問題8 共生型サービスの指定の対象となる介護保険サービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1.地域密着型通所介護
2.介護予防短期入所生活介護
3.通所リハビリテーション
4.訪問介護
5.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
解答
1、2、4
解説
共生型サービスとは、介護保険のサービスと障害福祉サービスで、内容が共通しているサービスになります。具体的には、次のサービスです(2024ユーキャン速習レッスンP95、十訂基本テキスト上巻P133)。
介護保険のサービス | 障害福祉サービス等 | ||
●訪問介護
|
⇔ |
●居宅介護
●重度訪問介護
|
|
●通所介護
●地域密着型通所介護
|
⇔ |
●生活介護
●自立支援
●児童発達支援
●放課後等デイサービス
|
|
●短期入所生活介護
●介護予防短期入所生活介護
|
⇔ |
●短期入所
|
|
選択肢「1.地域密着型通所介護」と「2.介護予防短期入所生活介護」と「4.訪問介護」は上記に含まれるため、解答は◯になります。
「3.通所リハビリテーション」と「5.定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は上記に含まれないため、解答は×になります。
より詳しくは、以下の「関連Q&A」を参照。
▼関連Q&A
共生型サービスとは、介護保険のサービスと障害福祉サービスで、内容が共通しているサービスになります。具体的には、次のサービスです。
資料:共生型サービス(厚生労働省)をもとに作成
この「内容が共通しているサービス」について、「給付が介護保険に切り替わっても、引き続き同じ事業所のサービスを利用できる(事業所を変更する必要がない)」というのが、共生型サービスのメリットです。
以前は、介護保険法による事業所の指定と、障害者総合支援法・児童福祉法による事業所の指定は、完全に別でした。そのため、介護保法による指定のみを受けた事業所、障害者総合支援法による指定のみを受けた事業所、というのが多くありました。
こうした状況により、障害者が65歳になって給付が介護保険に切り替わるのと同時に、介護保険法による指定を受けたサービス事業所に変更する必要のあるケースがありました。これは、障害者にとっては「なじみのある事業所を変えなくてはならない」というデメリットでした。
これについて、以下に簡単な例をあげてみます。
例)障害者のアさんは長年、障害者総合支援法による指定を受けたA事業所による居宅介護(障害者の居宅を訪問して行う、入浴、排泄、食事などの介護)を利用していました。
その後、アさんは65歳となり、介護保険の第1号被保険者になりました。このタイミングで、介護保険からの給付に切り替わります。そのため、A事業所による居宅介護は終了して、サービス内容が同じ介護保険の訪問介護の利用を開始することになりました。そして、介護保険法による訪問介護の指定を受けたB事業所による訪問介護を利用し始めました。
これに関して、アさんは「サービス内容は同じなのに、長年利用してきたA事業所の利用をやめて、B事業所に変更しなくてはならないのは不便だ」という不満を抱きました。
こうしたデメリットを解消するために創設されたのが、共生型サービスです。
共生型サービスにより、上記の例の「A事業所」は、介護保険の訪問介護の指定を比較的容易に受けることができるようになりました。「A事業所」が介護保険の訪問介護の指定も受けると、アさんは65歳(介護保険の第1号被保険者)になってからも、引き続き「A事業所」を利用することができます。
介護保険のサービス | 障害福祉サービス等 | ||
●訪問介護 |
⇔ | ●居宅介護
●重度訪問介護 |
|
●通所介護
●地域密着型通所介護 |
⇔ | ●生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
●自立支援(機能訓練・生活訓練)
●児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
●放課後等デイサービス(同上) |
|
●療養通所介護 |
⇔ | ●生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)
●児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)
●放課後等デイサービス(同上) |
|
●小規模多機能型居宅介護
●介護予防小規模多機能型居宅介護
●看護小規模多機能型居宅介護 |
通い | → | ●生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
●自立支援(機能訓練・生活訓練)
●児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
●放課後等デイサービス(同上) |
泊まり | → | ●短期入所 |
|
訪問 | → | ●居宅介護
●重度訪問介護 |
第2号被保険者である障害者は、それだけでは介護保険の認定と給付は受けられない
障害者が40歳以上65歳未満の場合、介護保険の第2号被保険者になります。ただし、これだけでは介護保険の認定と給付は受けられません。第2号被保険者が認定を受けて給付を受けるためには、介護が必要になった原因が特定疾病の場合に限られるためです(2019ユーキャン速習レッスンP52、九訂基本テキスト上巻P71)。
この人が、65歳になって第1号被保険者になると、介護保険の認定と給付を受けられます。第1号被保険者の場合は、介護が必要になった原因は問われずに、心身状態からして必要であれば、認定と給付を受けられるからです。
共生型サービスの分類
共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。具体的には、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護になります。 同様に、介護保険の地域密着型サービスに該当するものを「共生型地域密着型サービス」といいます。具体的には、地域密着型通所介護(療養通所介護を含む)、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護になります。 地域密着型介護予防サービスに該当するものは「共生型地域密着型介護予防サービス」で、具体的には介護予防小規模多機能型居宅介護になります。共生型サービスの基準を定める者
上記のように、共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。これについての基準は、居宅サービスと同じく、都道府県の条例で定めます。 同様に、共生型地域密着型(介護予防)サービスについての基準は、域密着型(介護予防)サービスと同じく、市町村の条例で定めます。▼関連Q&A
https://caremane.site/2217