第23回 問題34【令和2年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題34 認知症のケアや支援について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.認知症初期集中支援チームは、都道府県が配置する。
2.認知症カフェは、認知症初期集中支援チームが運営することとされている。
3.認知症初期集中支援チームの対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人である。
4.パーソン・センタード・ケアは、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアの一つの考え方である。
5.認知症施策推進大綱では、認知症の人本人からの発信支援を推進するよう明記されている。

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解答

3、4、5

解説

1.認知症初期集中支援チームは、都道府県が配置する。
→×

 認知症初期集中支援チームは、市町村が地域包括支援センターや医療機関などに設置します(2021ユーキャン速習レッスンP254、九訂基本テキスト下巻P254)。そのため、解答は×になります。

 なお、認知症初期集中支援チームは、認知症の人(疑われる人も含む)やその家族を、複数の専門家が訪問し、アセスメントや家族支援などの初期の支援を包括的・集中的に行うチームです。
 この場合の「初期」は、「認知症の発症初期」だけでなく、かかわりにおける初期(ファーストタッチ)の意味も含まれるため、認知症がある程度まで進行した段階で顕在化したケースも対象となります。

 また、地域支援事業の包括的支援事業の認知症総合支援事業において、認知症初期集中支援チームの設置が進められています(2021ユーキャン速習レッスンP120、九訂基本テキスト上巻P158)。

包括的支援事業の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
包括的支援事業について、◯か×で答えなさい Q1 包括的支援事業は、第1号被保険者と第2号被保険者を対象とする。 解答を...
2.認知症カフェは、認知症初期集中支援チームが運営することとされている。
→×

 設問のような規定はありません(2021ユーキャン速習レッスンP252、九訂基本テキスト下巻P257)。そのため、解答は×になります。

 なお、認知症カフェは、市町村、地域包括支援センター、社会福祉協議会、医療機関、NPO法人、介護サービス事業者など、さまざまな主体によって運営されています。
 認知症カフェは、認知症の人の家族に対する支援の取り組みのひとつであり、専門職にとっては認知症の人やその家族の状況を把握できる場となります。

 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)において、「認知症カフェ」の普及が掲げられています。

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
Ⅰ 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施
認知症サポーターの養成と活動の支援
・認知症サポーターの人数:1,200万人
学校教育等における認知症の人を含む高齢者への理解の推進

Ⅱ 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
本人主体の医療・介護等の徹底
発症予防の推進
早期診断・早期対応のための体制整備
・かかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者数(累計):7,500万人
・認知症サポート医養成研修の受講者数(累計):10,000万人
行動・心理症状(BPSD)や身体合併症等への適切な対応
認知症の人の生活を支える介護の提供
人生の最終段階を支える医療・介護等の連携
医療・介護等の有機的な連携の推進

Ⅲ 若年性認知症施策の強化

Ⅳ 認知症の人の介護者への支援
認知症の人の介護者の負担軽減
・認知症カフェ等の設置・普及:地域の実情に応じて認知症地域支援推進員等が企画するなど、認知症の人が集まる場や認知症カフェなどの認知症の人や家族が集う取組みを2020年度までに全市町村に普及させる。
介護者たる家族等への支援
介護者の負担軽減や仕事と介護の両立

Ⅴ 認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
生活の支援(ソフト面)
生活しやすい環境(ハード面)の整備
就労・社会参加支援
安全確保

Ⅵ 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進

Ⅶ 認知症の人やその家族の視点の重視
認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施(再掲)
初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援
認知症施策の企画・立案や評価への認知症の人やその家族の参画

<終わりに>
・認知症高齢者等にやさしい地域の実現には、国を挙げた取組みが必要。
・認知症への対応に当たっては、常に一歩先んじて何らかの手を打つという意識を、社会全体で共有していかなければならない。
・認知症高齢者等にやさしい地域は、決して認知症の人だけにやさしい地域ではない。
・認知症への対応は今や世界共通の課題。
・本戦略の進捗状況は、認知症の人やその家族の意見を聞きながら随時点検。
・医療・介護サービス等の提供に関し、個々の資源の整備に係る数値目標だけでなく、これらの施策のアウトカム指標の在り方についても検討し、できる限りの定量的評価を目指す。
3.認知症初期集中支援チームの対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人である。
→◯

 設問のとおりです(選択肢1の解説を参照)。

4.パーソン・センタード・ケアは、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアの一つの考え方である。
→◯

 設問のとおりです(2021ユーキャン速習レッスンP252、九訂基本テキスト下巻P243)。

 なお、従来の認知症に対するケアは、介護者の効率を優先したものでした。
 これに対し、イギリスのトム・キットウッドが提唱したパーソン・センタード・ケア(PCC)は、「その人らしさをケアの中心として、本人の意向に沿い、本人の尊厳を傷つけないようなケア(一方的な「与えるケア」ではなく、双方向の「心の通うケア」)」というものです。

5.認知症施策推進大綱では、認知症の人本人からの発信支援を推進するよう明記されている。
→◯

 設問のとおりです(2021ユーキャン速習レッスンP253、九訂基本テキスト下巻P202)。

認知症施策推進大綱
 2019(令和元)年6月18日に、認知症施策推進関係閣僚会議において「認知症施策推進大綱」がとりまとめました。これまでの新オレンジプランの後継に当たるもので、新オレンジプランによる施策も含めて、新たな大綱に基づく施策が推進されます。

 大綱の基本的な考え方は、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく、というものです。

※「共生」とは、認知症の人が尊厳と希望をもって認知症とともに生きる、また、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる、という意味です。
※「予防」とは、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味です。

 こうした基本的な考え方の下、次の5つの柱に沿って施策が推進されます。

普及啓発・本人発信支援
予防
医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
研究開発・産業促進・国際展開
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