問題31 食事について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.摂食・嚥下プロセスの口腔期では、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌される。
2.摂食・嚥下プロセスの咽頭期では、咽頭に食塊が入ると、気道が閉じられて食道に飲み込まれる。
3.食事の介護のアセスメントでは、摂食動作ができているかを確認する。
4.食事の介護のアセスメントでは、食欲がない場合には、痛み、口腔内の状態、服薬状況などを確認する。
5.医師は、食事の介護のアセスメントに関わる必要はない。
解答
2、3、4
解説
1.摂食・嚥下プロセスの口腔期では、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌される。
→×
→×
摂食・嚥下プロセスの口腔期(第3期)は、舌を口蓋に押し付け、食塊を喉(咽頭)に送り込む段階です(2023ユーキャン速習レッスンP229、九訂基本テキスト下巻P386)。そのため、解答は×になります。
なお、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌されるのは、「第1期 先行期(認知期)」の段階です。
摂食……食物や水分を、口から喉元に運ぶ過程。 嚥下……飲み込む過程。 |
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第1期 先行期(認知期) |
視覚、触覚、嗅覚などによって、食物を認知する。無条件反射で唾液が分泌される。 | |
障害の例:認知機能の問題により、食物を認知できず、食欲がわかない。 | ||
第2期 準備期 |
食物を口に入れて咀嚼し、唾液と混ぜ合わされたペースト状の食塊を形成して、嚥下しやすくする。 | |
障害の例:歯の喪失などで、適当な大きさに噛み砕けない。 | ||
第3期 口腔期 |
舌を口蓋に押し付け、食塊を喉(咽頭)に送り込む。 | |
障害の例:口腔(舌)や顎関節の機能が低下し、口腔内に食塊が残りやすい。 | ||
第4期 咽頭期 |
気道を閉じ、食塊を咽頭から食道へ送る。 | |
障害の例:咽頭に食塊が残りやすい。 | ||
第5期 食道期 |
食塊を食道から、蠕動運動で胃に送る。このとき、食塊が逆流しないよう、食道の入り口が閉じる。 | |
障害の例:食塊の送り込みが遅れたり、逆流したりしやすくなる。 |
2.摂食・嚥下プロセスの咽頭期では、咽頭に食塊が入ると、気道が閉じられて食道に飲み込まれる。
→◯
→◯
設問のとおりです(選択肢1の解説を参照)。
3.食事の介護のアセスメントでは、摂食動作ができているかを確認する。
→◯
→◯
設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP230、九訂基本テキスト下巻P387)。
4.食事の介護のアセスメントでは、食欲がない場合には、痛み、口腔内の状態、服薬状況などを確認する。
→◯
→◯
設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP231、九訂基本テキスト下巻P387)。
5.医師は、食事の介護のアセスメントに関わる必要はない。
→×
→×
食事には、多くの複雑な行為・身体機能が関わるため、食事の介護のアセスメントには、医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師、福祉用具専門相談員など、多くの職種が関わります(2023ユーキャン速習レッスンP230、九訂基本テキスト下巻P387)。そのため、解答は×になります。