第23回 問題7【令和2年度 ケアマネ試験 介護支援分野】

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問題7 介護サービスに係る利用者負担が高額となった場合の取扱いについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1.高額介護サービス費の負担上限額は、被保険者の家計に与える影響を考慮して、段階的に設定されている。
2.高額介護サービス費の負担上限額を超えた利用料は、常に現物給付となるため、利用者が直接事業者に支払う必要はない。
3.高額介護サービス費は、世帯単位で算定される。
4.施設介護サービス費に係る利用者負担は、高額介護サービス費の対象となる。
5.高額医療合算介護サービス費は、医療保険から支給される。

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解答

1、3、4

解説

1.高額介護サービス費の負担上限額は、被保険者の家計に与える影響を考慮して、段階的に設定されている。
→◯

 高額介護サービス費の上限額は、後述の表のように所得によっていくつかの段階が設定されています(2020ユーキャン速習レッスンP74、八訂基本テキスト1巻P122)。そのため、解答は◯になります。

2.高額介護サービス費の負担上限額を超えた利用料は、常に現物給付となるため、利用者が直接事業者に支払う必要はない。
→×

 高額介護サービス費は、定率(原則1割、一定以上の所得がある第1号被保険者は2割または3割)の利用者負担の額が、一定の上限額(月)を超えた場合に、超えた分が償還払いで給付されるものです(2020ユーキャン速習レッスンP74、八訂基本テキスト1巻P118・122)。

 ですので、高額介護サービス費の負担上限額を超えていても、利用者は利用料を直接事業者に支払う必要があります。そして後から、上限額を超えた分が償還払いで給付されます。そのため、解答は×になります。

3.高額介護サービス費は、世帯単位で算定される。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP74、八訂基本テキスト1巻P122)。

4.施設介護サービス費に係る利用者負担は、高額介護サービス費の対象となる。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP74、八訂基本テキスト1巻P119)。

 なお、福祉用具購入費と住宅改修費にかかる利用者負担は対象外とされています。また、食費、居住費・滞在費、その他日常生活費など利用者が負担する費用も対象外です。

5.高額医療合算介護サービス費は、医療保険から支給される。
→×

 高額医療合算介護サービス費は、介護保険から給付されます(2020ユーキャン速習レッスンP74、八訂基本テキスト1巻P119)。そのため、解答は×になります。

 なお、医療保険から給付される分を「高額介護合算療養費」といいます。

関連Q&A
A 高額医療合算介護サービス費の給付額の計算の仕方とは  まず、介護保険を利用して、その利用者負担の1か月の額が一定額を超えた場合、超えた分が介護保険から「高額介護サービス費」として払い戻されます(償還払いで給付されます)。  これと同じような仕組みとして、医療保険には「高額療養費」があります。ですので、医療保険を利用して、その利用者負担(患者負担)の額が一定額を超えた場合、超えた分が医療保険から「高額療養費」として払い戻されます。  これら介護保険の高額介護サービス費と医療保険の高額療養費の適用を受け、その払い戻された金額を除いて考えて、介護保険と医療保険の利用者負担の1年間の合計が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻されます。  このとき、介護保険から給付される分の名称が高額医療合算介護サービス費です。医療保険から給付される分の名称は「高額介護合算療養費」といいます。どちらからいくら給付されるかは、介護保険と医療保険の負担の割合に応じて決まります。  これについて、簡単な例をあげて考えてみます。 例)要介護者アさんは、介護保険の利用者負担の割合が1割、高額介護サービス費における1か月の上限額は24,600円です。そして、アさんは1か月に36万円分のサービスを利用しています。  この場合、アさん利用者負担の金額は1か月に36,000円です。これは、上限額24,600円を超えているので、超えた分の11,400円が高額介護サービス費として償還払いで給付されます。これによって、結果的にアさんが1か月に負担した金額は24,600円になります。  これが1年間(12か月)だと、24,600円×12か月=295,200円になります。  同じ考え方で、医療保険における1年間の利用者負担(患者負担)の額を算出します(前述のように、介護保険の高額介護サービス費と同じ仕組みとして、医療保険には高額療養費があります)。    このようにして算出した、介護保険での1年間の利用者負担の額(上記の例の295,200円)と、医療保険における1年間の利用者負担の額を合計します。これが「要介護者が1年間に支払った介護サービスの利用者負担額と、各医療保険における利用者負担額の合計額(高額介護サービス費、医療保険の高額療養費等が受けられる場合は、それらの適用を受けたうえでの額)」になります。  この額が一定の上限額を超えた場合に、超えた分が介護保険から高額医療合算介護サービス費として払い戻されます(医療保険からは「高額介護合算療養費」が払い戻されます)。

