問題21 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.認定調査票の基本調査項目には、口腔清潔に関する項目が含まれる。
2.認定調査票の基本調査項目には、主たる介護者に関する項目が含まれる。
3.認定調査票の基本調査項目には、集団への不適応に関する項目が含まれる。
4.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、疼痛の看護が含まれる。
5.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、認定調査票の特記事項の内容が含まれる。
解答
1、3、4
解説
認定調査の基本調査の項目は、次のものです(2021ユーキャン速習レッスンP56、八訂基本テキスト1巻P90)。
① 身体機能・起居動作に関連する項目 ② 生活機能に関連する項目 ③ 認知機能に関連する項目 ④ 精神・行動障害に関連する項目 ⑤ 社会生活への適応に関連する項目 ⑥ 特別な医療に関する項目 ⑦ 日常生活自立度に関連する項目 |
▼項目の詳細
Ⅰ 調査実施者(記入者) |
実施日時、実施場所、記入者氏名・所属機関 |
Ⅱ 調査対象者 |
過去の認定(初回・2回め以降)、前回認定結果、対象者氏名・生年月日・住所、家族等連絡先など |
Ⅲ 現在受けているサービスの状況・頻度 |
介護保険のサービス、介護保険給付外の在宅サービス、施設など |
Ⅳ 調査対象者の家族状況、調査対象者の居住環境(外出が困難になるなど日常生活に支障となるような環境の有無)、日常的に使用する機器・器械の有無などについて特記すべき事項 |
1 身体機能・起居動作に関連する項目 |
1-1 麻痺等の有無 1-2 拘縮の有無 1-3 寝返り 1-4 起き上がり 1-5 座位保持 1-6 両足での立位保持 1-7 歩行 1-8 立ち上がり 1-9 片足での立位 1-10 洗身 1-11 つめ切り 1-12 視力 1-13 聴力 |
2 生活機能に関連する項目 |
2-1 移乗 2-2 移動 2-3 えん下 2-4 食事摂取 2-5 排尿 2-6 排便 2-7 口腔清潔 2-8 洗顔 2-9 整髪 2-10 上衣の着脱 2-11 ズボン等の着脱 2-12 外出頻度 |
3 認知機能に関連する項目 |
3-1 意思の伝達 3-2 毎日の日課を理解 3-3 生年月日や年齢を言う 3-4 短期記憶 3-5 自分の名前を言う 3-6 今の季節を理解する 3-7 場所の理解 3-8 徘徊 3-9 外出すると戻れない |
4 精神・行動障害に関連する項目 |
4-1 被害的になる(物を盗られたなど) 4-2 作話 4-3 感情が不安定になる(泣いたり、笑ったりが不安定) 4-4 昼夜逆転がある 4-5 しつこく同じ話をする 4-6 大声を出す 4-7 介護に抵抗する 4-8 落ち着きがない(「家に帰る」と言うなど) 4-9 一人で外に出たがり目が離せない 4-10 いろいろなものを集めたり、無断でもってくる 4-11 物を壊したり、衣類を破いたりする 4-12 ひどい物忘れ 4-13 意味もなく独り言や独り笑いをする 4-14 自分勝手に行動する 4-15 話がまとまらず、会話にならない |
5 社会生活への適応に関連する項目 |
5-1 薬の内服 5-2 金銭の管理 5-3 日常の意思決定 5-4 集団への不適応 5-5 買い物 5-6 簡単な調理 |
6 特別な医療に関する項目 |
6 過去14日間に受けた特別な医療 【処置内容】 1.点滴の管理 2.中心静脈栄養 3.透析 4.ストーマ(人工肛門)の処置 5.酸素療法 6.レスピレーター(人工呼吸器) 7.気管切開の処置 8.疼痛の看護 9.経管栄養 【特別な対応】 10.モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等) 11.じょくそうの処置 【失禁への対応】 12.カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等) |
7 日常生活自立度に関連する項目 |
7-1 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度) 7-2 認知症高齢者の日常生活自立度 |
■特記事項の項目
1 身体機能・起居動作に関連する項目についての特記事項
2 生活機能に関連する項目についての特記事項
3 認知機能に関連する項目についての特記事項
4 精神・行動障害に関連する項目についての特記事項
5 社会生活への適応に関連する項目についての特記事項
6 特別な医療に関する項目についての特記事項
7 日常生活自立度に関連する項目についての特記事項
以上を踏まえて、各選択肢を見ていきます。
1.認定調査票の基本調査項目には、口腔清潔に関する項目が含まれる。
→◯
→◯
上記の「2 生活機能に関連する項目」に、口腔清潔に関する項目が含まれます。そのため、解答は◯になります。
2.認定調査票の基本調査項目には、主たる介護者に関する項目が含まれる。
→×
→×
