第23回 問題12【令和2年度 ケアマネ試験 介護支援分野】

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問題12 介護給付及び予防給付に要する費用について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.国の負担分は、すべての市町村について同率である。
2.費用の総額は、公費と保険料によりそれぞれ50%ずつ賄われる。
3.市町村の一般会計における負担分は、すべての市町村において同率である。
4.第2号被保険者の保険料負担分は、各医療保険者から各市町村に交付される。
5.保険料負担分の総額は、すべての市町村に係る第1号被保険者と第2号被保険者のそれぞれの見込量の総数の割合で按分される。

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解答

2、3、5

解説

1.国の負担分は、すべての市町村について同率である。
→×

 国の負担分の%は、市町村によって異なります(2020ユーキャン速習レッスンP131、八訂基本テキスト1巻P75)。そのため、解答は×になります。

 これは調整交付金の%によります。国が調整交付金の%を上げると国の負担分は多くなり、第1号被保険者の保険料負担が減ります。
 逆に、国が調整交付金の%を下げると国の負担は少なくなり、第1号被保険者の保険料負担が増えます。このようにして、市町村間の財政力の格差を是正しています。

 より詳しくは、以下の「関連Q&A」を参照。

関連Q&A
 国は調整交付金の%を調整して交付することにより、以下の①~③による市町村間の財政力の格差を是正しています。
調整交付金の内訳
普通調整交付金給付対象となる可能性の高い後期高齢者(75歳以上)の加入割合の違い。 第1号被保険者の所得(保険料負担能力)の格差。
特別調整交付金災害時の保険料減免など、保険者の責によらない事由。
 ①と②は予測可能なので、まずはこれらに応じて調整交付金が算出されます。そして、残額が生じた場合に、③に応じた調整が行われます。  

調整交付金の仕組み:調整交付金の%と、1号保険料の%は連動する

 調整交付金によって市町村間の財政力の格差を是正する仕組みは、次のようなものです。  

後期高齢者(給付対象となる可能性の高い人)の比率が低く、第1号被保険者の所得水準の高い市町村

 この場合、調整交付金を5%より少なくし(国の負担を少なくし)、1号保険料の負担割合を増やします。  たとえば、上記のように「居宅給付費」における国の負担(25%)には調整交付金(5%相当)が含まれています。そして、調整交付金が4%の場合、国の負担は24%となり、1号保険料の負担は23%に増えます。  つまり、後期高齢者の比率が低く、第1号被保険者の所得水準の高い市町村では、第1号被保険者により多く費用を負担してもらいましょう、ということです。  

後期高齢者の比率が高く、第1号被保険者の所得水準の低い市町村

 この場合、調整交付金を5%より多くし(国の負担を多くし)、1号保険料の負担割合を減らします。  たとえば「居宅給付費」において、調整交付金が6%の場合、国の負担は26%となり、1号保険料の負担は21%に減ります。  つまり、後期高齢者の比率が高く、所得水準の低い市町村では、第1号被保険者の費用負担を少なくしましょう、ということです。
2.費用の総額は、公費と保険料によりそれぞれ50%ずつ賄われる。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP130、八訂基本テキスト1巻P75)。

財政構造の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
財政構造について、◯か×で答えなさい Q1 介護保険の法定給付に要する公費負担のうち国庫負担は、すべての都道府県に対して交付さ...
3.市町村の一般会計における負担分は、すべての市町村において同率である。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP130、八訂基本テキスト1巻P75)。

 なお、市町村の負担分は、市町村が一般会計のお金を特別会計に移す、というようにして負担します。

一般会計と介護保険特別会計
 「一般会計」とは、用途に特に制限のない、さまざまな事業を行うための会計です。

 これとは別に、介護保険については「特別会計」を設けることとされています。言い換えると「介護保険専用の会計」ということです。これは、介護保険財政の支出と収支の経理を明確にするためです(経理の事務を、他のものとまとめないで、介護保険だけで行えば、介護保険の支出と収入が分かりやすくなります)。

 そして、市町村は介護給付費と地域支援事業における「12.5%」と「19.25%」を負担します。これは、市町村が一般会計のお金を特別会計に移す、というようにして負担します。

