第27回 問題30【令和6年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題30 高齢者の精神疾患について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.要因の一つに、脳の加齢性変化がある。
2.うつ病では、自殺リスクはない。
3.配偶者や近親者の死が、うつ病の要因となることがある。
4.アルコール依存症は、うつ病を合併することはない。
5.精神症状が定型的でなく、訴えは多彩かつ曖昧であることがある。

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解答

1、3、5

解説

1.要因の一つに、脳の加齢性変化がある。
→◯

 高齢者の精神疾患には、社会的役割の喪失、孤独感、心身機能の低下(体力の衰え、脳血管疾患、認知症など)などが大きく影響します(2025ユーキャン速習レッスンP259、十訂基本テキスト下巻P262)。そのため、解答は◯になります。

2.うつ病では、自殺リスクはない。
→×

 うつ病では、抑うつ気分(気分の落ち込み)、興味や喜びの喪失、意欲の低下、自信の欠乏、自分に価値がないと考える、過度に自分を責める、行動できないなどの症状が現れます。
 身体症状としては、食欲の減退によって痩せる、頭痛、肩こり、便秘、口の乾き、体のほてり、動悸などが現れます。
 症状が進むと、希死念慮(死んでしまいたいという気持ち)が強くなり、自殺企図(自殺を図ること)も出てきます(2025ユーキャン速習レッスンP260、十訂基本テキスト下巻P265)。そのため、解答は×になります。

3.配偶者や近親者の死が、うつ病の要因となることがある。
→◯

 うつ病の発症要因は、脳の血流障害、脳内神経伝達物質の異常、身体疾患、喪失体験(配偶者や友人との死別、社会的役割の喪失など)、孤独などといわれています(2025ユーキャン速習レッスンP259・P260、十訂基本テキスト下巻P262)。そのため、解答は◯になります。

4.アルコール依存症は、うつ病を合併することはない。
→×

 老年期のアルコール依存症では、認知症やうつ病を合併しやすい、という特徴があります(2025ユーキャン速習レッスンP261、十訂基本テキスト下巻P269)。そのため、解答は×になります。

5.精神症状が定型的でなく、訴えは多彩かつ曖昧であることがある。
→◯

 高齢者の疾患には、症状が非定型的、症状や兆候がはっきりしない、といった特徴があります(2025ユーキャン速習レッスンP185、十訂基本テキスト下巻P93)。そのため、解答は◯になります。

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