第25回 問題48【令和4年度 ケアマネ試験 福祉サービス分野】

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問題48 ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1.クライエントの視点から、人生観や価値観等についての理解をより深めることが重要である。
2.家族や地域住民は、アウトリーチの対象に含まれない。
3.利用できる社会資源が不足している場合、新たな社会資源の開発が求められる。
4.不衛生な環境に居住している認知症高齢者が、サービスの利用を拒否したため、本人の意向に従い、支援を中止する。
5.「無断で家族に年金をすべて使われている」と高齢者からの訴えがあったが、家族間の問題であるため、「支援できない」と本人に伝える。

猫の写真

解答

1、3

解説

1.クライエントの視点から、人生観や価値観等についての理解をより深めることが重要である。
→◯

 設問の内容は「共感」に該当します。これは、クライエントの世界を、クライエントが捉えるように理解することをいいます(2024ユーキャン速習レッスンP351、十訂基本テキスト下巻P443)。

2.家族や地域住民は、アウトリーチの対象に含まれない。
→×

 「アウトリーチ」とは、「支援を必要とする人に対し、積極的に出向いて働きかけるプロセス」のことです(2024ユーキャン速習レッスンP353~、十訂基本テキスト下巻P447~)。この対象には、家族や地域住民も含まれます。

3.利用できる社会資源が不足している場合、新たな社会資源の開発が求められる。
→◯

 設問の内容は「地域に対するソーシャルワーク」に該当します。これは、地域社会における社会関係にはたらきかけることで、個人・集団に対する支援が有効に機能するように、社会資源を調整・開発する支援方法です(2024ユーキャン速習レッスンP344、十訂基本テキスト下巻P426・P426)。

ソーシャルワークの3次元での類型
ミクロ・ソーシャルワーク
個人・家族に対するソーシャルワーク

 クライエントの心理的力動に着目し、心理社会的なはたらきかけを行うとともに、社会資源の活用・調整を通して生活課題を個別に解決する支援方法

メゾ・ソーシャルワーク
集団に対するソーシャルワーク

 人々の集団としての活動を通して、各個人の成長と発達、問題の解決する支援方法

マクロ・ソーシャルワーク
地域に対するソーシャルワーク

 地域社会における社会関係にはたらきかけることで、個人・集団に対する支援が有効に機能するように、社会資源を調整・開発する支援方法

制度に対するソーシャルワーク
・ソーシャルアクション(制度の改革を目指す活動)
・社会(地域福祉)計画
・社会福祉運営管理(社会福祉の価値を踏まえたマネジメント)
・社会福祉調査 など
上記以外の類型
ジェネラリスト・ソーシャルワーク 課題の全体関連性を認識し、ミクロ、メゾ、マクロを総合的に展開し、実践する方法
4.不衛生な環境に居住している認知症高齢者が、サービスの利用を拒否したため、本人の意向に従い、支援を中止する。
→×
5.「無断で家族に年金をすべて使われている」と高齢者からの訴えがあったが、家族間の問題であるため、「支援できない」と本人に伝える。
→×

 これらの設問のような場合、本人の人生観・価値観などに理解を深め、問題の要因(本人要因〔心理的、身体的、精神的〕、社会的要因〔家族・親族との関係、地域との関係、社会資源の不足〕、サービス提供者側の要因〔援助関係の不全、チームアプローチの機能不全、ニーズとケアプランの乖離〕など)を把握するなどして、支援につなげていくようにします(2024ユーキャン速習レッスンP353~、十訂基本テキスト下巻P447~)。

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