高齢者の疾患の特徴・糖尿病・がん【一問一答 ケアマネ試験対策】

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高齢者の疾患の特徴・糖尿病・がんについて、◯か×で答えなさい

Q1 高齢者の疾患では、症状は、しばしば非定型的である。
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A ◯
 高齢者の場合、症状が非定型的になり、診断基準となる症状・徴候などがはっきり現れないことが多くある。
Q2 高齢者は複数の疾患を有することが多いため、積極的に多くの薬剤を併用する。
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A ×
 高齢者は複数の疾患を有していることが多くあるが、使用する薬剤の数が多くなるほど副作用(有害作用)の発生する頻度が高くなるため、チェックすることが大切。また、薬剤の相互作用についても注意する。
Q3 高齢者の場合、環境の変化により、病状が変動することはない。
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A ×
 高齢者のQOLや予後は、医療だけではなく、療養環境、家庭や地域社会といった社会的要因に大きく影響される。そのため、家庭環境、住環境、経済的な状況などについても把握することが大切。
Q4 糖尿病は、加齢によるインスリンの増加が原因である。
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A ×
 インスリンは膵臓で作られ、血液中からブドウ糖を細胞内に取り込む働きをするホルモンで、ブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要不可欠。このインスリンの働きが不足すると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなり、糖尿病となる。
Q5 糖尿病の三大合併症は、網膜症、腎症、下肢の壊疽である。
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A ×
 糖尿病の三大合併症は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害
Q6 糖尿病の罹患年数が長いと、下肢末梢の知覚障害などを呈するため、転倒予防に配慮する必要がある。
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A ◯
 設問のとおり。
Q7 糖尿病でインスリン治療中の高齢者では、低血糖が認知機能低下の要因となる。
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A ◯
 インスリン注射を行っている場合、その作用により低血糖となり、認知機能低下を引き起こすことがある。
Q8 糖尿病の内服治療をしている者では、インスリン注射をしていなくても、低血糖の症状に留意する必要がある。
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A ◯
 薬物療法(インスリン注射だけでなく、血糖降下薬の内服治療も含む)を行っている場合は、その作用により低血糖となって、動機、発汗、意識障害、認知機能低下を引き起こすことがあるため注意が必要。
Q9 若年者と比較して、高齢者ではがんによる痛みの訴えが多くなる。
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A ×
 若年者と比較して、高齢者ではがんによる痛みの訴えは少ないと言われている。
Q10 がんの発症頻度は、年齢とともに高くなる傾向にある。
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A ◯
 設問のとおり。

 なお、臓器別の頻度は胃がん、肺がん、大腸がんが高くなっている。また、胃がんは減少傾向にあり、肺がんと大腸がんが増加傾向にある。


ポイント解説

高齢者の疾患の特徴

症状の個人差が大きい。
症状が非定型的
慢性疾患が多く、長期の治療となりやすい
合併症を引き起こしやすい。
薬剤の副作用が現れやすい。
高齢者のQOLや予後が、医療だけではなく、社会的要因(療養環境、家庭や地域社会など)に大きく影響される。
水・電解質の代謝異常を起こしやすい。

糖尿病

糖尿病の類型

 糖尿病は、インスリンの働きが不足し、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなる疾患です。1型糖尿病と、2型糖尿病があります。

1型糖尿病……主に自己免疫の異常などにより、インスリンの量が絶対的に足りない。
2型糖尿病……生活習慣により、相対的にインスリンの量が不足する。

※インスリン:膵臓で作られ、血液中からブドウ糖を細胞内に取り込む働きをするホルモン。ブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要不可欠。

症状と三大合併症

 主な症状には、尿中の糖の濃度を薄めようとすることによる多尿、それに伴って水分不足による口渇多飲などがあります。ただし、高齢者ではこれらの症状がはっきり現れないこともあります。

 また、糖尿病の罹患年数が長いと、以下のような合併症がしばしば起こります。

糖尿病の合併症
細小血管症 細い血管の病変によるもの。

三大合併症
糖尿病性網膜症……視力低下、失明など。
糖尿病性腎症……腎不全、人工透析が必要になるなど。
糖尿病性神経障害……手足の先端のしびれ、進行すると足の潰瘍・壊疽など。
大血管症 太い血管の動脈硬化によるもの。

他の危険因子と共に、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こしやすくなる。

治療

 治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法(インスリン注射、血糖降下薬の内服)です。

 薬物療法(インスリン注射だけでなく、血糖降下薬の内服治療も含む)を行っている場合、その作用により低血糖となって、動機、発汗、意識障害、認知機能低下を引き起こすことがあるため注意が必要です。

 また、感染症などによる体調不良時(シックデイ:sick day)には、薬剤の効果が強く出ることがあります。

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