認定調査の基本調査の項目に、主たる介護者に関する項目は含まれません。そのため、解答は×になります。
なお、課題分析標準項目の「21 介護力」に、主たる介護者に関する項目が含まれます。
▼項目の詳細
基本情報に関する項目 | ||
No. | 標準項目名 | 項目の主な内容(例) |
1 | 基本情報(受付、利用者等基本情報) | 居宅サービス計画作成についての利用者受付情報(受付日時、受付対応者、受付方法など)、利用者の基本情報(氏名、性別、生年月日・住所・電話番号などの連絡先)、利用者以外の家族などの基本情報について記載する項目 |
2 | 生活状況 | 利用者の現在の生活状況、生活歴などについて記載する項目 |
3 | 利用者の被保険者情報 | 利用者の被保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無など)について記載する項目 |
4 | 現在利用しているサービスの状況 | 介護保険給付の内外を問わず、利用者が現在受けているサービスの状況について記載する項目 |
5 | 障害老人の日常生活自立度 | 障害老人の日常生活自立度について記載する項目 |
6 | 認知症である老人の日常生活自立度 | 認知症である老人の日常生活自立度について記載する項目 |
7 | 主訴 | 利用者とその家族の主訴や要望について記載する項目 |
8 | 認定情報 | 利用者の認定結果(要介護状態区分、介護認定審査会の意見、支給限度基準額など)について記載する項目 |
9 | 課題分析(アセスメント)理由 | 当該課題分析(アセスメント)の理由(初回、定期、退院退所時など)について記載する項目 |
課題分析(アセスメント)に関する項目 | ||
No. | 標準項目名 | 項目の主な内容(例) |
10 | 健康状態 | 利用者の健康状態(既往歴、主傷病、症状、痛みなど)について記載する項目 |
11 | ADL | ADL(寝返り、起きあがり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄など)に関する項目 |
12 | IADL | 利用者の被保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無など)について記載する項目 |
13 | 認知 | 日常の意思決定を行うための認知能力の程度に関する項目 |
14 | コミュニケーション能力 | 意思の伝達、視力、聴力などのコミュニケーションに関する項目 |
15 | 社会との関わり | 社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感など)に関する項目 |
16 | 排尿・排便 | 失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度などに関する項目 |
17 | 褥瘡・皮膚の問題 | 褥瘡の程度、皮膚の清潔状況などに関する項目 |
18 | 口腔衛生 | 歯・口腔内の状態や口腔衛生に関する項目 |
19 | 食事摂取 | 食事摂取(栄養、食事回数、水分量など)に関する項目 |
20 | 問題行動 | 問題行動(暴言暴行、徘徊、介護の抵抗、収集癖、火の不始末、不潔行為、異食行動など)に関する項目 |
21 | 介護力 | 利用者の介護力(介護者の有無、介護者の介護意思、介護負担、主な介護者に関する情報など)に関する項目 |
22 | 居住環境 | 住宅改修の必要性、危険個所などの現在の居住環境について記載する項目 |
23 | 特別な状況 | 特別な状況(虐待、ターミナルケアなど)に関する項目 |
3.認定調査票の基本調査項目には、集団への不適応に関する項目が含まれる。
→◯
→◯
上記の「5 社会生活への適応に関連する項目」に、集団への不適応に関する項目が含まれます。そのため、解答は◯になります。
4.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、疼痛の看護が含まれる。
→◯
→◯
要介護認定等基準時間の算定の合算対象に、認定調査票の基本調査の「6 特別な医療に関する項目」があり、ここに「疼痛の看護」が含まれます(2021ユーキャン速習レッスンP60、八訂基本テキスト1巻P94)。そのため、解答は◯になります。
5.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、認定調査票の特記事項の内容が含まれる。
→×
→×
要介護認定等基準時間の算定の合算対象に、認定調査票の特記事項の内容は含まれません。そのため、解答は×になります。
なお、認定調査票の特記事項は、介護認定審査会での二次判定で用いられます。
▼要介護認定等基準時間の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
一次判定・要介護認定等基準時間について、◯か×で答えなさい
Q1 一次判定は、認定調査の基本調査及び特記事項により行われる。
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