社会保障・社会保険の体系【一問一答 ケアマネ試験対策】

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社会保障・社会保険の体系について、◯か×で答えなさい

Q1 公的扶助である生活保護も、社会保障制度の範囲に含まれる。
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A ◯
 社会保障の範囲に含まれる中心的な制度には、社会保険、公的扶助、社会福祉の3つがある。
Q2 高齢者福祉は社会保障の範囲には含まれない。
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A ×
 社会保障の中心的な制度である社会保険、公的扶助、社会福祉のうち、社会福祉の中に高齢者福祉が含まれる。
Q3 日本の社会保険は、年金、医療、労働災害、介護の4つに分類されている。
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A ×
 日本の社会保険の種類には、医療保険、介護保険、年金保険、労働者災害補償保険(労災保険)、雇用保険(失業保険)の5つがある。
Q4 医療保険は、業務外の事由による疾病、傷病などを保険事故とする。
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A ◯
 医療保険は業務外の事由による疾病、傷病などを保険事故として、医療サービスの提供を行う(現物給付)。これには健康保険、国民健康保険、共済組合等、船員保険、後期高齢者医療制度がある。
Q5 労働者災害補償保険には、年金給付はない。
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A ×
 労働者災害補償保険は、業務上の事由による疾病、負傷、障害、死亡などを保険事故として、医療サービスの現物給付と所得保障のための年金支給(金銭給付)を行う。
Q6 日本の社会保険には、短期保険、長期保険という区分はない。
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A ×
 日本の社会保険は、加入期間・保険給付の期間と保険財政の形態によって、短期保険と長期保険に区分される。
Q7 厚生年金保険は、被用者保険に位置づけられる。
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A ◯
 厚生年金保険は被用者(会社などに雇用されている人)を対象としているので、被用者保険に位置づけられる。
Q8 医療保険の被用者保険の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合のみである。
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A ×
 全国健康保険協会と健康保険組合のほかに、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合などがある。
Q9 介護保険は、職域保険に位置づけられる。
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A ×
 介護保険は、市町村の区域内の住民を対象としているため、地域保険に位置づけられる。
Q10 介護保険の被保険者には、自営業者が含まれる。
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A ◯
 介護保険は、市町村の区域内の住民を対象とした地域保険であり、使用関係の有無は問われない。


ポイント解説

社会保障の体系

 社会保障の範囲に含まれる中心的な制度には社会保険、公的扶助、社会福祉の3つがあります。

社会保障の範囲と財源方式
社会保障の範囲 主な財源方式
社会保険 医療保険、介護保険、年金保険、雇用保険(失業保険)、労働者災害補償保険(労災保険) 社会保険方式
公的扶助 生活保護 社会扶助方式
社会福祉 高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、社会手当(児童手当など)

 財源の調達方法は、「社会保険」では、保険料を主な財源とする社会保険方式になります。
 「公的扶助」と「社会福祉」では、公費(税)を主な財源とする社会扶助方式になります(租税方式、公費負担方式とも言います)。

 給付の方法は、お金を給付する金銭給付、サービスなどの現物を給付する現物給付があります。

社会保険の種類

種類 保険事故 主な給付内容
医療保険 業務外の事由による疾病、負傷など 医療サービスの提供(現物給付)
介護保険 要介護状態・要支援状態 介護サービスの提供(現物給付)
年金保険 老齢、障害、死亡 所得を保証し、生活の安定を図るための年金を支給(金銭給付)
雇用保険(失業保険) 失業など 失業者の所得を保障し、生活の安定を図るとともに、再就職を促進することを目的とした手当等の支給(金銭給付)
労働者災害補償保険(労災保険) 業務災害(業務上の事由または通勤による疾病、負傷、障害、死亡など) 医療サービスの提供(現物給付)、所得補償のための年金支給(金銭給付)

社会保険の分類

保険財政の形態別
短期保険 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付とする社会保険。
医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険が該当する。
長期保険 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険。
年金保険が該当する。
被保険者の種類別(使用関係の有無)
被用者保険 他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険。
健康保険、共済組合、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当する。
自営業者保険 自営業者を対象とする社会保険。
国民健康保険が該当する。
対象とする区域・領域
職域保険 職場に勤める人を対象とする社会保険。上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられ、該当する社会保険も同様。
地域保険 ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険。
国民年金(国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)、介護保険(市町村の住民が対象)が該当する。

 より詳しくは、下記の「関連Q&A」を参照。

関連Q&A
A 短期保険や長期保険などの区分の仕方
短期保険と長期保険
短期保険  財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付の費用とする社会保険です。また、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、保険給付されます。  介護保険は、短期保険に該当します。介護保険では、3年間で事業計画を作成して予算を立て、3年間で考えて1号保険料の額を定めるなどします。そして、3年間で集めた保険料を用いて、その3年間の保険給付の費用とします。  また、介護保険では、加入期間(保険料の支払い期間)の長さに関係なく、介護が必要と認定されれば保険給付を受けることができます。ですので、認定を受ければ、加入期間が10年の人でも、1年の人でも、同じように介護サービスが保険給付されます。  その他に、医療保険、雇用保険、労災保険も短期保険に該当します。  

長期保険

 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険です。  たとえば、年金保険は長期保険に該当します。年金保険は、通常、加入してから何十年もの間、年金保険料を納め続け、それが積み立てられます。そして、積み立てられた年金保険料を財源として、年金の支払いが行われます。  また、年金保険は、加入期間(保険料の支払い期間)が保険給付に関係してきます。もし、年金保険料を短い期間しか支払っていなければ、それに応じて支給される年金は少なくなります。  

被用者保険、自営業者保険


被用者保険

 「被用者保険」というのは、言葉の意味としては「他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険」ということです。健康保険、共済組合、船員保険、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当します。  

自営業者保険

 自営業者を対象とする社会保険です。国民健康保険が該当します。
※介護保険は、被用者と自営業者のどちらも対象としているので、この観点からの分類はしません。
 

職域保険、地域保険


職域保険

 これは、言葉の意味としては「職場に勤める人を対象とする社会保険」ということです。言い換えると「他人に雇われている人(被用者)を対象としている」ということなので、上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられます。該当する社会保険も「被用者保険」と同じです。  介護保険は、職場に勤める人だけを対象にしているものではありません。そのため、職域保険ではありません。  

地域保険

 ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険です。  介護保険は、その市町村の住民が対象なので、地域保険に該当します。  その他に、国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)も地域保険に該当します。  

まとめ

社会保険の分類
保険財政の形態別
短期保険 財源を積み立てないで、当該期間に徴収した保険料を、当該期間の保険給付とする社会保険。 医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険が該当する。
長期保険 財源を積み立てて、長期間にわたって収支のバランスを取る社会保険。 年金保険が該当する。
被保険者の種類別(使用関係の有無)
被用者保険 他人に雇われている人(被用者)を対象とする社会保険。 健康保険、共済組合、厚生年金、雇用保険、労災保険が該当する。
自営業者保険 自営業者を対象とする社会保険。 国民健康保険が該当する。
対象とする区域・領域
職域保険 職場に勤める人を対象とする社会保険。上記の「被用者保険」とほぼ同じ意味で用いられ、該当する社会保険も同様。
地域保険 ある地域内に住んでいる人を対象とする社会保険。 国民年金(日本の国民が対象)、国民健康保険(健康保険に加入していない市町村の住民が対象)、介護保険(市町村の住民が対象)が該当する。
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