解答
1、4
解説
→◯
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、すべての人に対して実施する感染対策です。基盤となる考え方は、「あらゆる人の血液、体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚、粘膜には感染症があると考えて取り扱う」というものです(2023ユーキャン速習レッスンP279、九訂基本テキスト下巻P189)。そのため、解答は◯になります。
→×
設問のような法的な義務はありません(2023ユーキャン速習レッスンP280、九訂基本テキスト下巻P198)。そのため、解答は×になります。
なお、事業者は、職員に対して定期健康診断を行う義務があります(労働安全衛生法第66条第1項)。
→×
ウイルス性肝炎は、注射針による外傷などによって血液を媒介して感染します(2023ユーキャン速習レッスンP280、九訂基本テキスト下巻P191)。そのため、解答は×になります。
感染経路 | 主な感染症と予防策 | |
接触感染 | 主な感染症 |
●ノロウイルス感染症(吐物などの処理時は飛沫感染)、腸管出血性大腸菌感染症、疥癬、多剤耐性菌感染症など
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感染対策 |
物品などとの接触で、手指を介して伝播。
●職員の手指衛生を徹底する。
●嘔吐物や排泄物などと接触する可能性のある場面では、手袋、ガウンまたはエプロンなどを着用し、ケア後は速やかに破棄する。
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飛沫感染 | 主な感染症 |
●ノロウイルス感染症の吐物などの処理時、インフルエンザ、流行性耳下腺炎、風疹など
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感染対策 |
咳、くしゃみ、会話などで飛散した飛沫粒子で伝播(飛沫粒子は1m程度で落下)。
●感染症をもつ利用者の2m以内でケアを行う場合は、使い捨てマスクを着用する。
●感染症をもつ利用者に咳エチケット(口と鼻をティッシュやハンカチで押さえる、マスクの着用)への協力を求める。
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空気感染 | 主な感染症 |
●結核、麻疹、水痘(帯状疱疹)など
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感染対策 |
咳などで飛散した飛沫粒子が空中を浮遊して伝播。
●結核の場合は、専門病院へ入院。
●麻疹、水痘の場合は、免疫をもつ職員がケアを行う。免疫のない職員の場合は、高性能マスクを着用し、利用者にも使い捨てマスクの着用を求める。個室管理が原則。
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血液感染 | 主な感染症 |
●B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)など
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感染対策 |
注射針による外傷などによって血液を媒介して伝搬。
●注射針や鋭利な器材を取り扱う際に、安全を徹底する。
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→◯
設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP281、九訂基本テキスト下巻P191・P192)。
なお、ノロウイルスはアルコールに対する抵抗性が高く、アルコール消毒では効果がありません。アルコールではなく、0.5%次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
その際には、使い捨てのマスク、ガウン、手袋を着用し、窓を開けて換気します。なお、マスクについては、ノロウイルス感染者の嘔吐物から飛沫感染することもあるため、その予防の意味もあります。
→×
肺炎球菌ワクチンは、65際以上の高齢者の定期接種ワクチンです。この定期接種の機会は1回のみとされています(2023ユーキャン速習レッスンP280・P281、九訂基本テキスト下巻P194)。そのため、解答は×になります。
なお、肺炎球菌感染症は、重い合併症(気管支炎、肺炎、敗血症など)を起こすことがあります。
また、高齢者にはインフルエンザワクチンも推奨されています。
インフルエンザウイルスは、慢性疾患のある高齢者が感染すると、肺炎などを伴って重症化する可能性があります。インフルエンザワクチンにより、高齢者の死亡のリスクが5分の1、入院のリスクが3分の1から2分の1に減少することが期待されています。