1号保険料について、◯か×で答えなさい
第1号被保険者の保険料率の算定は、3年ごと。
所得段階別定額保険料の所得区分は原則9段階とされていて、市町村の条例で細分化することが可能。
1号保険料の特別徴収は、年金保険者が行う。
厚生年金も国民年金も、特別徴収の対象。
年金保険者が徴収した1号保険料を納入する先は、市町村(保険者)。
普通徴収(納入通知書による納付)では、市町村から委託を受けた私人(コンビニエンスストア等)で支払いが可能。
生活保護の実施機関は、被保護者の保険料を、その被保護者に代わって、市町村に納付することができる。
市町村は、保険給付を受けることができる第1号被保険者が保険料を滞納している場合には、保険給付の全部または一部の支払いの一時差止を行う。
保険料滞納者への措置には、「区分支給限度基準額の減額」という内容はない。
市町村は、災害等により財産が著しく損害を受けたなど、特別な理由がある者について、条例により、保険料の減免や徴収猶予をすることができる。
ポイント解説
1号保険料の保険料率の設定
第1号被保険者の保険料率は、3年ごとに設定されます。
1号保険料の徴収
徴収の方法には、特別徴収(年金から天引き)と、普通徴収(納入通知書による納付)があります。
特別徴収 | 普通徴収 | |
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対象者 | 年額18万円以上の公的な老齢年金(または退職年金)、遺族年金、障害年金を受給している者 | 公的な老齢年金等の受給が年額18万円未満の者 |
徴収の手順 | 年金保険者が対象者を把握して市町村に通知(年6回)→市町村が年金保険者に依頼→年金保険者が年金から天引き→市町村に納付 | 市町村が対象者に納入通知書を送付する(収納事務は私人〔コンビニエンスストア等〕への委託が可能)。
※第1号被保険者の世帯主および配偶者には、保険料の連帯納付義務が課せられる。
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納期 | 年金の支払い時期に応じる。 | 市町村が条例で定める。 |
なお、生活保護受給者である第1号被保険者の場合、保護の目的を達成するために必要があるときは、生活保護の実施機関(福祉事務所等)が被保護者に代わって、介護保険料を直接市町村に支払うことができます。
1号保険料の減免
市町村は、災害等により財産が著しく損害を受けたなど、特別な事情がある者について、条例により、保険料の減免や徴収猶予をすることができます。
第1号被保険者が保険料を滞納した場合の措置
第1号被保険者が、特別の事情がなく保険料を滞納した場合、市町村は次の措置を段階的にとることができます(上記の特別の事情がある場合は、滞納扱いにはならず、保険料が減免されます)。
① 滞納期間が1年以上になると、現物給付から償還払いに変更する(支払い方法の変更)。
② 滞納期間が1年6か月以上になると、保険給付の支払いの全部または一部を一時差し止めにする。
③ なお納付しない場合は、差し止められた保険給付から、滞納保険料を相殺する。
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市町村の保険料についての徴収権は、時効により2年で消滅します。要介護認定を受けた第1号被保険者に、時効によって徴収権が消滅した期間がある場合、その期間に応じて、保険給付の割合が7割に引き下げられ、利用者負担が3割に上がります(保険給付の額の減額)。はじめから利用者負担が3割の場合は、保険給付の割合が6割に引き下げられ、利用者負担が4割に上がります。
また、高額介護(予防)サービス費、高額医療合算介護(予防)サービス費、特定入所者介護(予防)サービス費(特例サービス費を含む)が支給されなくなります。
保険料を滞納した場合について、以下に簡単な例をあげて考えてみます。
例)Aさん(利用者負担は1割)は、保険料を10万円も滞納して、その期間が1年を過ぎました。そのため、現物給付はされなくなり、償還払いとなりました(支払い方法の変更)。ですので、Aさんが5万円分のサービスを利用した場合、Aさんはいったん5万円全額を負担し、後から市町村に申請して、保険給付分である9割の4万円が戻ってきます。
その後も、Aさんは保険料を払わず、滞納期間が1年6か月を過ぎました。そのため、保険給付が一時差し止めとなりました(保険給付の一時差し止め)。Aさんが5万円分のサービスを利用した場合、Aさんは5万円全額を負担します。しかし、後から市町村に申請しても、保険給付分の9割である4万円は戻ってきません。
その後も、Aさんは保険料を払わずにいました。すると、上記で一時的に差し止められた保険給付分である4万円が、滞納している保険料の支払いに使われます。そうして、滞納保険料の10万円に4万円が支払われて、滞納保険料は6万円となりました(滞納保険料と保険給付との相殺)。
保険料を滞納して2年が過ぎると、市町村が被保険者から保険料を徴収する権利が消滅します。ですので、その分は、市町村は被保険者から徴収できなくなる(被保険者は支払わなくてもいい)、ということになります。
ただし、保険料徴収の権利が消滅した期間に応じて、給付率が7割になる(利用者負担が3割になる)、高額介護サービス費などが給付されない、というペナルティがあります。