生活保護受給者の施設入所時の食費は介護扶助からで、日常生活費は生活扶助からと、別々なのはどうしてですか?

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(2024ユーキャン速習レッスンP425、十訂基本テキスト下巻P475)

A 食費には「調理の手間の費用」が含まれる

 介護保険の被保険者である生活保護受給者が介護保険施設に入所した際の「日常生活費」と「食費」に対する給付には、次のような違いがあります。

日常生活費(生活扶助から給付)

 「生活扶助」は、日常生活の需要を満たす基本的な扶助です。

 そのため、介護保険施設に入所した際の「日常生活費」については、生活扶助から給付されます(介護施設入所者基本生活費)。

食費(介護扶助から給付)

 「介護扶助」は、要介護者等に対する介護サービスについての扶助です。
 また、「食費」というのは、食材料費+調理の手間の費用です。

 そして、介護保険施設に入所した際の「食費」については、介護保険から特定入所者介護サービス費が給付され、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。

※特定入所者介護サービス費は、居住費・食費について、負担限度額までを利用者が負担し、それを超えて基準費用額までが介護保険から給付されるものです。

 日常生活における「食費」なので「生活扶助からでは?」と考えがちですが、そうではなく介護扶助からの給付になります。
 これについての考え方としては、「介護保険施設に入所した場合は『調理の手間(サービス)が長期にわたって続く』ということで、介護サービスについての扶助である介護扶助になる」と捉えると良いでしょう。

介護保険施設に入所した際の「食費」について、短期入所サービスと比較で見てみると…
 介護保険の被保険者である生活保護受給者の場合、短期入所サービスと介護保険施設に入所した際の「食費」への給付は、次のように異なります。

短期入所サービスでの食費

 生活保護による新たな給付はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。

※短期入所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、負担限度額の分を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

介護保険施設に入所した際の食費

 介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。
 考え方は、前述のように、「介護保険施設に入所した場合は『調理の手間(サービス)が長期にわたって続く』ということで、介護サービスについての扶助である介護扶助になる」ということです。

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