 より詳しくは、以下の「関連Q&A」を参照。

関連Q&A

一般会計

 用途に特に制限のない、さまざまな事業を行うための会計です。たとえば、学校教育、道路などの整備、消防などの費用に用いられます。  

特別会計

 一般会計とは別に、その事業の経理を明確にするために設けられた会計です(経理の事務を、他のものとまとめないで、その事業だけで行えば、収入と支出が分かりやすくなります)。簡単に言うと「帳簿を別にして、それぞれ別に管理(計算)する」ということです。  介護保険については「特別会計」を設けることとされています。これによって、介護保険財政の支出と収支の経理を、より明確に分かりやすくすることができます。  なお、介護保険の特別会計は内容によって、以下の2勘定に区分されています。
介護保険の特別会計の勘定
保険事業勘定 保険料と公費を収納し、保険給付や地域支援事業などを行う勘定。
介護サービス事業勘定 市町村が保健福祉事業として、直営で指定居宅サービスなどの介護サービスを提供する場合に設けられる勘定。
 

一般会計から特別会計への繰入

 市町村は、介護保険の財政において「介護給付費」と「地域支援事業」にある「12.5%」「19.25%」を負担します(後出の表参照)。これは「市町村が一般会計のお金を特別会計に移す」というようにして負担します。  つまり、市町村は「一般会計」から介護保険の「特別会計」にお金を移すことで費用を負担し、介護保険の「特別会計」の帳簿によって介護保険のお金の計算をする、ということです。  

一般財源と特定財源


一般財源

 使い道が決められていない財源のことです。たとえば、市町村民税などです。これは、上記の「一般会計」に用いられます。  介護保険事業にかかる事務費は、ここから出されます。  

特定財源

 逆に、使い道があらかじめ決まっている財源のことを「特定財源」といいます。たとえば、国民健康保険料は、国民健康保険に要する費用にのみ使用することができます。  介護保険料も特定財源であり、介護保険に要する費用にのみ使用することができます。  
財源の負担割合
介護給付費
居宅給付費 施設等給付費
公 費 25% 20%
都道府県 12.5% 17.5%
市町村 12.5% 12.5%
保 険 料 1号保険料 23% 23%
2号保険料 27% 27%
地域支援事業
総合事業 総合事業以外
公 費 25% 38.5%
都道府県 12.5% 19.25%
市町村 12.5% 19.25%
保 険 料 1号保険料 23% 23%
2号保険料 27% なし
※施設等給付費は、都道府県知事に指定権限のある介護保険施設と(介護予防)特定施設入居者生活介護にかかる給付費。それ以外の給付費が、居宅給付費。
※総合事業以外とは、包括的支援事業と任意事業のこと。
※(のある)国が負担する居宅給付費25%、施設等給付費20%、総合事業25%には、5%相当の調整交付金が含まれる。

関連Q&A
https://caremane.site/2292 https://caremane.site/3071 https://caremane.site/2289
4.第2号被保険者の保険料負担分は、各医療保険者から各市町村に交付される。
→×

 第2号被保険者の保険料負担分は、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)から各市町村に交付されます(2020ユーキャン速習レッスンP133、八訂基本テキスト1巻P76)。そのため、解答は×になります。

2号保険料の流れの詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
2号保険料について、◯か×で答えなさい Q1 第2号被保険者に対する保険料率は、市町村が条例により規定する。 解答を見る...
5.保険料負担分の総額は、すべての市町村に係る第1号被保険者と第2号被保険者のそれぞれの見込量の総数の割合で按分される。
→◯

 設問のとおりです(2020ユーキャン速習レッスンP130、八訂基本テキスト1巻P76・P77)。

 保険料の負担割合は、全国の第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて設定されています。こうすることで、1人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるようになっています。

 より詳しくは、以下の「関連Q&A」を参照。

関連Q&A

1人当たりの平均的な保険料が同水準になるよう、人口比に応じて%を設定している

 保険料の負担割合は、全国の第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて設定されています。こうすることで、1人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるようになっています。  以下に簡単な例をあげて考えてみます。 例)日本の第1号被保険者が25人、第2号被保険者が25人、居宅給付費(上の表を参照)が100万円です。居宅給付費における保険料の負担割合は50%なので、第1号被保険者は25%、第2号被保険者も25%を負担することになります。  そして、第1号被保険者が25人で25%を負担するのですから、第1号被保険者1人当たり1%の負担となります。居給付費が100万円なので、つまり第1号被保険者1人当たり1万円の負担となります。同様に、第2号被保険者1人当たり1%で、1万円の負担となります。  では、上記の例において、日本の第1号被保険者が23人、第2号被保険者が27人の場合はどうでしょう。この場合、負担割合を第1号被保険者23%、第2号被保険者27%に設定すれば、1人当たり1万円の負担となります。  このように、第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて負担割合を変えて、1人当たりの負担額がほぼ同じ水準になるようにしています。
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