生活保護の介護扶助・生活扶助と、居住費・食費などの関係性はどのようになっているのですか?

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(2024ユーキャン速習レッスンP425、十訂基本テキスト下巻P475)

A 生活保護の介護扶助・生活扶助と、居住費・食費などの関係性

 この関係性について、以下に整理してみます。

介護保険の被保険者である生活保護受給者

介護保険料(介護保険の被保険者)

 生活扶助での対応になります。詳細は、以下のとおりです。

第1号被保険者

特別徴収の場合
 年額18万円(月額1万5,000円)以上の老齢基礎年金等受給者は特別徴収(年金から天引き)されます。この場合、介護保険料の分が年金収入から控除されます。

※「年金収入から控除」というのは、受け取る年金のうち、保険料の分は収入とはみなされず、その分を生活扶助として増やしてくれるということです。ですので、結果的には「生活扶助に上乗せして支給される」と言うことができます。

普通徴収の場合
 上記以外の場合は普通徴収(納入通知書による納付)になります。この場合は、生活扶助に介護保険料加算がされます。

第2号被保険者

 勤労(被用)収入から控除されます。

※生活保護受給者は、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護の医療扶助から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、医療保険未加入となり、第2号被保険者の資格要件のうち「医療保険に加入していること」を満たさなくなって、介護保険の被保険者ではなくなります。
 ただし、生活保護を受けていて、企業の健康保険に加入している人もわずかにいます(生活保護受給者が、企業の健康保険に加入することは可能)。この場合で、40歳以上65歳未満の人が第2号被保険者になります。つまり、生活保護受給者で第2号被保険者となるのは、企業の健康保険に加入している人であり、会社に勤務していて給与をもらっている、ということです。
 この場合、給与から医療保険料と一緒に介護保険料が徴収されます。そのため、介護保険料の分は収入とはみなされず(「勤労(被用)収入から控除」)、その分を生活扶助として増やしてくれます。ですので、結果的には「生活扶助に上乗せして支給される」と言うことができます。

施設サービス(介護保険の被保険者)

日常生活費

 生活扶助から給付されます(介護施設入所者基本生活費)。

食費

 介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。

※特定入所者介護サービス費は、居住費・食費について、負担限度額までを利用者が負担し、それを超えて基準費用額までが介護保険から給付されるものです。

関連Q&A
食費(介護扶助から給付)  「介護扶助」は、要介護者等に対する介護サービスについての扶助です。  また、「食費」というのは、食材料費+調理の手間の費用です。  そして、介護保険施設に入所した際の「食費」については、介護保険から特定入所者介護サービス費が給付され、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。
※特定入所者介護サービス費は、居住費・食費について、負担限度額までを利用者が負担し、それを超えて基準費用額までが介護保険から給付されるものです。
 これについての考え方としては、「介護保険施設に入所した場合は『調理の手間(サービス)が長期にわたって続く』ということで、介護サービスについての扶助である介護扶助になる」と捉えると良いでしょう。
介護保険施設に入所した際の「食費」について、短期入所サービスと比較で見てみると…  介護保険の被保険者である生活保護受給者の場合、短期入所サービスと介護保険施設に入所した際の「食費」への給付は、次のように異なります。
短期入所サービスでの食費
 生活保護による新たな給付はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。
※短期入所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、負担限度額の分を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

介護保険施設に入所した際の食費
 介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。  考え方は、前述のように、「介護保険施設に入所した場合は『調理の手間(サービス)が長期にわたって続く』ということで、介護サービスについての扶助である介護扶助になる」ということです。
居住費

 生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の居住費は、全額が介護保険から特定入所者介護サービス費として給付されます。

※生活保護受給者が多床室を利用した場合は、特定入所者介護サービス費における負担限度額が0円とされているため、全額が特定入所者介護サービス費として給付されることになります。
 ただし、居室の空き状況などによっては、例外的にユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用することも認められます。この場合、介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分が介護扶助から給付されます。

短期入所サービス(介護保険の被保険者)

食費

 生活保護による新たな給付はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。

※短期入所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、負担限度額の分を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

滞在費

 生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の滞在費は、全額が介護保険から特定入所者介護サービス費として給付されます。

※生活保護受給者が多床室を利用した場合は、特定入所者介護サービス費における負担限度額が0円とされているため、全額が特定入所者介護サービス費として給付されることになります。
 ただし、居室の空き状況などによっては、例外的にユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用することも認められます。この場合でも、生活保護による新たな給付はありません。介護保険から特定入所者介護サービス費が給付されて、負担限度額の分を生活保護受給者が支払います。

関連Q&A
 泊まる日数が短い場合は「宿泊」、ある程度長く泊まる場合は「滞在」と言います。そこに住む場合は「居住」になります。 看護小規模多機能型居宅介護と小規模多機能型居宅介護の宿泊サービス → 宿泊費  看護小規模多機能型居宅介護と小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスは、泊まる日数が短いことを想定していて、その費用は「宿泊費」になります。  

短期入所生活介護と短期入所療養介護 → 滞在費

 短期入所生活介護と短期入所療養介護は、ある程度長く泊まることを想定していて、その費用は「滞在費」になります。  

施設サービスと地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 → 居住費

 施設サービスと地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、利用者がそこに住んで利用するサービスなので、「居住費」になります。

通所サービス(介護保険の被保険者)

食費

 生活保護による新たな給付はありません。食費の全額を生活保護受給者が支払います。

※通所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、食費の全額を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

生活保護受給者(介護保険の被保険者でない場合)

介護保険料(介護保険の被保険者でない場合)

 介護保険の被保険者でないので、そもそも介護保険料は発生しません。

施設サービス(介護保険の被保険者でない場合)

日常生活費

 生活扶助から給付されます(介護施設入所者基本生活費)。

食費

 介護扶助から給付されます。

居住費

 介護扶助から給付されます。

短期入所サービス(介護保険の被保険者でない場合)

食費

 介護保険の特定入所者介護サービス費相当額が介護扶助から給付され、負担限度額相当額を生活保護受給者が支払います。

※短期入所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、負担限度額相当額を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

滞在費

 生活保護受給者は、原則として多床室を利用することとされています。この場合の滞在費は、全額が介護扶助から給付されます。

※ただし、居室の空き状況などによっては、例外的にユニット型個室、ユニット型準個室、従来型個室を利用することも認められます。この場合は、介護保険の特定入所者介護サービス費相当額が介護扶助から給付され、負担限度額相当額を生活保護受給者が支払います。

通所サービス(介護保険の被保険者でない場合)

食費

 生活保護による新たな対応はありません。食費の全額を生活保護受給者が支払います。

※通所サービスを利用するというのは、生活保護受給者が自宅で生活しているということであり、生活費(食費を含む)として生活扶助が給付されています。そのため、食費の全額を既に給付されている生活扶助の中から支払うことになります。

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 介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)対策の一問一答です。基本的に、過去に出題された設問が元になっています。
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