第23回 問題32【令和2年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題32 褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
2.半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
3.発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
4.同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、耐圧分散用具を用いるとよい。
5.指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。

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解答

1、3、4

解説

1.褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
→◯

 設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP226、九訂基本テキスト下巻P393)。

2.半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
→×

 半座位や座位でも、背中をもたれることによって肩甲骨が圧迫されると、褥瘡が発生することがあります(2023ユーキャン速習レッスンP226、九訂基本テキスト下巻P395)。そのため、解答は×になります。

褥瘡の好発部位
仰臥位(仰向け) 後頭部、肩甲骨部、肘関節部、仙骨部(腰)、踵骨部(かかと)
側臥位 耳介部、肩鎖関節部、側胸部、大転子部(太股の付け根)、膝関節外側部、足関節外果部(外側のくるぶし)
腹臥位(うつ伏せ) 頬部、耳介部、肩鎖関節部、乳部、陰部、膝関節部、趾尖し せん部(つま先)
ファーラー位
後頭部、肩甲骨部、仙骨部、臀部、踵骨部

※ファーラー位:仰臥位で下肢を水平にしたまま上半身を45°程度起こした半座位のこと。
座位(車いす) 肩甲骨部、肘関節部、臀部
3.発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
→◯

 設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP226、九訂基本テキスト下巻P393)。

褥瘡の発生要因
全身的要因 低栄養、脱水、痩せた体格、骨突出、浮腫、骨粗鬆症や糖尿病などの疾患、免疫機能が低下して感染症になりやすくなる薬剤(抗がん剤、ステロイドなど)の使用、知覚麻痺、意識障害、失禁など
局所的要因 加齢による皮膚の脆弱化、摩擦、皮膚の湿潤(発汗や失禁などによる)、不潔、皮膚疾患など。
社会的要因 介護力の不足、知識や技術の不足など。
褥瘡への対応の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
褥瘡への対応について、◯か×で答えなさい Q1 褥瘡の発生を促す全身性因子には、低栄養、知覚麻痺、意識障害、失禁などがある...
4.同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、耐圧分散用具を用いるとよい。
→◯

 設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP227、九訂基本テキスト下巻P394)。

5.指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。
→×

 要件を満たせば、褥瘡マネジメント加算を算定することができます(2023ユーキャン速習レッスンP414)。そのため、解答は×になります。

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ・Ⅱ)
 入所時に褥瘡発生リスクの評価を行い、その結果を厚生労働省(LIFE:科学的介護情報システム)に提出するとともに、多職種が共同して褥瘡ケア計画を作成して褥瘡管理を行い、少なくとも3か月に1回見直しをしているなどの場合にⅠを算定する。
 さらに、褥瘡発生リスクがあるとされた入所者に褥瘡の発生がない場合はⅡを算定する。
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