問題1 日本の社会保険制度について適切なものはどれか。2つ選べ。
1.営利企業が保険者となる。
2.公的扶助と比較して、救貧的機能が強い。
3.制度への加入手続をとらない者や保険料を納付しない者は、給付を受けられないことがある。
4.税方式と比較して、給付と負担の関係が明確である。
5.介護保険は、職域保険に位置付けられる。

解答
3、4
解説
1.営利企業が保険者となる。
→×
→×
社会保険の保険者となるのは、国や地方公共団体などの公的機関です(2025ユーキャン速習レッスンP30・35、十訂基本テキスト上巻P27・P45)。そのため、解答は×になります。
2.公的扶助と比較して、救貧的機能が強い。
→×
→×
社会保険よりも、公的扶助(生活保護)の方が救貧的機能が強いと言えます(2025ユーキャン速習レッスンP30、十訂基本テキスト上巻P26)。そのため、解答は×になります。
3.制度への加入手続をとらない者や保険料を納付しない者は、給付を受けられないことがある。
→◯
→◯
設問のとおりです(2025ユーキャン速習レッスンP30・P131、十訂基本テキスト上巻P68)。
4.税方式と比較して、給付と負担の関係が明確である。
→◯
→◯
税方式(費用を租税で賄う方式)と比べ、社会保険では被保険者が保険料を負担し、それを財源として(一部公費負担もあり)保険給付がされるので、給付と負担の関係が明確であると言えます(2025ユーキャン速習レッスンP30、十訂基本テキスト上巻P25)。そのため、解答は◯になります。
5.介護保険は、職域保険に位置付けられる。
→×
→×
介護保険は、区域別では地域保険に分類されます(2025ユーキャン速習レッスンP31、十訂基本テキスト上巻P27)。そのため、解答は×になります。
社会保険の分類の詳細は、以下の「関連Q&A」を参照。
▼関連Q&A
A 短期保険や長期保険などの区分の仕方
短期保険と長期保険
短期保険 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付の費用とする社会保険です。また、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、保険給付されます。 介護保険は、短期保険に該当します。介護保険では、3年間で事業計画を作成して予算を立て、3年間で考えて1号保険料の額を定めるなどします。そして、3年間で集めた保険料を用いて、その3年間の保険給付の費用とします。 また、介護保険では、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、介護が必要と認定されれば保険給付を受けることができます。ですので、認定を受ければ、加入期間が10年の人でも、1年の人でも、同じように介護サービスが保険給付されます。 その他に、医療保険、雇用保険、労災保険も短期保険に該当します。
短期保険と長期保険
短期保険 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付の費用とする社会保険です。また、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、保険給付されます。 介護保険は、短期保険に該当します。介護保険では、3年間で事業計画を作成して予算を立て、3年間で考えて1号保険料の額を定めるなどします。そして、3年間で集めた保険料を用いて、その3年間の保険給付の費用とします。 また、介護保険では、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、介護が必要と認定されれば保険給付を受けることができます。ですので、認定を受ければ、加入期間が10年の人でも、1年の人でも、同じように介護サービスが保険給付されます。 その他に、医療保険、雇用保険、労災保険も短期保険に該当します。
長期保険
財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険です。 たとえば、年金保険は長期保険に該当します。年金保険は、通常、加入してから何十年もの間、年金保険料を納め続け、それが積み立てられます。そして、積み立てられた年金保険料を財源として、年金の支払いが行われます。 また、年金保険は、加入期間(保険料の支払い期間)が保険給付に関係してきます。もし、年金保険料を短い期間しか支払っていなければ、それに応じて支給される年金は少なくなります。被用者保険、自営業者保険
被用者保険
「被用者保険」というのは、言葉の意味としては「他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険」ということです。健康保険、共済組合、船員保険、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当します。自営業者保険
自営業者を対象とする社会保険です。国民健康保険が該当します。※介護保険は、被用者と自営業者のどちらも対象としているので、この観点からの分類はしません。
職域保険、地域保険
職域保険
これは、言葉の意味としては「職場に勤める人を対象とする社会保険」ということです。言い換えると「他人に雇われている人(被用者)を対象としている」ということなので、上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられます。該当する社会保険も「被用者保険」と同じです。 介護保険は、職場に勤める人だけを対象にしているものではありません。そのため、職域保険ではありません。地域保険
ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険です。 介護保険は、その市町村の住民が対象なので、地域保険に該当します。 その他に、国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)も地域保険に該当します。まとめ
| 保険財政の形態別 | |
| 短期保険 | 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付とする社会保険。 医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険が該当する。 |
| 長期保険 | 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険。 年金保険が該当する。 |
| 被保険者の種類別(使用関係の有無) | |
| 被用者保険 | 他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険。 健康保険、共済組合、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当する。 |
| 自営業者保険 | 自営業者を対象とする社会保険。 国民健康保険が該当する。 |
| 対象とする区域・領域 | |
| 職域保険 | 職場に勤める人を対象とする社会保険。上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられ、該当する社会保険も同様。 |
| 地域保険 | ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険。 国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)、介護保険(市町村の住民が対象)が該当する。 |



