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 介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)対策の学習で、疑問を抱きやすい点や分かりにくい部分などについて、Q&A方式で解説して...

老人福祉制度の「措置」「反射的利益」「利用者の権利保障が不十分」とは、どういうことですか?

老人福祉制度の「措置」「反射的利益」「利用者の権利保障が不十分」とは、どういうことですか?

「措置」は市町村による行政処分

 老人福祉制度では「措置」によってサービスが提供されます。これは、行政機関である市町村が必要性を判断して、申請した住民に対し「この事業者による、このサービスを利用しなさい」というように決定する行政処分です。  

「反射的利益」とは、行政処分の結果として生じた間接的な利益

 措置により、申請した住民は介護サービスを受けることができます。ただし、これは「住民が介護サービスを受ける権利をもっている」ということではありません。あくまで「市町村が、行政における処分として介護サービスを提供している」というだけです。こうした、住民が権利によって得る利益ではなく、市町村の行政処分の結果として生じた間接的な利益のことを「反射的利益」といいます。  

「反利用者の権利保障が不十分」とは、サービス利用について主張する権利がないということ

 またこの場合、住民は介護サービスを受ける権利をもっていないのですから、「こんな介護サービスを利用したい」と主張する権利もありません。あくまで市町村の主導であり、市町村が「この介護サービスを利用しなさい」と決定することになります。こうした状況が「利用者の権利保障が不十分」ということです。  

介護保険制度では、利用者の権利が保障されている

 介護保険制度では、「住民は、市町村に申請して認定されると、介護サービスを受けることができる」とされています。これは「住民が介護サービスを受ける権利をもっている」ということです。そして、住民は「こんな介護サービスを利用したい」と主張することができます。ですので、介護保険制度では、利用者の権利が保障されていると言えます。

「応能負担」と「応益負担」は、どのように違うのですか?

「応能負担」と「応益負担」は、どのように違うのですか?

「応能負担」は、負担能力応じて費用を負担する

 その人の負担能力(収入が多いか少ないか)に応じて、費用を負担する方式です。  老人福祉制度の利用者負担は、応能負担です。たとえば、10万円分のサービスを受けた場合の利用者負担の金額は、収入の多いAさんは1万円で、収入の少ないBさんは4,000円、というようになります。  

「応益負担」は、受けた利益に応じて費用を負担する

 受けたサービスの量(受けた利益)に応じて、費用を負担する方式です。  介護保険制度の利用者負担は、応益負担です。たとえば、利用者負担割合が1割の人の場合、利用者負担の金額は、5万円分のサービスを利用したら5,000円で、10万円分のサービスを利用したら1万円になります。

生活保護受給者で、介護保険の被保険者になる場合とならない場合は、どのように分かれるのですか?

生活保護受給者で、介護保険の被保険者になる場合とならない場合は、どのように分かれるのですか?

 これについては「介護保険の被保険者が生活保護を受けるようになった場合」という観点から、以下に第1号被保険者と第2号被保険者をそれぞれ見ていきます。まず、分かりやすいように、第2号被保険者からです。  

第2号被保険者が生活保護を受けるようになった場合


第2号被保険者の資格要件

「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者で、医療保険に加入している者」  

国民健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者ではなくなる

 生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護の医療扶助から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、上記の資格要件のうち「医療保険に加入している者」を満たさなくなって、介護保険の被保険者ではなくなります。したがって、「介護保険の被保険者でない生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、10割が生活保護の介護扶助から給付されます。  なお、生活保護を受けるようになるのは、自営業者(国民健康保険に加入)がほとんどです(企業に勤務している人で、生活保護を受けるようになるケースは、なかなかありません)。そのため、40歳以上65歳未満で生活保護を受けるようになった人のほとんどは、介護保険の被保険者ではなくなります。  

