パルスオキシメーターの機能や仕組みは、どのようなものですか?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫の写真
(2024ユーキャン速習レッスンP275、九訂基本テキスト上巻P65)

A パルスオキシメーターとは


パルスオキシメータ オキシマン S-114

出典:www.amazon.co.jp

指先などに装着するだけで(採血することなく)血中酸素飽和度を測定できる機器

 パルスオキシメーターとは、採血することなく、指先や耳などに検知器(プローブ)を装着するだけで、血中酸素飽和度(SpO2、血液中のヘモグロビンのうち酸素と結びついているヘモグロビンの割合)を測定できる機器のこと。採血が不要なので患者負担が少なく、またリアルタイムに測定できるというメリットがあります。

 同時に、パルスオキシメーターによって脈拍数を測定することもできます。

呼吸器疾患などの病状評価、日常管理、在宅酸素療法の適応判定などに役立つ

 血中酸素飽和度は、身体に送られている酸素量の指標のひとつ。これをパルスオキシメーターで測定することにより、呼吸器疾患や心疾患などの病状の評価、在宅の慢性呼吸不全患者の日常管理や急性増悪時の入院判定、在宅酸素療法の適応判定や指導などに役立てることができます。

 特に在宅患者にとっては、手軽に利用できるパルスオキシメーターは有用であると言えるでしょう。

パルスオキシメーターは2つの光によって血中酸素飽和度を測定している

 パルスオキシメーターのプローブには、LEDと光センサーが内蔵されています。LEDからは赤色光と赤外光が照射され、それが指先や耳などを透過・反射したものを光センサーで受けるという仕組み。

 血液中のヘモグロビンは、酸素と結合している場合と、結合していない場合とで、赤色光と赤外光の吸光度が異なります。この性質を利用し、光センサーで受けた透過光・反射光を分析することで、血中酸素飽和度を測定しています。

静脈血・軟部組織との区別には、脈動を利用している

 ただし、上記のような仕組みだけだと、動脈血だけではなく、静脈血や軟部組織を透過・反射した光も測定してしまうことに…。そこで、動脈血を区別するために、脈動が用いられます。

 心臓から送り出された動脈血には、脈動があります。一方、静脈血は緩やかに流れ、脈動はありません。もちろん、軟部組織にも脈動はありません。ですので、透過光・反射光のうち、脈動による変化成分のあるものだけをピックアップすることで、動脈血だけの血中酸素飽和度を測定することが可能になります。

 また、この仕組みによって、前述のように脈拍数を測定することもできるというわけです。

トップへ戻る