老人福祉制度の「措置」「反射的利益」「利用者の権利保障が不十分」とは、どういうことですか?

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(2018中央法規ワークブックP16、八訂基本テキスト1巻P35・P36)

A 老人福祉制度の「措置」「反射的利益」「利用者の権利保障が不十分」とは

「措置」は市町村による行政処分

 老人福祉制度では「措置」によってサービスが提供されます。これは、行政機関である市町村が必要性を判断して、申請した住民に対し「この事業者による、このサービスを利用しなさい」というように決定する行政処分です。

「反射的利益」とは、行政処分の結果として生じた間接的な利益

 措置により、申請した住民には介護サービスが提供されます。ただし、これは「住民が介護サービスを受ける権利をもっている」ということではありません。あくまで「市町村が、行政における処分として介護サービスを提供している」というだけです。こうした、住民が権利によって得る利益ではなく、市町村の行政処分の結果として生じた間接的な利益のことを「反射的利益」といいます。

「反利用者の権利保障が不十分」とは、サービス利用について主張する権利がないということ

 またこの場合、住民は介護サービスを受ける権利をもっていないのですから、「こんな介護サービスを、これくらいの頻度で利用したい」と主張する権利もありません。あくまで市町村の主導であり、市町村が「この介護サービスを、この日に利用しなさい」と決定することになります。こうした状況が「利用者の権利保障が不十分」ということです。

介護保険制度では、利用者の権利が保障されている

 介護保険制度では、「住民は、市町村に申請して認定されると、介護サービスを受けることができる」とされています。これは「住民が介護サービスを受ける権利をもっている」ということです。そして、住民は「こんな介護サービスを、これくらいの頻度で利用したい」と主張することができます。ですので、介護保険制度では、利用者の権利が保障されていると言えます。

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