企業の健康保険に加入していた第2号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける

 生活保護を受けるようになっても、企業の健康保険に加入することは可能です。そのため、企業に勤務して健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになっても、健康保険に加入し続けて(上記の資格要件は満たしたままで)、第2号被保険者であり続けます。したがって、「第2号被保険者である生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。  なお、前述のように、健康保険に加入している会社員は企業で働いているので、生活保護を受けるようになるのは稀です。生活保護を受けるようになるのは、たとえばですが、会社員であって、その企業の健康保険に加入しているが、事情により勤務日数が少ないなどの理由で給与が少なく、それだけでは生活できないために生活保護を受ける、といったケースが考えられます。  

第1号被保険者が生活保護を受けるようになった場合


第1号被保険者の資格要件

「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」  

第1号被保険者 → 介護保険の被保険者であり続ける

 第1号被保険者が生活保護を受けるようになっても、上記の資格要件には影響がありません。そのため、「第1号被保険者である生活保護受給者」になります。  この人が介護を必要とする場合、介護サービスの費用については、9割が介護保険から給付されて、残り1割が生活保護の介護扶助から給付されます。

被保険者資格の取得で「年齢到達の場合」が「誕生日の前日」となっているのは、どういうことですか?

被保険者資格の取得で「年齢到達の場合」が「誕生日の前日」となっているのは、どういうことですか?

 日本の法律(民法)では、誕生日の前日に年齢が加算されることになっています。したがって、「誕生日=その年齢の到達日」ではなく、「誕生日の前日=その年齢の到達日」になります。たとえば、5歳の人は、次の誕生日の前日に6歳に到達します。  ですので、市町村に住所のある医療保険に加入している39歳の人は、次の誕生日の前日に40歳に到達し、この「40歳の誕生日の前日」に第2号被保険者になります。  同様に、市町村に住所のある64歳の人は、次の誕生日の前日に65歳に到達し、この「65歳の誕生日の前日」に第1号被保険者になります。

被保険者資格を喪失するのが、当日の場合と翌日の場合があるのは、なぜですか?

被保険者資格を喪失するのが、当日の場合と翌日の場合があるのは、なぜですか?

 考え方としては「保険給付が適切に行われるようになっている」ということです。被保険者資格を喪失するタイミングと保険給付の関係は、以下のようになります。  

適用除外施設に入所(入院)したとき → 翌日

 たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に適用除外施設に入所するとします。この場合、適用除外施設に入所する当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。  被保険者資格を喪失するのが翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

死亡したとき → 翌日

 たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に亡くなったとします。この場合、死亡した当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。  被保険者資格を喪失するのが死亡日の翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

その市町村の住所がなくなったとき → 翌日

※その市町村の住所がなくなった日に、他の市町村に住所を移したとき → 当日  まず、分かりやすいよう※の方から説明します。  たとえば、A市からB市に引っ越すとします。この場合、引っ越し当日にA市の被保険者資格を喪失し、同日にB市の被保険者資格を取得します。もし、「翌日に資格を喪失」となっていると、A市とB市の両方の被保険者資格をもっている時間が発生してしまいます。これを避けるためには、「その日から資格を喪失」とする必要があります。  そして「その市町村の住所がなくなったとき → 翌日」についてです。これは具体的には、国外へ転出する場合です。  たとえば、朝に訪問介護を利用して、その日の午後に国外へ転出するとします。この場合、国外へ転出する当日に被保険者資格を喪失してしまうと、朝に利用した訪問介護が保険給付されなくなってしまいます。被保険者資格を喪失するのが翌日なら、朝に利用した訪問介護も保険給付されます。  

第2号被保険者が医療保険の加入者でなくなったとき → 当日

 これは具体的には、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が、生活保護を受けるようになった場合です。生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外になります(必要な医療は、生活保護「医療扶助」から給付されます)。そのため、国民健康保険に加入していた第2号被保険者が生活保護を受けるようになると、国民健康保険の適用除外となって医療保険未加入になり、第2号被保険者の資格要件のうちの「医療保険加入者であること」(2018中央法規ワークブックP29、八訂基本テキスト1巻P58)を満たさなくなります。  そしてこの場合は、生活保護を受けるようになった当日に、生活保護「介護扶助」からサービスが給付されるように切り替わります。そのため、当日に被保険者資格を喪失しても問題はないと言えます。

住所地特例対象施設で、特定施設とは別に養護老人ホームがありますが、特定施設には養護老人ホームが含まれるのではないのですか?

