問題8 介護保険制度の給付と利用者負担について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.被保険者が災害により住宅に著しい損害を受けた場合には、市町村は、定率の利用者負担を減免することができる。
2.施設介護サービス費に係る利用者負担は、一律2割の定率負担となっている。
3.区分支給限度基準額を超えてサービスを利用した場合には、その超えた部分は3割負担となる。
4.介護保険施設入所者の理美容代は、保険給付の対象とならない。
5.居宅介護サービス計画費については、利用者負担はない。
解答
1、4、5
解説
1.被保険者が災害により住宅に著しい損害を受けた場合には、市町村は、定率の利用者負担を減免することができる。
→◯
災害その他の特別な事情により、定率負担が困難な利用者については、市町村はその負担を減額または免除することができます(2025ユーキャン速習レッスンP71、十訂基本テキスト上巻P108)。
ここに、設問の「災害により住宅に著しい損害を受けた場合」が含まれるため、解答は◯になります。
2.施設介護サービス費に係る利用者負担は、一律2割の定率負担となっている。
→×
施設介護サービス費についても、他のサービス費と同じく、利用者負担は原則1割(一定以上の所得のある第1号被保険者は2割または3割)となります(2025ユーキャン速習レッスンP68、十訂基本テキスト上巻P107)。そのため、解答は×になります。
3.区分支給限度基準額を超えてサービスを利用した場合には、その超えた部分は3割負担となる。
→×
支給限度基準額を超えてサービスを利用した場合、その超えた部分は全額が利用者負担となります(2025ユーキャン速習レッスンP78、十訂基本テキスト上巻P101)。そのため、解答は×になります。
4.介護保険施設入所者の理美容代は、保険給付の対象とならない。
→◯
日常生活費(理美容代、教養娯楽費など)については、保険給付の対象とはならず、全額が利用者負担とされています(2025ユーキャン速習レッスンP68、十訂基本テキスト上巻P110)。そのため、解答は◯になります。
なお、施設サービスでのおむつ代は、保険給付の対象となります。
▼関連Q&A
おむつ代が保険給付の対象になるサービスのうち、施設サービスと地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、そこに“居住”して利用するサービスです。短期入所サービスは“滞在”して利用するサービスです。ですので「利用者がそこに居住または滞在する」ということがポイントと言えます。
居住して利用するサービスには、(介護予防)特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、(介護予防)認知症対応型共同生活介護もありますが、これらの事業所は介護保険において「居宅」とされています。
有料老人ホームなどの特定施設は、高齢者が自ら費用を負担して選択した居宅という扱いです。(介護予防)認知症対応型共同生活介護の事業所は、民家やアパートなどの住居であり、やはり居宅とされています。
また、(介護予防)小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスは、短い日数を想定しています。
こうしたことから、おむつ代が保険給付されるのは、「居宅ではなくて、利用者がそこに居住または滞在して利用するサービス」というように言えます。
。
5.居宅介護サービス計画費については、利用者負担はない。
→◯
居宅介護サービス計画費については、全額が保険給付されて、利用者負担はありません(2025ユーキャン速習レッスンP68、十訂基本テキスト上巻P107)。そのため、解答は◯になります。
また、介護予防サービス計画費についても同様に、全額が保険給付されて、利用者負担はありません。
▼関連Q&A
居宅介護支援・介護予防支援のサービス内容は、利用者にアセスメントを実施し、ニーズを把握して、サービス計画を作成し、その後の経過をモニタリングする、というものです。これによって、サービスが総合的・一体的に提供されることになりますので、居宅介護支援と介護予防支援は介護保険制度において非常に重要なサービスと言えます。
サービス計画の作成は、利用者が自分で行うこともできます。しかし、上記のような居宅介護支援・介護予防支援の機能を活用するため、これらについては10割(全額)を給付し(利用者負担は0円とし)、その利用を促進しています。