(2024ユーキャン速習レッスンP84、十訂基本テキスト上巻P102)
A 支給限度基準額が設定されないサービスとは
これについて、区分支給限度基準額が設定されているサービスと比較して考えてみます。
区分支給限度基準額が設定されているサービス
区分支給限度基準額が設定されているサービスは、似たような要素をもっています。これを「相互の代替性」があるといいます。たとえば、訪問入浴介護の代わりに訪問介護での入浴介助を利用するなどです。こうした「相互の代替性」があるサービスをひとつのグループにまとめ、組み合わせて利用するという前提で、そのグループの給付上限として設定されているのが区分支給限度基準額です。
福祉用具購入費支給限度基準額は、福祉用具購入費についての給付上限
福祉用具購入費について定められた給付上限が、福祉用具購入費支給限度基準額です。これは、4月1日から1年間を管理期間として10万円とされています。住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修費についての給付上限
住宅改修費について定められた給付上限が、住宅改修費支給限度基準額です。これは、基本的に20万円とされています。引っ越した場合や、要介護度が一定以上あがった場合には、また20万円まで給付対象になります。種類支給限度基準額は、区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつに定める給付上限
区分支給限度基準額が設定されているサービスの一つひとつについて給付上限を定めるのが、種類支給限度基準額です。
支給限度基準額が設定されないサービス
支給限度基準額が設定されないサービスは、他の代替サービスがなく、他のサービスとの組み合わせは前提としていません。また、介護報酬の給付額が自動的に決まってきます(上限なく利用できるわけではありません。詳細は後述)。そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。
●居宅療養管理指導
●介護予防居宅療養管理指導
●特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)
●介護予防特定施設入居者生活介護
●認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)
●介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)
●居宅介護支援
●介護予防支援
●地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)
●地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
●施設サービス(介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス)
※介護予防特定施設入居者生活介護には、そもそも「短期利用」はない。そのため「短期利用を除く」という記載もない。
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施設サービスなど → ◯◯単位×30日といった計算で1か月の最大単位数が決まってくる
たとえば、施設サービスを利用する場合、そこの従業者によって必要なサービスが総合的に提供されます。そのため、他のサービスを組み合わせて利用する必要がありません。
また、施設サービスでは、要介護度別に1日あたりの単位数が定められています。すると、1か月間利用した場合の最大単位数(加算がある場合はそれ含めて)が、要介護度別に自動的に(◯◯単位×30日といった計算によって)決まってきます。
そのため、支給限度基準額を定める必要がないのです。
特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)、介護予防特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)、介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)、地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、上記と同様の考え方になります。
居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導 → 1か月の提供回数の上限と1回の単位数が決まっているので、1か月の最大単位数も決まってくる
居宅療養管理指導と介護予防居宅療養管理指導は、職種などによって1か月の提供回数の上限と1回あたりの単位数が定められているので、1か月の最大単位数が自動的に決まってきます。
そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。
居宅介護支援・介護予防支援 → はじめから単位数が1か月あたりで設定されている
居宅介護支援と介護予防支援は、はじめから単位数が1か月あたりで設定されているので、1か月の最大単位数(加算がある場合はそれ含めて)が自動的に決まってきます。
そのため、支給限度基準額を定める必要がありません。