第27回 問題32【令和6年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題32 栄養と食事について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.体重測定は、栄養状態を把握するために有用である。
2.低栄養を予防するためには、摂取するエネルギー量を減らす。
3.水を飲んでむせる場合は、汁物やお茶に適度なとろみをつけることも一つの方法である。
4.スプーンはできるだけ深く大きいものとし、1回量を多くすることで食事の所要時間を短くする。
5.配食サービスは、栄養改善の目的だけでなく、一人暮らし高齢者の見守りとしても活用できる。

猫の写真

解答

1、3、5

解説

1.体重測定は、栄養状態を把握するために有用である。
→◯

 設問のとおりです(2025ユーキャン速習レッスンP265、十訂基本テキスト下巻P362)。

 なお、高齢者の低栄養は、血清アルブミン値、BMI、体重減少、上腕周囲長、食事摂取量などによって評価・判定をします(2025ユーキャン速習レッスンP224、十訂基本テキスト下巻P75・P362)

低栄養のリスク指標
BMI
(Body Mass Index)
体重kg÷(身長m×身長m)
肥満:25以上
低体重:18.5未満
体重減少 6か月間で2~3kg以上の減少
 または
6か月間で3%以上の減少
血清アルブミン値 3.6g/dL以下で骨格筋の消耗が始まっている可能性あり
上腕周囲長 男性で20cm未満、女性で19cm未満

※下腿周囲長も低栄養の指標に用いられる
食事摂取量の減少 1食当たり2/3程度の量に落ちたり、1日2食程度が続いている
※腹囲:メタボリックシンドロームの診断に用いられる。男性で85cm以上、女性で90cm以上が、腹部型の肥満とされる。
2.低栄養を予防するためには、摂取するエネルギー量を減らす。
→×

 高齢になるとエネルギー消費が少なくなり、食欲が低下しがちです。これにより、高齢者の低栄養では、たんぱく質やエネルギーが不足していることが多くあります(2025ユーキャン速習レッスンP180、十訂基本テキスト下巻P8)。そのため、これらの摂取量を増やすことが大切となり、そのため解答は×になります。

3.水を飲んでむせる場合は、汁物やお茶に適度なとろみをつけることも一つの方法である。
→◯

 設問のような場合、液体よりも、とろみのある形態や半固体形状のものが適しています(2025ユーキャン速習レッスンP268、十訂基本テキスト下巻P368)。そのため、解答は◯になります。

4.スプーンはできるだけ深く大きいものとし、1回量を多くすることで食事の所要時間を短くする。
→×

 高齢者の食事では、1回に口に入れる量をティースプーン1杯程度にするなどして調整して、ゆっくり食べるようにし、また食塊が口の中に残らないようにすることが大切です(2025ユーキャン速習レッスンP268、十訂基本テキスト下巻P374)。そのため、解答は×になります。

5.配食サービスは、栄養改善の目的だけでなく、一人暮らし高齢者の見守りとしても活用できる。
→◯

 配食サービスは、栄養改善(献立が思いつかない、買い物や調理の不自由などの理由で適切な栄養量を確保できないといった状況の改善)の目的だけでなく、一人暮らし高齢者の見守りとしての役割が期待されています(十訂基本テキスト下巻P367)。そのため、解答は◯になります。

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