共生型サービスの仕組みやメリットはどういうものですか? また、なぜ減算されるのですか?

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(2020ユーキャン速習レッスンP95、八訂基本テキスト1巻P143)

A 共生型サービスとは、介護保険のサービスと障害福祉サービスで内容が共通しているもの

共生型サービスの種類、仕組みとメリット

 共生型サービスとは、介護保険のサービスと障害福祉サービスで、内容が共通しているサービスになります。具体的には、次のサービスです。

共生型サービス
介護保険のサービス 障害福祉サービス等
訪問介護
居宅介護
重度訪問介護
通所介護
地域密着型通所介護
生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
自立支援(機能訓練・生活訓練)
児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
放課後等デイサービス(同上)
短期入所生活介護
介護予防短期入所生活介護
短期入所
療養通所介護
生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)
児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)
放課後等デイサービス(同上)
小規模多機能型居宅介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
通い
生活介護(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
自立支援(機能訓練・生活訓練)
児童発達支援(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)
放課後等デイサービス(同上)
泊まり
短期入所
訪問
居宅介護
重度訪問介護

資料:共生型サービス(厚生労働省)をもとに作成

 この「内容が共通しているサービス」について、「給付が介護保険に切り替わっても、引き続き同じ事業所のサービスを利用できる(事業所を変更する必要がない)」というのが、共生型サービスのメリットです。

 以前は、介護保険法による事業所の指定と、障害者総合支援法・児童福祉法による事業所の指定は、完全に別でした。そのため、介護保法による指定のみを受けた事業所、障害者総合支援法による指定のみを受けた事業所、というのが多くありました。
 こうした状況により、障害者が65歳になって給付が介護保険に切り替わるのと同時に、介護保険法による指定を受けたサービス事業所に変更する必要のあるケースがありました。これは、障害者にとっては「なじみのある事業所を変えなくてはならない」というデメリットでした。
 これについて、以下に簡単な例をあげてみます。

例)障害者のアさんは長年、障害者総合支援法による指定を受けたA事業所による居宅介護(障害者の居宅を訪問して行う、入浴、排泄、食事などの介護)を利用していました。
 その後、アさんは65歳となり、介護保険の第1号被保険者になりました。このタイミングで、介護保険からの給付に切り替わります。そのため、A事業所による居宅介護は終了して、サービス内容が同じ介護保険の訪問介護の利用を開始することになりました。そして、介護保険法による訪問介護の指定を受けたB事業所による訪問介護を利用し始めました。
 これに関して、アさんは「サービス内容は同じなのに、長年利用してきたA事業所の利用をやめて、B事業所に変更しなくてはならないのは不便だ」という不満を抱きました。

 こうしたデメリットを解消するために創設されたのが、共生型サービスです。
 共生型サービスにより、上記の例の「A事業所」は、介護保険の訪問介護の指定を比較的容易に受けることができるようになりました。「A事業所」が介護保険の訪問介護の指定も受けると、アさんは65歳(介護保険の第1号被保険者)になってからも、引き続き「A事業所」を利用することができます。

 このように「内容が共通しているサービスについて、介護保険法による指定、障害者総合支援法・児童福祉法による指定のいずれかを受けている事業所は、もう一方の指定も受けやすくする」というのが共生型サービスの仕組みです。

第2号被保険者である障害者は、それだけでは介護保険の認定と給付は受けられない
 障害者が40歳以上65歳未満の場合、介護保険の第2号被保険者になります。ただし、これだけでは介護保険の認定と給付は受けられません。第2号被保険者が認定を受けて給付を受けるためには、介護が必要になった原因が特定疾病の場合に限られるためです(2020ユーキャン速習レッスンP52、八訂基本テキスト1巻P85)。
 この人が、65歳になって第1号被保険者になると、介護保険の認定と給付を受けられます。第1号被保険者の場合は、介護が必要になった原因は問われずに、心身状態からして必要であれば、認定と給付を受けられるからです。

共生型サービスの事業所の場合、介護報酬が減算される

 上記のように、共生型サービスの仕組みによって、介護保険法による指定、障害者総合支援法・児童福祉法による指定のいずれかを受けている事業所は、もう一方の指定も受けやすくなっています。これは、より具体的には「障害者総合支援法・児童福祉法による指定を受けている事業所は、介護保険の指定基準を完全に満たしていなくても、介護保険の指定を受けられる」ということです。
 そして、共生型サービスの事業所は介護保険の指定基準を完全には満たしていないので、介護報酬が減算となります(共生型介護特例減算)。

共生型サービスの分類

 共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。具体的には、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護になります。

 同様に、介護保険の地域密着型サービスに該当するものを「共生型地域密着型サービス」といいます。具体的には、地域密着型通所介護(療養通所介護を含む)になります。

共生型サービスの基準を定める者

 上記のように、共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。これについての基準は、居宅サービスと同じく、都道府県の条例で定めます。

 同様に、共生型地域密着型(介護予防)サービスについての基準は、域密着型(介護予防)サービスと同じく、市町村の条例で定めます。

関連Q&A
市町村と“地域”を関連させて覚える  これについて、たとえば「市町村長が指定するのは『地域密着型』と、ケアマネジメントを行う事業者(居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者)で、それ以外は都道府県知事」というように捉えると良いでしょう。  さらに「地域密着型」「居宅介護支援事業者」「介護予防支援事業者」と市町村・地域を関連させると、より理解が深まります。  

「地域密着型」は地域に密着 → 住民に近い「市町村長」

 「地域密着型」のサービスは、文字どおり、その地域に密着したものです。そのため、都道府県よりも住民に近い存在である市町村長が指定を行います。  

居宅介護支援事業者と介護予防支援事業者はケアマネジメントを行って、地域のサービスを活用する → 住民に近い「市町村長」

 居宅介護支援事業者と介護予防支援事業者は利用者に対してケアマネジメントを行い、利用者のニーズに応じた居宅サービス計画または介護予防サービス計画を作成します。この計画の作成においては、その地域のサービスを活用します。そのため、より住民に近い存在である市町村長が指定を行います。
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