住所地特例対象施設で、特定施設とは別に養護老人ホームがありますが、特定施設には養護老人ホームが含まれるのではないのですか?

 特定施設となるのは有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームであり、ここには養護老人ホームが含まれます。ただし、住所地特例対象施設については、介護保険法第13条において「特定施設」と「養護老人ホーム」が別にあげられています。  

「入所措置がとられた者に限る」という規定が、養護老人ホームにのみに適用されるため

 そして、同条において、養護老人ホームについて「老人福祉法の規定による入所措置がとられた者に限る」と規定されています。この規定は、有料老人ホームと軽費老人ホームには適用されず、養護老人ホームのみに適用されます。そのため、「特定施設」と「養護老人ホーム」が別になっています。

地域密着型特定施設と地域密着型介護老人福祉施設が、住所地特例対象施設でないのはなぜですか?

地域密着型特定施設と地域密着型介護老人福祉施設が、住所地特例対象施設でないのはなぜですか?

 地域密着型サービスは、文字どおり「地域に密着したサービス」であり、基本的に、その市町村の住民しか利用できません(八訂基本テキスト1巻P104)。ですので、地域密着型特定施設入居者生活介護と地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、その市町村の住民だけが利用することになり、他の市町村から入ってくることはないので、住所地特例の対象にならないということです。

第2号被保険者の場合、全員に被保険者証が交付されるわけではないのは、なぜですか?

第2号被保険者の場合、全員に被保険者証が交付されるわけではないのは、なぜですか?

 被保険者証の交付には、それによって被保険者を管理するという意味があります。  ただし、第2号被保険者については医療保険者が管理して保険料を徴収しているので、市町村が管理する必要はありません。また、認定を受けていない第2号被保険者が被保険者証を必要とする場面はありません。そのため、第2号被保険者には、基本的には被保険者証は交付されません。  第2号被保険者が認定を受けて保険給付を受ける場合には、サービス種類が指定されて被保険者証に記載されるなど、市町村が第2号被保険者を管理する必要が出てきます。また、現物給付でサービスを受ける際には、事業者・施設に対して被保険者証を提示する必要があります。そのため、第2号被保険者は、認定の申請をすると被保険者証が交付されます。  そして、第2号被験者は、認定の申請をしていなくても、交付の求めをすれば被保険者証が交付されます。これにより、被保険者が被保険者証をもつ権利が保障されると言えます。

特定施設や認知症対応型共同生活介護事業者は、認定の申請代行はできないのですか?

特定施設や認知症対応型共同生活介護事業者は、認定の申請代行はできないのですか?

「業としてではなく」なら可能  要介護認定の申請は、介護保険法第27条第1項において、次の者が代行できると規定されています。 認定の申請代行ができる者 指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設のうち、指定基準の認定申請にかかる援助の規定に違反したことのない者 地域包括支援センター  この規定は「業として(反復・継続して、つまり仕事として)行って、報酬を受けることができる」という意味です(実際には、料金を徴収していないところもあります)。ですので、特定施設や認知症対応型共同生活介護事業者が「業としてではなく(仕事としてではなく、無料で)」申請代行をしても、法律違反にはなりません。  上記のほか、家族や成年後見人による代理申請、民生委員、社会保険労務士、介護相談員(一定水準以上の研修を修了した者で、市町村が委嘱)などによる申請代行も可能です(これらは、介護保険法以外の法令によって規定されています)。

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