第28回 問題38【令和7年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題38 次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1.関節リウマチでは、症状の日内変動がないことが特徴の一つである。
2.パーキンソン病では、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
3.大腿骨頸部骨折の最も多い受傷原因は、転倒である。
4.膝関節症による痛みや腫脹を抑えるために、定期的な運動が効果的である。
5.複数の疾患を治療している高齢者では、多剤服用による影響に注意する。

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解答

3、4、5

解説

1.関節リウマチでは、症状の日内変動がないことが特徴の一つである。
→×

 関節リウマチでは、症状に日内変動があり、特に朝はこわばって動きにくくなります(2025ユーキャン速習レッスンP193、十訂基本テキスト下巻P115)。そのため、解答は×になります。

 なお、関節リウマチは、原因不明の全身における免疫異常によって髄膜炎を起こすことにより、さまざまな症状が現れる疾患です。
 症状としては、朝の手指の関節のこわばり、関節の腫れ・痛み(左右非対称に出現し、初期には手指、手関節、肘などに多い)、熱感などがみられます。
 進行すると手、肘、肩、股、膝関節の変形・拘縮が起こり、全身症状(発熱、体重減少、易疲労感など)も現れます。内臓障害が合併した悪性関節リウマチに発展するものもあります。

2.パーキンソン病では、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
→×

 パーキンソン病では四大運動症状(振戦、無動、筋固縮、姿勢・歩行障害)により動きにくくなりますが、運動しないでいると廃用症候群が進んでしまうため、運動療法により下肢の筋肉や平衡機能を維持することが大切です(2025ユーキャン速習レッスンP189、十訂基本テキスト下巻P106)そのため、解答は×になります。

パーキンソン病の四大運動症状の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
パーキンソン病について、◯か×で答えなさい Q1 パーキンソン病では、安静時の振戦や、あらゆる動作が乏しくなる無動などもみられ...
3.大腿骨頸部骨折の最も多い受傷原因は、転倒である。
→◯

 設問のとおりです(2025ユーキャン速習レッスンP195、十訂基本テキスト下巻P121)。

 加齢に伴い、筋力・耐久力・バランス力の低下によって転倒のリスクが増大し、骨折をする危険性が増加します。
 そのため、骨粗鬆症の予防・治療、転倒リスクの軽減、転倒しても骨折しづらい環境の構築(ヒッププロテクターの装着、床材の変更など)が大切になります。

 なお、高齢者に多い骨折には、次のものがあります。

大腿骨頚部骨折
胸腰椎圧迫骨折
撓骨遠位端骨折(手首のあたり)
助骨骨折

4.膝関節症による痛みや腫脹を抑えるために、定期的な運動が効果的である。
→◯

 変形性関節症は、関節軟骨がすり減って、関節の骨同士が直に接触してしまうものです。主な症状は、関節の痛みやこわばりです。特に多いのが、膝関節に起こる変形性膝関節症です。

 定期的な運動によって大腿四頭筋(太ももの前面にある筋肉で、膝を伸ばす働きがあり、いわゆる「膝のバネ」の力を生み出す)を鍛えると、膝関節にかかる負荷が軽減されて、変形性膝関節症の発症リスクが下がります(2025ユーキャン速習レッスンP192、十訂基本テキスト下巻P114)。そのため、解答は◯になります。

5.複数の疾患を治療している高齢者では、多剤服用による影響に注意する。
→◯

 高齢者は複数の疾患を抱えていて、複数種類の薬剤を服用していることが多くあり、その相互作用によって副作用が出やすくなります。また、生理・生体機能の低下から、薬効や副作用が強く出ることがあります(2025ユーキャン速習レッスンP185・P269、十訂基本テキスト下巻P339・P342)。したがって、多剤服用による影響に注意する必要があるため、解答は◯になります。

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