第28回 問題1【令和7年度 ケアマネ試験 介護支援分野】

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問題1 日本の社会保険制度について適切なものはどれか。2つ選べ。
1.営利企業が保険者となる。
2.公的扶助と比較して、救貧的機能が強い。
3.制度への加入手続をとらない者や保険料を納付しない者は、給付を受けられないことがある。
4.税方式と比較して、給付と負担の関係が明確である。
5.介護保険は、職域保険に位置付けられる。

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解答

3、4

解説

1.営利企業が保険者となる。
→×

 社会保険の保険者となるのは、国や地方公共団体などの公的機関です(2025ユーキャン速習レッスンP30・35、十訂基本テキスト上巻P27・P45)。そのため、解答は×になります。

2.公的扶助と比較して、救貧的機能が強い。
→×

 社会保険よりも、公的扶助(生活保護)の方が救貧的機能が強いと言えます(2025ユーキャン速習レッスンP30、十訂基本テキスト上巻P26)。そのため、解答は×になります。

3.制度への加入手続をとらない者や保険料を納付しない者は、給付を受けられないことがある。
→◯

 設問のとおりです(2025ユーキャン速習レッスンP30・P131、十訂基本テキスト上巻P68)。

4.税方式と比較して、給付と負担の関係が明確である。
→◯

 税方式(費用を租税で賄う方式)と比べ、社会保険では被保険者が保険料を負担し、それを財源として(一部公費負担もあり)保険給付がされるので、給付と負担の関係が明確であると言えます(2025ユーキャン速習レッスンP30、十訂基本テキスト上巻P25)。そのため、解答は◯になります。

5.介護保険は、職域保険に位置付けられる。
→×

介護保険は、区域別では地域保険に分類されます(2025ユーキャン速習レッスンP31、十訂基本テキスト上巻P27)。そのため、解答は×になります。

 社会保険の分類の詳細は、以下の「関連Q&A」を参照。

関連Q&A
A 短期保険や長期保険などの区分の仕方
短期保険と長期保険
短期保険  財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付の費用とする社会保険です。また、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、保険給付されます。  介護保険は、短期保険に該当します。介護保険では、3年間で事業計画を作成して予算を立て、3年間で考えて1号保険料の額を定めるなどします。そして、3年間で集めた保険料を用いて、その3年間の保険給付の費用とします。  また、介護保険では、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、介護が必要と認定されれば保険給付を受けることができます。ですので、認定を受ければ、加入期間が10年の人でも、1年の人でも、同じように介護サービスが保険給付されます。  その他に、医療保険、雇用保険、労災保険も短期保険に該当します。  

長期保険

 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険です。  たとえば、年金保険は長期保険に該当します。年金保険は、通常、加入してから何十年もの間、年金保険料を納め続け、それが積み立てられます。そして、積み立てられた年金保険料を財源として、年金の支払いが行われます。  また、年金保険は、加入期間(保険料の支払い期間)が保険給付に関係してきます。もし、年金保険料を短い期間しか支払っていなければ、それに応じて支給される年金は少なくなります。  

被用者保険、自営業者保険


被用者保険

 「被用者保険」というのは、言葉の意味としては「他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険」ということです。健康保険、共済組合、船員保険、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当します。  

自営業者保険

 自営業者を対象とする社会保険です。国民健康保険が該当します。
※介護保険は、被用者と自営業者のどちらも対象としているので、この観点からの分類はしません。
 

職域保険、地域保険


職域保険

 これは、言葉の意味としては「職場に勤める人を対象とする社会保険」ということです。言い換えると「他人に雇われている人(被用者)を対象としている」ということなので、上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられます。該当する社会保険も「被用者保険」と同じです。  介護保険は、職場に勤める人だけを対象にしているものではありません。そのため、職域保険ではありません。  

地域保険

 ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険です。  介護保険は、その市町村の住民が対象なので、地域保険に該当します。  その他に、国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)も地域保険に該当します。  

まとめ

社会保険の分類
保険財政の形態別
短期保険 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付とする社会保険。 医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険が該当する。
長期保険 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険。 年金保険が該当する。
被保険者の種類別(使用関係の有無)
被用者保険 他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険。 健康保険、共済組合、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当する。
自営業者保険 自営業者を対象とする社会保険。 国民健康保険が該当する。
対象とする区域・領域
職域保険 職場に勤める人を対象とする社会保険。上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられ、該当する社会保険も同様。
地域保険 ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険。 国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)、介護保険(市町村の住民が対象)が該当する。
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