各認知症の特徴と若年性認知症【一問一答 ケアマネ試験対策】

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各認知症の特徴と若年性認知症について、◯か×で答えなさい

Q1 アルツハイマー型認知症の初期症状としては、近時記憶の障害が著しい。
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A ◯
 アルツハイマー型認知症では、初期症状として健忘が現れる。エピソード(出来事)記憶の障害が中心で、近時記憶(数分~数か月)の著しい障害がみられる。

Q2 血管性認知症では、適切な治療やリハビリテーションにより、認知機能が改善した例もある。
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A ◯
 血管性認知症では、再発防止のための薬物療法や、廃用予防のための生活指導、リハビリテーションが大切になる。これらを適切に実施することにより、認知機能を改善することは不可能ではない。
Q3 レビー小体型認知症では、幻視はみられない。
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A ×
 レビー小体型認知症の特徴的な症状として幻視があり、払いのけたり、逃げるような動作を伴う(詳しくは、後述の「ポイント解説」を参照)。
Q4 レビー小体型認知症では、起立性低血圧や失神による転倒、便秘などの症状はまれである。
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A ×
 レビー小体型認知症の特徴的な症状として、起立性低血圧や失神(これらによる転倒)、血圧の変動、便秘がある。
Q5 前頭側頭型認知症では、リアルな幻視やパーキンソニズムが特徴である。
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A ×
 リアルな幻視やパーキンソニズム(パーキンソン症状)は、レビー小体型認知症の特徴的な症状。
Q6 若年性認知症の人は、認知機能の低下により仕事に支障が生じ、早期に発見されるため、予後がよい。
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A ×
 若年性認知症は比較的進行が速く、うつ病や統合失調症など他の精神疾患と間違われて診断が遅くなったりする。
 また、原因となる疾患もさまざまであるため、一概に予後が良いとは言えない。
Q7 若年性認知症の人が取得できるのは、療育手帳である。
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A ×
 若年性認知症の人が取得できるのは、精神障害者保健福祉手帳。これを取得することで、障害福祉サービスが利用できるようになる。

 なお、療育手帳は、知的障害者が取得できる。知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)に現れ、日常生活や知的活動に支障がある状態のことをいう。若年性認知症は、知的障害には該当しない。

Q8 若年性認知症者は、障害者総合支援法に基づく自立支援医療の対象となる。
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A ◯
 設問のとおり。

障害者総合支援法による支援の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
障害者総合支援法の仕組みと内容について、◯か×で答えなさい Q1 障害者総合支援法の障害者の範囲には、難病等が含まれる。 ...


ポイント解説

レビー小体型認知症

 レビー小体とは、神経細胞が脱落・変性したαシヌクレインというたんぱく質が蓄積して形成される、特殊なたんぱく質の塊です。

 レビー小体型認知症では、脳だけでなく抹消自律神経系の神経細胞にもレビー小体が異常沈着するため、次のようにさまざまな症状が現れます。

レビー小体型認知症の症状
レム睡眠障害(夢を見て〔レム睡眠中〕大声を出したり、身体を激しく動かす。何年も前からみられる)
うつ症状(比較的早期から)
嗅覚の低下(比較的早期から)
リアルな幻視(幻視を払いのける、幻視から逃げようとするなど)、誤認妄想(家族を他人と言うなど)
認知機能の低下は全般的で、視覚認知障害がやや目立ち、(アルツハイマー型認知症ほどではないが)記憶障害も伴う。
パーキンソン症状
自律神経症状として、起立性低血圧や失神(これらによる転倒)、血圧の変動、便秘。
嚥下障害

前頭側頭型認知症

 前頭側頭型認知症とは、脳の前頭葉と側頭葉に極限性の萎縮が生じるものです。次のよう症状が現れます。

前頭側頭型認知症の症状
主に前頭葉が萎縮するタイプ 脱抑制(我慢ができない)、易怒性(すぐに怒る)、常同行動(同じ行動の繰り返し)が目立つ。記憶は比較的保たれるものの、病識を欠き、他人の気持ちへの理解・共感ができなくなり、社会のルールを守れなくなる。
主に側頭葉が萎縮するタイプ 意味記憶障害(物の名前が出て来ない)、相貌失認(顔を見ても誰だか分からない)が目立つ。進行すると、時刻表的生活(決まった時間に決まった行動をする)などの症状も現れる。
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