第21回 問題23【平成30年 ケアマネ試験 介護支援分野】

問題23 介護保険と他制度との関係について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.障害者総合支援法による行動援護を利用している障害者が、要介護認定を受けた場合には、行動援護は利用できなくなる。
2.労働者災害補償保険法の通勤災害に関する療養給付は、介護保険給付に優先する。
3.福祉用具購入費は、高額医療合算介護サービス費の利用者負担額の算定対象に含まれる。
4.医療扶助の受給者であって医療保険に加入していない者は、介護保険の第2号被保険者とはならない。
5.介護老人保健施設は、老人福祉施設に含まれない。

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解答

2、4、5

解説

1.障害者総合支援法による行動援護を利用している障害者が、要介護認定を受けた場合には、行動援護は利用できなくなる。
→×

 介護保険のサービスと障害者総合支援法のサービスで内容が重なるものは、前者が優先して給付され、後者は給付されません(併給は不可)。ただし、介護保険にはなくて、障害者総合支援法にのみある固有のサービスについては、障害者総合支援法から給付されます(2018中央法規ワークブックP50、八訂基本テキスト1巻P129)。
 設問にある「行動援護」は、障害者総合支援法にのみある固有のサービスですので、要介護認定を受けた場合でも、引き続き利用が可能です。そのため、解答は×になります。

2.労働者災害補償保険法の通勤災害に関する療養給付は、介護保険給付に優先する。
→◯

 設問のとおりです(2018中央法規ワークブックP50、八訂基本テキスト1巻P129)。

他法との給付調整の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
他法との給付調整【一問一答 ケアマネ試験対策】
他法との給付調整について、◯か×で答えなさい Q1 労働者災害補償保険法による療養補償給付よりも、介護保険の給付が優先する。 ...
3.福祉用具購入費は、高額医療合算介護サービス費の利用者負担額の算定対象に含まれる。
→×

 福祉用具購入費と住宅改修費にかかる利用者負担、食費、居住費・滞在費、その他日常生活費など利用者が負担すべきものについては、高額医療合算介護サービス費の対象とはなりません(2018中央法規ワークブックP73、八訂基本テキスト1巻P119)。そのため、解答は×になります。

高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費【一問一答 ケアマネ試験対策】
高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費について、◯か×で答えなさい Q1 高額介護サービス費は、所得段階別に負担上限額...
4.医療扶助の受給者であって医療保険に加入していない者は、介護保険の第2号被保険者とはならない。
→◯

 第2号被保険者の資格要件は「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者で、医療保険に加入している者」というものです。ですので、生活保護の医療扶助を受けて医療保険に加入していない者は資格要件を満たさず、第2号被保険者とはなりません(2018中央法規ワークブックP28・P50、八訂基本テキスト1巻P58・P130)。そのため、解答は◯になります。

関連Q&A
生活保護受給者で、介護保険の被保険者になる場合とならない場合は、どのように分かれるのですか?
 これについては「介護保険の被保険者が生活保護を受けるようになった場合」という観点から、以下に第1号被保険者と第2号被保険者をそれぞれ見ていきます。まず、分かりやすいように、第2号被保険者からです。  

第2号被保険者が生活保護を受けるようになった場合


第2号被保険者の資格要件

「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者で、医療保険に加入している者」  

国民健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者ではなくなる

 生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護の医療扶助から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、上記の資格要件のうち「医療保険に加入している者」を満たさなくなって、介護保険の被保険者ではなくなります。したがって、「介護保険の被保険者でない生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、10割が生活保護の介護扶助から給付されます。  なお、生活保護を受けるようになるのは、自営業者(国民健康保険に加入)がほとんどです(企業に勤務している人で、生活保護を受けるようになるケースは、なかなかありません)。そのため、40歳以上65歳未満で生活保護を受けるようになった人のほとんどは、介護保険の被保険者ではなくなります。  

企業の健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける

 生活保護を受けるようになっても、企業の健康保険に加入することは可能です。そのため、企業に勤務して健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになっても、健康保険に加入し続けて(上記の資格要件は満たしたままで)、第2号被保険者であり続けます。したがって、「第2号被保険者である生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。  なお、前述のように、健康保険に加入している会社員は企業で働いているので、生活保護を受けるようになるのは稀です。生活保護を受けるようになるのは、たとえばですが、会社員であって、その企業の健康保険に加入しているが、事情により勤務日数が少ないなどの理由で給与が少なく、それだけでは生活できないために生活保護を受ける、といったケースが考えられます。  

第1号被保険者が生活保護を受けるようになった場合


第1号被保険者の資格要件

「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」  

第1号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける

 第1号被保険者が生活保護を受けるようになっても、上記の資格要件には影響がありません。そのため、「第1号被保険者である生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。
5.介護老人保健施設は、老人福祉施設に含まれない。
→◯

 老人福祉施設とは、老人福祉法第5条の3において、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターとされています。ここに、介護老人保健施設は含まれません。そのため、解答は◯になります。

 なお、介護老人保健施設は、介護保険の介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設)に含まれます(2018中央法規ワークブックP89、八訂基本テキスト1巻P153)。

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