第21回 問題31【平成30年 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

問題31 高齢者に多い症状や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.フレイルとは、高齢になって筋力や活動が低下している状態を指す。
2.機能性尿失禁とは、くしゃみ、咳などによって尿がもれることである。
3.急性緑内障発作では、頭痛、嘔吐がみられることがある。
4.慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛 浮腫などの症状がみられることがある。
5.加齢によるインスリンの増加が、糖尿病の原因である。

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解答

1、3、4

解説

1.フレイルとは、高齢になって筋力や活動が低下している状態を指す。
→◯

 設問のとおり、フレイル(虚弱)とは、高齢になって筋力や活動が低下している状態をいいます。①体重減少、②歩行速度低下、③握力低下、④疲れやすい、⑤身体活動レベルの低下、のうち3項目以上に該当すればフレイルとみなされます(2018中央法規ワークブックP194、八訂基本テキスト3巻P11)。そのため、解答は◯になります。

2.機能性尿失禁とは、くしゃみ、咳などによって尿がもれることである。
→×

 くしゃみや咳などで腹圧が上昇したときに尿が漏れるのは、腹圧性尿失禁です。(2018中央法規ワークブック233、八訂基本テキスト3巻P12・P422)。そのため、解答は×になります。

 なお、機能性尿失禁とは、膀胱や尿道の機能は正常だが、認知症や麻痺などのために尿器に排尿できないことをいいます。

排尿障害、排便障害
尿失禁 蓄尿障害(溜められずに漏れる)
腹圧性尿失禁:咳やくしゃみで漏れる。女性に多い。
切迫性尿失禁:我慢できずに漏れる。
排尿障害(出にくいため漏れる)
溢流性尿失禁:膀胱内に多量に溜まって漏れる。前立腺肥大による下部尿路閉鎖、糖尿病性末梢神経障害による膀胱収縮障害が原因。
環境障害
機能性尿失禁:膀胱や尿道の機能は正常だが、認知症や麻痺などのために尿器に排尿できない。
尿が出にくい 神経因性膀胱:神経障害により排尿できない。
排尿回数が多い 頻尿:1日に10回以上(特に夜間にトイレに行く回数が多い)。
便失禁 蓄便障害(我慢できずに漏れる)
・腹圧性便失禁
・切迫性便失禁
排便障害(出にくいため漏れる)
・溢流性便失禁:便が多量に溜まって漏れる。
環境障害
・機能性便失禁:身体の機能は正常だが、認知症や麻痺などのために便器に便尿できない。
下痢 便が液状になる。
便秘 排便の回数や量が極端に少ない。
排便回数が多い 頻便:トイレに行く回数が多い。
3.急性緑内障発作では、頭痛、嘔吐がみられることがある。
→◯

 緑内障は、房水(眼内の液体)の流れが阻害されることで眼圧が上昇し、視神経が障害されて起こります(眼圧が正常でも神経障害が起こる場合があり、これを正常眼圧緑内障という)。
 緑内障のうち、原発閉塞隅角緑内障では、眼圧の40mmHg以上に及ぶ急激な上昇により、急性緑内障発作(症状は眼痛、頭痛、嘔吐など)を起こすことがあります(2018中央法規ワークブックP218、八訂基本テキスト3巻P168)。そのため、解答は◯になります。

緑内障の種類と症状
原発開放隅角緑内障 房水の流出路である線維柱帯が詰まって眼圧が上昇し、視神経を障害する。正常眼圧緑内障(眼圧は正常なのに、神経障害がある)も、ここに分類される。
原発閉塞隅角緑内障 隅角(角膜と虹彩の間)が閉じてしまうことで眼圧が上昇し、視神経を障害する。眼圧の40mmHg以上に及ぶ急激な上昇により、急性緑内障発作(症状は眼痛、頭痛、嘔吐など)を起こすことがある。
続発緑内障 眼や全身疾患があり、それが原因で眼圧が上昇し、視神経を障害する。
4.慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛 浮腫などの症状がみられることがある。
→◯

 設問のとおりです(2018中央法規ワークブックP213、八訂基本テキスト3巻P139)。

腎不全の原因と症状
急性
腎不全
原因 脱水、心不全、薬剤性(抗生物質、鎮痛薬、利尿薬など)、尿路閉塞など
症状 乏尿、悪心・嘔吐、浮腫、体重増加、動悸、全身倦怠感、痙攣など
慢性
腎不全
急性
増悪
原因 同上
症状
原因 糖尿病、高血圧、糸球体疾患など
症状 全身倦怠感、動悸、頭痛 浮腫、尿量の変化(腎機能の障害の程度で、多尿、乏尿のどちらにもなり得る)など
5.加齢によるインスリンの増加が、糖尿病の原因である。
→×

 インスリンは膵臓で作られ、血液中からブドウ糖を細胞内に取り込む働きをするホルモンで、ブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要不可欠です。このインスリンの働きが不足すると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなり、糖尿病となります(2018中央法規ワークブックP198、八訂基本テキスト3巻P146)。そのため、解答は×になります。

 なお、インスリン注射を行っている場合、その作用により低血糖となって、動機、発汗、意識障害を起こすことがあるため注意が必要です(2018中央法規ワークブックP198・P265、八訂基本テキスト3巻P147)。

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