問題6 介護保険の被保険者資格について正しいものはどれか。2つ選べ。
1.65歳の誕生日に第1号被保険者となる。
2.医療保険に加入している生活保護受給者は、第2号被保険者とはならない。
3.海外に長期滞在しており、日本に住民票がない日本国籍を持つ70歳の者は、第1号被保険者とはならない。
4.医療保険に加入していない70歳の者は、第1号被保険者となる。
5.刑事施設に拘禁されている者は、被保険者とはならない。
解答
3、4
解説
1.65歳の誕生日に第1号被保険者となる。
→×
→×
65歳の誕生日の前日に第1号被保険者となります(2021ユーキャン速習レッスンP48、八訂基本テキスト1巻P61)。そのため、解答は×になります。
▼関連Q&A
日本の法律(民法)では、誕生日の前日に年齢が加算されることになっています。したがって、「誕生日=その年齢の到達日」ではなく、「誕生日の前日=その年齢の到達日」になります。たとえば、5歳の人は、次の誕生日の前日に6歳に到達します。
ですので、市町村に住所のある医療保険に加入している39歳の人は、次の誕生日の前日に40歳に到達し、この「40歳の誕生日の前日」に第2号被保険者になります。
同様に、市町村に住所のある64歳の人は、次の誕生日の前日に65歳に到達し、この「65歳の誕生日の前日」に第1号被保険者になります。
▼被保険者資格の取得・喪失の時期の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
被保険者資格の取得・喪失と届出について、◯か×で答えなさい
Q1 年齢到達による資格取得時期は、誕生日の前日となる。
解...
2.医療保険に加入している生活保護受給者は、第2号被保険者とはならない。
→×
→×
生活保護受給者であっても、下表にある医療保険に加入しているなどの資格要件を満たせば、第2号被保険者になります(2021ユーキャン速習レッスンP46、八訂基本テキスト1巻P58・P130)。そのため、解答は×になります。
第1号被保険者 | 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者 |
第2号被保険者 | 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者で、医療保険に加入している者 |
▼関連Q&A
これについては「介護保険の被保険者が生活保護を受けるようになった場合」という観点から、以下に第1号被保険者と第2号被保険者をそれぞれ見ていきます。まず、分かりやすいように、第2号被保険者からです。
第2号被保険者が生活保護を受けるようになった場合
第2号被保険者の資格要件
「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者で、医療保険に加入している者」国民健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者ではなくなる
生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護の医療扶助から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、上記の資格要件のうち「医療保険に加入している者」を満たさなくなって、介護保険の被保険者ではなくなります。したがって、「介護保険の被保険者でない生活保護受給者」になります。 この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、10割が生活保護の介護扶助から給付されます。 なお、生活保護を受けるようになるのは、自営業者(国民健康保険に加入)がほとんどです(企業に勤務している人で、生活保護を受けるようになるケースは、なかなかありません)。そのため、40歳以上65歳未満で生活保護を受けるようになった人のほとんどは、介護保険の被保険者ではなくなります。企業の健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける
生活保護を受けるようになっても、企業の健康保険に加入することは可能です。そのため、企業に勤務して健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになっても、健康保険に加入し続けて(上記の資格要件は満たしたままで)、第2号被保険者であり続けます。したがって、「第2号被保険者である生活保護受給者」になります。 この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。 なお、前述のように、健康保険に加入している会社員は企業で働いているので、生活保護を受けるようになるのは稀です。生活保護を受けるようになるのは、たとえばですが、会社員であって、その企業の健康保険に加入しているが、事情により勤務日数が少ないなどの理由で給与が少なく、それだけでは生活できないために生活保護を受ける、といったケースが考えられます。第1号被保険者が生活保護を受けるようになった場合
第1号被保険者の資格要件
「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」第1号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける
第1号被保険者が生活保護を受けるようになっても、上記の資格要件には影響がありません。そのため、「第1号被保険者である生活保護受給者」になります。 この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。3.海外に長期滞在しており、日本に住民票がない日本国籍を持つ70歳の者は、第1号被保険者とはならない。
→◯
→◯
選択肢3の解説にあるように、被保険者の資格要件には「市町村の区域内に住所を有する」という内容があります。したがって、この設問のように「日本に住民票がない」場合は、資格要件を満たさず、被保険者とはなりません。そのため、解答は◯になります。
4.医療保険に加入していない70歳の者は、第1号被保険者となる。
→◯
→◯
選択肢3の解説にあるように、第1号被保険者(65歳以上)の資格要件では、医療保険に加入しているかどうかは問われません。したがって、設問の場合は第1号被保険者となり、解答は◯になります。
5.刑事施設に拘禁されている者は、被保険者とはならない。
→×
→×
刑事施設に拘禁されている者であっても、選択肢3の解説にある資格要件を満たせば、被保険者となります。そのため、解答は×になります。
なお、適用除外施設(以下のリンク先を参照)の入所者・入院者は、介護保険の被保険者とはなりません。
▼適用除外施設の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
被保険者資格の要件と適用除外について、◯か×で答えなさい
Q1 65歳以上の生活保護受給者は、住所がなくても第1号被保険者とな...