第24回 問題35【令和3年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
問題35 栄養に関するアセスメントについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1.高齢者は、若年者に比べてエネルギー摂取量が少ないことを当然の前提とする。
2.低栄養状態の徴候には、筋肉量の減少、血清たんぱく質の減少などがある。
3.低栄養状態は、フレイルや要介護状態の要因の一つである。
4.認知症高齢者については、異食、盗食などの摂食行動の有無を把握する。
5.高齢者の摂食・嚥下障害は、栄養過多を引き起こすおそれがある。

猫の写真

解答

2、3、4

解説

1.高齢者は、若年者に比べてエネルギー摂取量が少ないことを当然の前提とする。
→×

 高齢になるとエネルギー消費が少なくなり、食欲が低下しがちです。また、加齢によって消化器も機能低下してきます。こうしたことから、高齢者では低栄養が問題になります(2024ユーキャン速習レッスンP178、十訂基本テキスト下巻P8)。そのため、解答は×になります。

2.低栄養状態の徴候には、筋肉量の減少、血清たんぱく質の減少などがある。
→◯

 高齢者の低栄養は、血清アルブミン値、BMI、体重減少、上腕周囲長、食事摂取量などによって評価・判定をします(2024ユーキャン速習レッスンP222、十訂基本テキスト下巻P75・P362)

低栄養のリスク指標
BMI
(Body Mass Index)
体重kg÷(身長m×身長m)
肥満:25以上
低体重:18.5未満
体重減少 6か月間で2~3kg以上の減少
 または
6か月間で3%以上の減少
血清アルブミン値 3.6g/dL以下で骨格筋の消耗が始まっている可能性あり
上腕周囲長 男性で20cm未満、女性で19cm未満

※下腿周囲長も低栄養の指標に用いられる
食事摂取量の減少 1食当たり1/3程度の量に落ちたり、1日2食程度が続いている
※腹囲:メタボリックシンドロームの診断に用いられる。男性で85cm以上、女性で90cm以上が、腹部型の肥満とされる。
3.低栄養状態は、フレイルや要介護状態の要因の一つである。
→◯

 フレイル(虚弱)とは、高齢になって筋力や活動が低下している状態をいいます。健康と要介護状態の中間的な段階で、①体重減少、②歩行速度低下、③握力低下、④疲れやすい、⑤身体活動レベルの低下、のうち3項目以上に該当すればフレイルとみなされます(2024ユーキャン速習レッスンP180、十訂基本テキスト下巻P11)。
 低栄養状態は、これらの要因になり得ます。また、フレイルが進むと要介護状態にもなることもあるため、解答は◯になります。

4.認知症高齢者については、異食、盗食などの摂食行動の有無を把握する。
→◯

 認知症高齢者の場合は、食事中の傾眠、失認、拒食、偏食、徘徊、異食、盗食などの有無を把握します(2024ユーキャン速習レッスンP264、十訂基本テキスト下巻P372)。そのため、解答は◯になります。
 これらによって栄養接種が妨げられ、栄養状態やQOLの低下、誤嚥のリスクの増大などが懸念されます。

5.高齢者の摂食・嚥下障害は、栄養過多を引き起こすおそれがある。
→×

 高齢者の摂食・嚥下障害は、低栄養状態を引き起こすおそれがあります(2024ユーキャン速習レッスンP178・P263、十訂基本テキスト下巻P370)。そのため、解答は×になります。

トップへ戻る