高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
一般
(世帯のいずれかの人が市町村民税課税)
世帯 44,400円

※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020年7月末までの時限措置)。
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人
・負担を24,600円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 24,600円
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人
・市町村民税世帯非課税の、老齢福祉年金受給者
世帯 24,600円
個人 15,000円
・生活保護受給者
・負担を15,000円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 15,000円
個人 15,000円
※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。

関連Q&A
 支給限度基準額を超えて全額が利用者負担となった分は、高額介護サービス費の対象外とされています。もし、その分が高額介護サービス費として償還払いで給付されたら、支給限度基準額の意味がなくなってしまいます。  

高額介護サービス費は、支給限度基準額の範囲内の利用であっても給付されることがある

 高額介護サービス費とは、利用者が支払った自己負担額(原則1割)が、定められた上限額(この記事の最後の表参照)を超えた場合に、超えた分が払い戻される、というものです。そして、支給限度基準額の範囲内の利用であっても、高額介護サービス費が給付されることはあります。簡単な例をあげてみます。 例)夫婦が2人で暮らしていて、2人とも利用者負担は1割で、要介護5(区分支給限度基準額は36,065単位)です。1単位あたりの単価は10円、高額介護サービス費の上限は世帯で44,400円です。  ある月に、夫は30,000単位分のサービスを利用して、サービス費用は30,000単位×10円=30万円、利用者負担額は3万円でした。  同月に、妻は20,000単位分のサービスを利用して、サービス費用は20,000単位×10円=20万円、利用者負担額は2万円でした。  夫婦ともに、区分支給限度基準額の範囲内の利用です。  すると、この月の世帯の負担額は、夫と妻の利用者負担額の合計5万円となります。この5万円は、高額介護サービス費の世帯の上限である44,400円を超えているので、超えた分の5,600円が高額介護サービス費として払い戻されます。  この例のように一つの世帯に要介護者が何人もいる場合は、世帯としての利用者負担が大きくなって、その世帯の家計が苦しくなってしまいます。それを軽減するために高額介護サービス費が給付されます。  

高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの負担上限額

 これは、次のようになっています。
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
世帯のいずれかの人が市町村民税課税 世帯 44,400円
※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020年7月末までの時限措置)。
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人
・負担を24,600円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 24,600円
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人
・市町村民税世帯非課税の、老齢福祉年金受給者
世帯 24,600円 個人 15,000円
・生活保護受給者
・負担を15,000円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 15,000円 個人 15,000円
※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。
高額介護サービス費の現物給付化が行われる  生活保護受給者に対して、高額介護サービス費が直接的に給付されることはありません。高額介護サービス費との関係は、次のようになります。  生活保護受給者が介護サービスを利用して、その費用の1割が高額介護サービス費の上限額を超えた場合、その超えた分については、国保連において保険請求分への振り替え処理が行われます。簡単な例をあげて考えてみます。 例)生活保護受給者が、A事業者の介護サービスを20万円分利用しました。この場合、9割である18万円が介護保険から給付され、2万円が生活保護の介護扶助から給付されます。  これについて、A事業者は国保連に請求します。この請求書では、介護保険への請求(市町村への請求)は18万円、生活保護の介護扶助への請求(福祉事務所への請求)は2万円です。国保連は、A事業者に20万円を支払います。  そして、この2万円は、生活保護受給者の高額介護サービス費の上限額1万5,000円を超えています。超えた分である5,000円について、国保連は介護保険への請求に振り替えます。ですので、国保連は市町村に18万5,000円を請求して、福祉事務所へ1万5,000円を請求することになります。生活保護受給者への高額介護サービス費の支給はありません。  ただ、上記の振り替え処理によって、高額介護サービス費の上限額を超えた分は、生活保護受給者へのサービス費用になっていることになります。ですので、この処理を「高額介護サービス費の現物給付化」という言い方をします。  
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の所得区分ごとの上限額
所得区分 上限額(月額)
現役並み所得者相当の人がいる世帯 世帯 44,400円
世帯のいずれかの人が市町村民税課税 世帯 44,400円
※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に、年間上限額として446,400 円(37,200円×12か月)が設定されている(2020年7月末までの時限措置)。
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円を超える人
・負担を24,600円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 24,600円
・市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入と所得額の合計が80万円以下の人
・市町村民税世帯非課税の、老齢福祉年金受給者
世帯 24,600円 個人 15,000円
・生活保護受給者
・負担を15,000円に減額することにより被保護者とならない場合
世帯 15,000円 個人 15,000円
※現役並み所得者相当:同一世帯内に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、同じ世帯の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)の場合。
 
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