問題37 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1.中心静脈栄養法では、静脈炎にならないように末梢静脈を用いる。
2.経鼻胃管の種類には、バルーン型とバンパー型がある。
3.血液透析のためのシャントは、動脈と静脈をつなぎ合わせた部位のことである。
4.ネブライザーは、気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器である。
5.パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
解答
3、4、5
解説
1.中心静脈栄養法では、静脈炎にならないように末梢静脈を用いる。
→×
在宅中心静脈栄養法は、十分な量の食事を口から摂ることができなくなった人、腸からの栄養吸収ができなくなった人に対して、中心静脈から高カロリー輸液を投与するものです(2024ユーキャン速習レッスンP272、十訂基本テキスト下巻P51)。そのため、解答は×になります。
2.経鼻胃管の種類には、バルーン型とバンパー型がある。
→×
バルーン型とバンパー型があるのは、経鼻胃管ではなく、胃ろうです(2024ユーキャン速習レッスンP273、十訂基本テキスト下巻P54)。そのため、解答は×になります。
3.血液透析のためのシャントは、動脈と静脈をつなぎ合わせた部位のことである。
→◯
血液透析では、身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があり、それを確保するために、腕の動脈と静脈を繋ぎ合わせて血流量の多い血管をつくります。これをシャントといいます(2024ユーキャン速習レッスンP271、十訂基本テキスト下巻P49)。そのため、解答は◯になります。
▼血液透析の詳細は、以下の「ポイント解説」を参照
人工透析について、◯か×で答えなさい
Q1 自己腹膜灌流法(CAPD)による人工透析は、血液透析に比べて、通院回数が少なくて済...
4.ネブライザーは、気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器である。
→◯
ネブライザーは、呼吸器疾患の利用者が霧状にした薬を肺に吸い込んで症状を抑えたり、気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器です(2024ユーキャン速習レッスンP277、十訂基本テキスト下巻P63)。そのため、解答は◯になります。
5.パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
→◯
パルスオキシメーターとは、採血することなく、指先や耳などに検知器(プローブ)を装着するだけで、血中酸素飽和度(SpO2、血液中のヘモグロビンのうち酸素と結びついているヘモグロビンの割合)を測定できる機器のことです。呼吸器疾患や心疾患など、低酸素血症を引き起こしやすい疾患の患者に用いられます(2024ユーキャン速習レッスンP278、十訂基本テキスト下巻P65)。そのため、解答は◯になります。
▼関連Q&A
パルスオキシメーターのプローブには、LEDと光センサーが内蔵されています。LEDからは赤色光と赤外光が照射され、それが指先や耳などを透過・反射したものを光センサーで受けるという仕組み。
血液中のヘモグロビンは、酸素と結合している場合と、結合していない場合として、赤色光と赤外光の吸光度が異なります。この性質を利用し、光センサーで受けた透過光・反射光を分析することで、血中酸素飽和度を測定しています。
静脈血・軟部組織との区別には、脈動を利用している
ただし、上記のような仕組みだけだと、動脈血だけではなく、静脈血や軟部組織を透過・反射した光も測定してしまうことに…。そこで、動脈血を区別するために、脈動が用いられます。
心臓から送り出された動脈血には、脈動があります。一方、静脈血は緩やかに流れ、脈動はありません。もちろん、軟部組織にも脈動はありません。ですので、透過光・反射光のうち、脈動による変化成分のあるものだけをピックアップすることで、動脈血だけの血中酸素飽和度を測定することが可能になります。
また、この仕組みによって、前述のように脈拍数を測定することもできるというわけです。