問題38 高齢者に起こりやすい急変や急変時の対応について適切なものはどれか。3つ選べ。
1.衣類の下の皮膚をやけどしたときは、衣類を脱がしてから冷やすようにする。
2.異物をのどに詰まらせたときは、前かがみにさせて背中を強く叩くと排出することがある。
3.心肺蘇生時の胸骨圧迫は、1分間に60回を目安に行う。
4.寝たきりの高齢者が嘔吐した場合には、側臥位にする方がよい。
5.せん妄の原因の一つに薬剤の投与がある。
解答
2、4、5
解説
1.衣類の下の皮膚をやけどしたときは、衣類を脱がしてから冷やすようにする。
→×
衣服の下をやけどした場合、皮膚が衣服に貼り付いていることがあるため、脱がさずに、衣服の上から流水を当てて冷やします(2024ユーキャン速習レッスンP284、十訂基本テキスト下巻P179)。そのため、解答は×になります。
2.異物をのどに詰まらせたときは、前かがみにさせて背中を強く叩くと排出することがある。
→◯
異物が喉に詰まった場合、側臥位にして口を大きく開け、指を入れて取り出します。
指で取り出せない場合は、背部叩打法や腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行います(2024ユーキャン速習レッスンP283、十訂基本テキスト下巻P177・P178)。そのため、解答は◯になります。
3.心肺蘇生時の胸骨圧迫は、1分間に60回を目安に行う。
→×
心肺蘇生時の胸骨圧迫は、1分間に100~120回を目安に行います(2024ユーキャン速習レッスンP285、十訂基本テキスト下巻P180)。そのため、解答は×になります。
4.寝たきりの高齢者が嘔吐した場合には、側臥位にする方がよい。
→◯
嘔吐した場合は吐物の誤嚥を防ぐために、側臥位にして口腔内の吐物を取り除きます(2024ユーキャン速習レッスンP284、十訂基本テキスト下巻P182)。そのため、解答は◯になります。
5.せん妄の原因の一つに薬剤の投与がある。
→◯
せん妄は睡眠や覚醒リズムの障害、環境の変化(入院や施設入所など)、生活リズムの変化、不安(手術前など)、アルコールや薬剤の摂取、感覚遮断(社会的な隔離、眼鏡や補聴器が必要なのに使用できないなど)などが引き金となることもあります(2024ユーキャン速習レッスンP177、十訂基本テキスト下巻P7)。そのため、解答は◯になります。
▼老年症候群とせん妄の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
老年症候群について、◯か×で答えなさい(その一)
Q1 せん妄の発症の誘因として、睡眠障害、薬剤、環境の変化などが挙げられる。...