脳血管障害・筋萎縮性側索硬化症(ALS)について、◯か×で答えなさい
脳梗塞の原因となる動脈硬化の危険因子には高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などがある。したがって血圧管理、耐糖能低下や脂質異常などに留意することが大切となる。
脳血栓は、安静時、血圧低下時、起床直後に発症しやすい。
脳血管障害(脳卒中)の症状には、言葉が出てこない(失語)、ろれつが回らない(構音障害)がある。
脳血管障害は再発しやすいため、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの予防やコントロールが大切となる。
設問のとおり(Q5の解説も参照)。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、四肢の筋力低下による運動や歩行などの生活機能障害、嚥下障害、言語障害などがみられる。症状は進行性で、数年で四肢麻痺、摂食障害、呼吸麻痺となる。
しかし、知覚神経、記憶力、眼球運動、肛門括約筋、意識は末期まで保たれる。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)による筋力低下や筋萎縮は、筋力トレーニングでは回復しない。むしろ、過度なトレーニングをすることで筋肉を痛め、さらに運動機能を低下させる危険性もある。
ポイント解説
脳血管障害
脳血管障害の種類
血管が詰まる | 脳の血管が詰まったり、狭くなったりして血流が悪化する。 | ||
脳血栓 | 脳の比較的太い血管が動脈硬化によって狭くなり、さらに血の塊によって少しずつ詰まる。 または 脳の比較的細い血管が高血圧によって変性して、詰まる。 |
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脳塞栓 | 脳の血管が、心臓などでできた血栓が流れてきて塞がれる。 | ||
一過性脳虚血発作 | 脳の血管が一時的に詰まる(すぐに血流が再開する)。脳塞栓の前兆として現れることがある。 | ||
血管が破れる | 脳出血 | 脳の細い血管が破れて出血する。 | |
くも膜下出血 | 脳の表面の太い血管にできたコブ(動脈瘤)が破れて、くも膜の下に出血する。 |
治療
治療は、急性期と慢性期に分けられます。
病期 | 治療方法 |
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急性期 |
・脳血栓と脳塞栓……血栓溶解療法
・脳出血……血腫が大きかったり、小脳にある場合は血腫除去手術
・くも膜下出血……動脈瘤手術
また、脳組織の壊死防止と頭蓋内圧更新に対する薬物治療を行う。
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慢性期 | 主に再発予防と、運動や言語訓練などのリハビリテーションを行う。 血栓の予防薬を使用する場合は、副作用(出血が止まりにくいなど)に注意する。 しばしば脳血管障害の後にうつ状態になることもある。 |
予後と生活上の留意点
脳血管障害は再発しやすく、再発すると後遺症が重くなります。
再発予防のポイントとしては、食事・運動・嗜好(飲酒、喫煙)に留意すること、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満など)の管理(適度な運動、適正な体重、塩分摂取の制限、十分な睡眠、便秘予防)などがあげられます。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
原因は不明で、全身の骨格筋が徐々に萎縮していく疾患です。5~10%の症例は家族性で、遺伝子異常が明らかな場合もあります。
症状
四肢の筋力低下による運動や歩行などの生活機能障害、嚥下障害、言語障害などがみられます。症状は進行性で、数年で四肢麻痺、摂食障害、呼吸麻痺となります。
しかし、知覚神経、記憶力、眼球運動、肛門括約筋、意識は末期まで保たれます。
治療など
進行を遅らせる薬剤はありますが、進行を阻止することはできません。基本的には、補助具を用いた介護と運動訓練(食事の動作、意思伝達のための特殊なワープロ操作など)を行うことになります。
また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)による筋力低下や筋萎縮は、筋力トレーニングでは回復しません。むしろ、過度なトレーニングをすることで筋肉を痛め、さらに運動機能を低下させる危険性もあります。