第22回 問題34【令和元年 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

問題34 在宅医療管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.腹膜透析は、血液透析に比べて食事内容の制限が多い。
2.人工的に造設した便や尿の排泄口のことを、ストーマという。
3.在宅経管栄養法で栄養剤を注入する際の体位は、座位又は半座位が望ましい。
4.在宅酸素療法の利用者が呼吸苦を訴えた場合は、ただちに酸素流量を増やす。
5.在宅中心静脈栄養法を実施している利用者が入浴する場合は、特別な配慮が必要である。

猫の写真

解答

2、3、5

解説

1.腹膜透析は、血液透析に比べて食事内容の制限が多い。
→×

 腹膜透析のメリットとして、血液透析に比べて食事内容の制限が緩い利用者の都合の良い時間に行えることがあげられます(2020ユーキャン速習レッスンP270、八訂基本テキスト3巻P51)。

人工透析の種類や留意点など
人工透析
腎不全などの場合に、腎臓の代わりに血液の老廃物のろ過、水分調節、電解質の調整を人工的に行うもの。
水分や電解質のバランスが崩れて体調が悪くなったり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高いため、一般の人よりも注意が必要。
血液透析
体外に出した血液を、透析装置に通す方法。
週2~3回(1回あたり4~5時間)の通院が必要。
水分、塩分、カリウム、リンなどの摂取制限がある。
シャントは常に清潔を保ち、圧迫や締め付けを避ける(シャント側の腕で血圧を測定しない)などの配慮が必要。

※シャント:血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があり、それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて血流量の多い血管をつくる。これをシャントという。
腹膜透析
腹膜(腹部の内蔵を覆う膜)を透析膜として使用する方法。カテーテルで腹膜腔内に透析液を注入し、腹膜で老廃物を濾し取って、廃液をカテーテルから排出する。
通院は月に1~2回程度。
食事制限が血液透析よりも緩い。
長期間行っていると腹膜が変化して腹膜透析ができなくなったり、カテーテルから細菌に侵入して腹膜炎になったりすることもある。
医療的な作業(カテーテルを清潔な操作でつなぐなど)が必要なため、利用者や介護者が知識や手技を習熟している必要がある。
2.人工的に造設した便や尿の排泄口のことを、ストーマという。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP275、八訂基本テキスト3巻P60)。

3.在宅経管栄養法で栄養剤を注入する際の体位は、座位又は半座位が望ましい。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP271、八訂基本テキスト3巻P56)。

4.在宅酸素療法の利用者が呼吸苦を訴えた場合は、ただちに酸素流量を増やす。
→×

 低酸素血症により在宅酸素療法を行っている患者に、医師の指示を超えて酸素流量を増やすと、CO2ナルコーシスとなる危険があるため、注意が必要です(2020ユーキャン速習レッスンP273、八訂基本テキスト3巻P59)。そのため、解答は×になります。

関連Q&A
CO2ナルコーシスとは、炭酸ガス(CO2)が体内にたまり、高炭酸ガス血症によって中枢神経や呼吸中枢が抑制され、中枢神経障害や意識障害を起こすものです。  

呼吸中枢は、O2とCO2に刺激されて呼吸をコントロールしている

 呼吸中枢は、血中の酸素(O2)とCO2に刺激されて呼吸をコントロールしています。健康な人の場合、血中のCO2が上昇またはO2が低下すると呼吸が促進され、逆にCO2が低下またはO2が上昇すると呼吸が抑制されます。  

低酸素血症の場合、酸素流量を増やすと呼吸中枢は呼吸を抑制してしまう

 しかし、低酸素血症の患者の場合、高CO2に慣れているため、CO2が上昇しても呼吸が促進されず、もっぱらO2によって呼吸がコントロールされるようになります。このような状態の患者に対して酸素流量を増やすと、血中のO2が上昇し、呼吸中枢は呼吸を抑制してしまうことに…。すると、CO2が体内にたまっていって、CO2ナルコーシスとなってしまいます。
5.在宅中心静脈栄養法を実施している利用者が入浴する場合は、特別な配慮が必要である。
→◯

 中心静脈栄養法を行っていても入浴は可能ですが、特別な配慮が必要となるため、具体的な方法については、医師などに相談する必要があります(2020ユーキャン速習レッスンP270、八訂基本テキスト3巻P53)。

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