第25回 問題39【令和4年度 ケアマネ試験 保健医療サービス分野】

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問題39 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1.健康日本21(第二次)では、健康寿命を延ばすことを目指している。
2.就労、ボランティアなどの社会参加は、フレイル予防に役立たない。
3.パーキンソン病の場合、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
4.膝関節症による痛みや腫脹を抑えるには、定期的な運動が効果的である。
5.高齢者においては、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨される。

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解答

1、4、5

解説

1.健康日本21(第二次)では、健康寿命を延ばすことを目指している。
→◯

 健康日本21(第二次)の目標は次のものであり、ここに設問の内容が含まれます(2024ユーキャン速習レッスンP286、十訂基本テキスト下巻P88~)。そのため、解答は◯になります。

健康日本21(第二次)の目標
健康寿命の延伸と健康格差の縮小
生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(非感染性疾患の予防※)
社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
健康を支え、守るための社会環境の整備

※非感染性疾患の予防:非感染性疾患(NCD)は、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を指す。我が国では生活習慣病として位置づけられているこれら4つの疾患は、国際的には非感染性疾患(NCD)として捉えられており、包括的な対策を講じることが重要視されている。
2.就労、ボランティアなどの社会参加は、フレイル予防に役立たない。
→×

 フレイル(虚弱)とは、高齢になって筋力や活動が低下している状態をいいます。健康と要介護状態の中間的な段階で、①体重減少、②歩行速度低下、③握力低下、④疲れやすい、⑤身体活動レベルの低下、のうち3項目以上に該当すればフレイルとみなされます(2024ユーキャン速習レッスンP180、十訂基本テキスト下巻P11)。
 この予防に、就労、ボランティアなどの社会参加は有効と言えます。そのため、解答は×になります。

3.パーキンソン病の場合、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
→×

 パーキンソン病では四大運動症状(安静時の振戦、無動、筋固縮、姿勢・歩行障害)により動きにくくなりますが、運動しないでいると廃用症候群が進んでしまうため、運動療法により下肢の筋肉や平衡機能を維持することが大切です(2024ユーキャン速習レッスンP191、十訂基本テキスト下巻P106)そのため、解答は×になります。

パーキンソン病の四大運動症状の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
パーキンソン病について、◯か×で答えなさい Q1 パーキンソン病では、安静時の振戦や、あらゆる動作が乏しくなる無動などもみられ...
4.膝関節症による痛みや腫脹を抑えるには、定期的な運動が効果的である。
→◯

 変形性関節症は、関節軟骨がすり減って、関節の骨同士が直に接触してしまうものです。主な症状は、関節の痛みやこわばりです。特に多いのが、膝関節に起こる変形性膝関節症です。肥満の場合は、体重を支える膝関節にかかる負荷が発症リスクを高めるため、減量が有効です。

 また、定期的な運動によって大腿四頭筋(太ももの前面にある筋肉で、膝を伸ばす働きがあり、いわゆる「膝のバネ」の力を生み出す)を鍛えると、膝関節にかかる負荷が軽減されて、変形性膝関節症の発症リスクが下がります(2024ユーキャン速習レッスンP208、十訂基本テキスト下巻P114)。そのため、解答は◯になります。

5.高齢者においては、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨される。
→◯

 骨粗鬆症は、無症状のうちに骨が弱くなっていて、骨折してから気づくことが多くあります(2024ユーキャン速習レッスンP211、十訂基本テキスト下巻P119)。そのため、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨されるので、解答は◯になります。

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