老人保健制度(老人医療)

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老人保健制度(老人医療)について、◯か×で答えなさい

Q1 老人保健制度による訪問看護は、病院ではなく市町村の窓口に申請しなければならないため、利用しにくかった。
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A ×
 老人保健制度による訪問看護の利用は、病院・診療所に申し込む。
Q2 社会的入院とは、病院・診療所が満床で入院できない高齢者を、特別養護老人ホームなどへ措置入所させることで、老人保健制度の問題点として指摘されていた。
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A ×
 社会的入院とは、医学的には入院治療の必要がないにもかかわらず、「社会的事情」によって介護を必要とする高齢者が長期入院することをいう。
Q3 社会的入院が増加し、一般病院の生活機能が充実した結果、特別養護老人ホームが不要になりつつあった。
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A ×
 特別養護老人ホームなど福祉サービスの整備が遅れていたことが、社会的入院の増加の一因であった。
Q4 特別養護老人ホームの利用者負担(費用徴収)が中高所得者層にとって病院よりも重かったことも、社会的入院の一因になっていた。
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A ◯
 特別養護老人ホームへの入所は措置によって行われ、利用者負担額は応能負担(所得に応じて決まる)だったため、中高所得者層にとっては入院より負担が重かった。これが一因となって社会的入院が増加した。
Q5 高齢者の社会的入院が増えたことで、医師や看護師などの医療職や医療設備など医療資源の非効率的な使用と、医療費の増加をもたらしていた。
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A ◯
 本来は入院治療の必要がない高齢者を受け入れることで、医療資源の使用が非効率化し、医療費が増加した。

ポイント解説

 老人保健制度の老人医療は、75歳以上の高齢者、または障害の認定を受けた65歳以上75歳未満の寝たきり高齢者に対する「医療保険制度」でした(現在はなくなっており、代わりに後期高齢者医療制度が創設されています)。これによって、対象者に対する訪問看護などの医療が提供されていました。

 老人保健制度の老人医療では、医学的には入院治療の必要がないにもかかわらず、次のような「社会的事情」によって介護を必要とする高齢者が長期入院する、社会的入院が問題となっていました。

社会的入院の要因となる「社会的事情」
家族の介護力の低下。
特別養護老人ホームなど福祉サービスの整備が遅れていた。
特別養護老人ホームへの入所は措置によって行われ、利用者負担額は応能負担(所得に応じて決まる)だったため、中高所得者層にとっては入院より負担が重かった(入院の方が負担が少なかった)。

 そして、社会的入院については、次のような問題点が指摘されていました。

従来の一般病院の環境は、1人当たりの居住面積が狭いなど、高齢者の長期療養に適さない。
本来は入院治療の必要がない高齢者を受け入れることで、医療資源の使用が非効率化し、医療費が増加した。

関連Q&A↓
後期高齢者医療制度が創設されたのには、どのような経緯があるのですか?

負担をみんなで分け合う仕組みに

 老人保健から後期高齢者医療制度に移行した主な要因は、その財政面にあると言えます。後期高齢者医療制度の財源には「後期高齢者支援金(現役世代の保険料)」があり、後期高齢者の医療費の一部をもっと若くて現在働いている人(現役世代)も支払うことにして、負担をみんなで分け合う仕組みとなっています。これは老人保健にはなかった仕組みであり、このようにすることが後期高齢者医療制度の創設された大きな理由のひとつです  

保険料の負担主体を明確に

 老人保健の対象者は国民健康保険や健康保険などに加入し(それらの保険料を支払い)、そのうえで老人保健に加入する(老人保健には保険料はなし)という構造だったため、国民健康保険や健康保険などから老人保健にお金が出されていました(前述の「医療保険者からの拠出金」です)。ただ、この仕組みだと、老人保健の対象者が支払っている国民健康保険や健康保険の保険料が、老人保健においてどのように位置づけになるのかがあいまいになってしまいます。  後期高齢者医療制度は独立した保険制度であるため、加入する場合は国民健康保険や健康保険などからは脱退することになります。そして、加入すると後期高齢者医療制度の保険料を支払うことになります。こうすることで、保険料の負担主体が明確になります。  

後期高齢者により適切な給付

 給付の内容も、より後期高齢者に適切となるよう、後期高齢者医療制度において改変されています。  

運営主体は都道府県にある後期高齢者医療広域連合となり、運営における責任が明確に

 その他の大きな違いとしては、運営主体の違いがあげられます。老人保健の運営主体は市町村でしたが、後期高齢者医療制度の運営主体は都道府県にある後期高齢者医療広域連合となりました。前述のように、老人保健には保険料はなく、したがって運営主体である市町村はその徴収もしませんでした。にもかかわらず、市町村は運営主体として給付を行っていました。この仕組みだと、給付についての市町村の責任が不明確であったと言えます。  後期高齢者医療制度では、運営主体を都道府県にある後期高齢者医療広域連合とし、後期高齢者医療広域連合が保険料を徴収し、給付を行うことで、運営における責任が明確になります。また、運営を都道府県単位とすることで、市町村単位の場合よりも広い範囲で保険料の設定ができることになり、高齢者の負担における公平性が増していると言えます。
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