第28回 問題37【令和7年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題37 次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.吐き気を訴える場合は、誤嚥を予防するために身体を仰向きにして寝かせる。
2.出血している傷口に対しては、清潔なタオルなどを当て、圧迫して止める方法がある。
3.転倒して頭部を打撲した後に両手足に力が入らない場合は、頸髄損傷の可能性がある。
4.高齢者が心筋梗塞を起こしている場合は、必ず強い胸痛がある。
5.手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき。すぐには元に戻らない場合は、脱水も疑う。

猫の写真

解答

2、3、5

解説

1.吐き気を訴える場合は、誤嚥を予防するために身体を仰向きにして寝かせる。
→×

 吐き気があるときは、側臥位(横向きの寝姿勢)にして、吐物の誤嚥を防ぎます(2025ユーキャン速習レッスンP287、十訂基本テキスト下巻P182)。そのため、解答は×になります。

2.出血している傷口に対しては、清潔なタオルなどを当て、圧迫して止める方法がある。
→◯

 設問のとおりです(2025ユーキャン速習レッスンP286、十訂基本テキスト下巻P176)。

 なお、出血量が多い場合や清潔な布がない場合は、出血部位よりも心臓に近い側を圧迫して止血します。
 また、出血部位を心臓の位置より高くすると、出血量を減らすことができる場合があります。

3.転倒して頭部を打撲した後に両手足に力が入らない場合は、頸髄損傷の可能性がある。
→◯

 頭部打撲の後に、両手足に力が入らない、しびれがあるなどの場合は、頸髄損傷が疑われます(2025ユーキャン速習レッスンP286、十訂基本テキスト下巻P176)。そのため、解答は◯になります。

 なお、記憶障害、意識障害、痙攣、頭痛、嘔吐、瞳孔の左右不同がある場合は、硬膜下出血、硬膜外出血、脳出血などが疑われます。

4.高齢者が心筋梗塞を起こしている場合は、必ず強い胸痛がある。
→×

 心筋梗塞や狭心症では、強い胸痛が出ることが特徴で、痛みは肩や背中、首などにも拡散します。
 ただし、高齢者では、特徴的な胸痛の症状が出ないこともあり、冷や汗や吐き気、呼吸困難が主症状の場合もあります(2025ユーキャン速習レッスンP287、十訂基本テキスト下巻P183)。そのため、解答は×になります。

5.手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき。すぐには元に戻らない場合は、脱水も疑う。
→◯

 脱水では、めまい、だるさ、顔が赤くなる、舌の乾燥、排尿回数の減少、体重減少、血圧低下、微熱、頻脈などがみられます。皮膚の緊張の低下(手の甲の皮膚をつまみ上げてもすぐに戻らないなど)も特徴的な症状です(2025ユーキャン速習レッスンP180、十訂基本テキスト下巻P9・P184)。そのため、解答は◯になります。

 脱水が強くなると、起立性低血圧(立ちくらみ)、全身倦怠感、頭痛、吐き気、食欲不振などが起こります。さらに進行すると、意識障害を引き起こすこともあります。

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