため、解答は×になります。

関連Q&A
種類支給限度基準額にはどんな意味があるのですか? また、区分支給限度基準額の範囲内で設定するのはなぜですか?
少ないサービスを、たくさんの利用者に公平に利用してもらうため  種類支給限度基準額とは、区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつについて上限を定めるものです。簡単な例をあげて考えてみます。   例) ある利用者が要介護1に認定されました。この場合、区分支給限度基準額は16,692単位です。本来なら、区分支給限度基準額が設定されているサービスについて、16,692単位をどのように割り当てて利用してもかまいません(たとえば、訪問介護に10,000単位、通所介護に6,692単位など)。  しかし、その市町村では通所介護事業者が少なく、利用者全員の希望どおりに通所介護を行うことが難しい状況です。そのため、市町村では条例によって、1人の利用者が通所介護を利用できるのは4,000単位までと定めました。これが種類支給限度基準額です。  もし、種類支給限度基準額を定めなかったら、少数の利用者が通所介護を独占的に利用してしまうこともあり得ます。こうなってしまうのは不公平です。種類支給限度基準額を定めることで、少ない通所介護を、たくさんの利用者が公平に利用できるようになります。  

種類支給限度基準額が区分支給限度基準額を超えたら、その意味がなくなってしまう

 上記の意義からして、種類支給限度基準額が区分支給限度基準額を超えることはありません。もし、種類支給限度基準額が区分支給限度基準額を超えてしまったら、種類支給限度基準額を設定する意味がなくなってしまいます。ですので、種類支給限度基準額の設定は、区分支給限度基準額の範囲内になります。
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