問題11 介護保険料について正しいものはどれか。2つ選べ。
1.普通徴収による第1号被保険者の保険料については、その配偶者に連帯納付義務がある。
2.第1号被保険者の保険料に係る特別徴収は、社会保険診療報酬支払基金が行う。
3.国民健康保険に加入する第2号被保険者の保険料は、都道府県が徴収する。
4.所得段階別定額保険料の所得区分は原則として9段階であるが、市町村の条例でさらに細分化することができる。
5.第2号被保険者負担率は、市町村が条例で定める。

解答
1、4
解説
1.普通徴収による第1号被保険者の保険料については、その配偶者に連帯納付義務がある。
→◯
普通徴収の場合、第1号被保険者の世帯主および配偶者には、保険料の連帯納付義務が課せられます(2023ユーキャン速習レッスンP134、九訂基本テキスト上巻P65)。そのため、解答は◯になります。
2.第1号被保険者の保険料に係る特別徴収は、社会保険診療報酬支払基金が行う。
→×
第1号被保険者の保険料に係る特別徴収は、年金保険者が行います(2023ユーキャン速習レッスンP45、九訂基本テキスト上巻P64)。
なお、第1号被保険者が、年額18万円以上の公的な老齢年金(または退職年金)、遺族年金、障害年金を受給している場合は、保険料は特別徴収(年金から天引き)されます。
公的な老齢年金等の受給が年額18万円未満の場合は、普通徴収(納入通知書による納付)となります(2023ユーキャン速習レッスンP134、九訂基本テキスト上巻P64・P65)。
▼1号保険料の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
1号保険料について、◯か×で答えなさい
Q1 第1号被保険者の保険料率は、年度ごとに算定する。
解答を見る >
A...
3.国民健康保険に加入する第2号被保険者の保険料は、都道府県が徴収する。
→×
国民健康保険に加入する第2号被保険者の保険料を徴収するのは、国民健康保険の保険者である市町村(2023ユーキャン速習レッスンP133、九訂基本テキスト上巻P69)。
4.所得段階別定額保険料の所得区分は原則として9段階であるが、市町村の条例でさらに細分化することができる。
→◯
設問のとおりです(2023ユーキャン速習レッスンP133・P134、九訂基本テキスト上巻P63・P64)。
5.第2号被保険者負担率は、市町村が条例で定める。
→×
第2号被保険者負担率の設定は、国の事務です(2023ユーキャン速習レッスンP43、九訂基本テキスト上巻P63)。そのため、解答は×になります。
なお、「第2号被保険者負担率」とは、財政構造における2号保険料の負担割合です(現在は27%)。
▼関連Q&A
介護給付費の50%は保険料で賄われます。この50%のうち「2号保険料は何%にする」というのが、第2号被保険者の「負担率」の設定です。現在は27%となっています。
これは、3年ごとに
国の政令によって改定され、全国一律です。
▼関連Q&A
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2号保険料についての「保険料率」:医療保険者が設定
「保険料率」というのは、個人の保険料の額を算出する際に用いる率です。
保険料の額は、所得の多い人は多くなり、所得の少ない人は少なくなるようになっています。これは、たとえば所得の多い人は「基準額×1.5」、収入の低い人は「基準額×0.5」というように計算して、所得に応じて保険料額の多少が決まるということです。この「×1.5」や「×0.5」が保険料率です。
2号保険料についての保険料率は、
医療保険者それぞれが、支払基金から課せられた介護給付費・地域支援事業支援納付金をもとに、それぞれのルールに沿って定めます。そして、個人の所得に応じた保険料率を掛け、個別の保険料を算出して、徴収します。
1人当たりの平均的な保険料が同水準になるよう、人口比に応じて%を設定している
保険料の負担割合は、全国の第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて設定されています。こうすることで、1人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるようになっています。
以下に簡単な例をあげて考えてみます。
例)日本の第1号被保険者が25人、第2号被保険者が25人、居宅給付費(上の表を参照)が100万円です。居宅給付費における保険料の負担割合は50%なので、第1号被保険者は25%、第2号被保険者も25%を負担することになります。
そして、第1号被保険者が25人で25%を負担するのですから、第1号被保険者1人当たり1%の負担となります。居給付費が100万円なので、つまり第1号被保険者1人当たり1万円の負担となります。同様に、第2号被保険者1人当たり1%で、1万円の負担となります。
では、上記の例において、日本の第1号被保険者が23人、第2号被保険者が27人の場合はどうでしょう。この場合、負担割合を第1号被保険者23%、第2号被保険者27%に設定すれば、1人当たり1万円の負担となります。
このように、第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて負担割合を変えて、1人当たりの負担額がほぼ同じ水準になるようにしています。