老年症候群(その一)【一問一答 ケアマネ試験対策】

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老年症候群について、◯か×で答えなさい(その一)

Q1 せん妄の発症の誘因として、睡眠障害、薬剤、環境の変化などが挙げられる。
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A ◯
 せん妄は、睡眠や覚醒リズムの障害、環境の変化(入院や施設入所など)、生活リズムの変化、不安(手術前など)、アルコールや薬剤の摂取、感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)などが引き金となることもある。
Q2 せん妄の治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。
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A ×
 せん妄の治療では、まずQ1の解説であげた誘因の除去・原因薬剤の中止が行われる。原因や誘因を取り除けば、症状は改善または消失する。そのうえで、治療薬物の投与も行う。
Q3 夜間にせん妄が増悪する場合には、昼間に適度な刺激と散歩などの活動の機会をつくり、夜間に睡眠できるように配慮する。
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A ◯
 Q1の解説にあるように、睡眠や覚醒リズムの障害がせん妄の引き金となることがある。そのため、日中の活動量が不足している場合はそれを増やして、十分な睡眠が取れるよう配慮することが大切となる。
Q4 身体疾患の治療薬の中には、うつなどの精神症状を引き起こすものがある。
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A ◯
 設問のとおり。たとえば、降圧薬などの副作用でうつ症状が現れることがある。
Q5 加齢により、最近の出来事に対する記憶が低下していくことが多い。
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A ◯
 エピソード記憶(経験の記憶)は、加齢により、特に最近の出来事に対して記憶力が低下する。

 一方、意味記憶(覚えようとして覚える知識。学習によって得られる)の力は、高齢になっても保たれる。

Q6 浮腫や腹水がみられる場合には、低栄養も疑われる。
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A ◯
 設問のとおり。低栄養のほかに、肝硬変、がん、腎臓病なども疑われる。
Q7 高齢者の低栄養は、ビタミンとミネラルの摂取不足が主な原因である。
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A ×
 高齢者の低栄養では、たんぱく質とエネルギーの不足が原因の「たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:protein energy malnutrition)」が多く見られる。

 高齢になるとエネルギー消費が少なくなり、食欲が低下しがち。また、加齢によって消化器も機能低下してくる。こうしたことから、高齢者では低栄養が問題となる。

Q8 低栄養では、免疫機能が低下するため、感染症も起こりやすくなる。
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A ◯
 設問のとおり。
Q9 食欲不振は、消炎鎮痛剤等の薬剤が原因のこともある。
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A ◯
 設問のとおり。

 消炎鎮痛剤のほかに、慢性心不全に使用されるジギタリス製剤、認知症治療薬などの副作用によって、食欲不振となることもある。

Q10 高齢者は、口渇の訴えが多いので、水分の過剰摂取に注意する。
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A ×
 高齢者は口の渇きを感じにくいため、脱水に注意が必要。


ポイント解説

老年症候群

・意識障害、せん妄
・抑うつ
・認知機能障害
・不眠
・低栄養、食欲不振、脱水
・めまい、ふらつき
・視聴覚障害
・手足のしびれ
・フレイル、サルコペニア、廃用症候群
・尿失禁
・嚥下障害、誤嚥
・褥瘡

せん妄

症状

 せん妄は意識障害のひとつで、一過性の認知機能低下、見当識障害、不眠、興奮、錯乱、幻聴、幻覚などの精神症状が現れます。興奮や錯乱を主体とする場合もありますが、活動性が低下(認知機能や見当識、注意力が低下)する場合もあります。

発症の誘因

 せん妄は睡眠や覚醒リズムの障害、環境の変化(入院や施設入所など)、生活リズムの変化、不安(手術前など)、アルコールや薬剤の摂取、感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)などが引き金となることもあります。

治療

 まず、誘因の除去・原因薬剤の中止が行われます。原因や誘因を取り除けば、症状は改善または消失します。そのうえで、治療薬物の投与も行います。

夜間せん妄への対応

 夜間にせん妄が増悪する場合は、睡眠や覚醒リズムの改善を行います。日中の活動量が不足している場合はそれを増やして、十分な睡眠が取れるよう配慮することが大切です。

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